和室は部屋干し向き?カビを防いで素早く乾かすコツ

悪天候が続き外に洗濯物を干せないときに困るのが、室内干しをする場所です。悩んだら、和室に干すことも検討しましょう。日当たりが良く、風通しが良いなどの条件さえ整えば、意外に和室は部屋干しに向いています。今回は、和室で部屋干しするメリットを解説しながら、洗濯物を干すときの注意点、早く乾かすコツを紹介します。

この記事は約6分で読み終わります。

和室でも部屋干しはできる?

「湿気に弱い」というイメージがあるものの、和室でも洗濯物の部屋干しができます。天気が悪くて外に干せないとき、リビングを室内干しに使うと生活空間が圧迫されていると感じてしまう方もいるのではないでしょうか。普段は部屋干しに使っていない和室があるなら、和室も部屋干しの選択肢に入れてみましょう。

天然のい草から作られている畳には、調湿作用があります。湿気を吸い込むだけでなく放湿する機能も備えているため、洗濯物を干したあとに湿気を取り除けば、部屋は湿っぽいままになりません。

とくに、日当たりの良い部屋、風を良く通す和室は、部屋干し向きです。逆に、北向きの風通しがないような和室は、部屋干しに向いていません。放湿が追いつかずに湿気が溜まり、和室の畳にカビが生える可能性があります。

畳にカビがつくと張り替えが必要になり、費用がかかってしまいます。条件が整った和室でも、畳にカビが繁殖しない対策をしながら部屋干ししましょう。

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和室で部屋干しすると良い効果がある

和室で部屋干しすると、次のようなメリットがあります。

・洗濯物が良く乾く
・い草の香りで部屋干し臭が気にならない

それぞれを詳しく解説していきます。

洗濯物が良く乾く

和室で室内干しをすると、天然の調湿作用で洗濯物が早く、良く乾きます。

高温多湿の日本で発達した和室は、調湿作用を備えています。畳、木の柱、障子とも湿気を吸い込み室内の湿度を調整してくれます。そのため、夏は涼しく、冬が暖かく過ごせるのがメリットです。

なかでも畳は優れた調湿作用を備えており、洗濯物の湿気を素早く吸い取るため、乾きが良くなります。そのため生乾きも防げるので、洗濯物の嫌なニオイを防ぐ効果も期待できて一石二鳥です。

また、和室は比較的家具が少なく、空間が広い間取りが多い傾向があります。遮るものが少なく風通しが良いため、洗濯物がしっかり乾きます。

い草の香りで部屋干し臭が気にならない

畳に使われているい草の良い香りで、部屋干し臭が気にならないのも和室が部屋干しに向いている理由のひとつです。い草は炭と同じく多孔質構造で、空気を清浄に保つ効果が期待できます。

畳の魅力については以下の記事でも解説しているので、あわせてチェックしましょう。

日本の伝統的な床材「畳」のメリット・デメリット

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和室で部屋干しをするときに意識すること

和室は部屋干しに向いている反面で、洗濯物の湿気でカビの温床になりやすいリスクがあります。和室では、正しいやり方で部屋干しすることが大切です。次のカビ対策を徹底しましょう。

和室全般の湿気対策については、以下の記事で詳しく解説しています。カビやダニの危険性についても説明しているので、あわせて参考にしてください。

和室にカビが発生!すぐできる湿気対策5つを紹介

室内の湿度をコントロールする

和室の調湿作用は優れていても、部屋干しのために高温多湿な状態が続くとカビが繁殖しやすくなります。室内に湿度計を置いて、上手にコントロールしましょう。室温25度以上、湿度70%を超えると、カビが発生しやすいとされています。

除湿機やエアコンを使って、和室の空調をコントロールするのもおすすめです。部屋干し中だけでなく、洗濯物が乾いたあとも除湿機やエアコンを稼働させて適正な湿度を保つと、カビの繁殖を防げます。

大量の洗濯物をまとめて干さない

和室では、一度にまとめて大量の洗濯物を干さないようにしましょう。洗濯物の量が多いほど室内の湿度があがり、カビが繁殖しやすい環境が続きます。約5kgの洗濯物から約3リットルの水蒸気が発生するともいわれているので、大家族で住んでいる方は部屋干しする服の量に注意しましょう。

和室を室内干しに使う場合は、少ない量の衣類をこまめに洗濯するのが基本です。半分を室内干しにして、残りを乾燥機にかけるといったような工夫をしましょう。洗濯物の量が多いときは、リビングやエアコンのある部屋に分散して干すやり方もできます。

換気して室内を乾燥させる

和室で室内干しをする際は換気をして、早めに湿度を下げる必要があります。カビを発生させないためには、洗濯物からでた湿気を溜め込まないことが大切です。

天気が良い日は窓を開けて、換気をしながら和室で室内干しをするのがおすすめです。対角線上に2か所の窓を開けると、風の通りが良くなります。洗濯物を干していない日も、なるべく換気して室内を乾かしましょう。

除湿機やエアコンの除湿機能を使いながら、和室で室内干しをするのも良い方法です。長雨が続く梅雨時や冬で窓が開けられないときにおすすめです。

扇風機やサーキュレーターを使って洗濯物に風を送ると、湿気を素早く取り除けます。室内に対流を作るように、洗濯物に向かって下側から風を送るのがポイントです。

濡れた洗濯物を畳につけない

畳は水分を良く吸うため、塗れた洗濯物を直接つけるのは避けてください。丈の長いスカート、ズボンは干し方に注意しましょう。

室内干しをするときは、洗濯物をしっかり脱水し、素早く乾かす必要があります。5分程度乾燥機にかけて、洗濯物を軽く温めてから干すと乾きが早くなります。脱水するときに乾いたタオルを入れておくのも、洗濯物から効率良く水分を除去できるのでおすすめです。

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和室の部屋干しで洗濯物を早く乾かす方法

和室で室内干しをするときは、素早く乾かすことが大切です。早く乾けば和室や畳に与えるダメージが減り、部屋干し臭の予防にも効果的です。ここからは、洗濯物を素早く乾かすコツを紹介します。

洗濯物は部屋の中央に干す

早く乾かすためにも、洗濯物は部屋の中央にスタンドを置いて干しましょう。洗濯物を早く乾かすには、風通しの良さが重要です。部屋の中央で洗濯物を干せば、まわりにさえぎるものがなく、風が通り抜けて早く乾きます。

逆に、和室の壁近くは対流が生まれにくく、洗濯物が生乾きになりやすいので気をつけてください。なるべく家具が少ない広い和室を選び、部屋の中央に干すのがポイントです。

洗濯物の干し方を工夫する

洗濯物の干し方でも乾くスピードが異なります。室内は屋外より風が少なく、乾きにくいため、洗濯物同士を密着させないようにすることが必要です。洗濯物同士の間隔を5cm以上空けて、風を通す工夫をしましょう。

厚手の衣類は内側が乾きにくいため、裏返してハンガーにかけるのが早く乾かすコツです。バスタオルは二つ折りにして干すと生乾きになりやすいので、ピンチハンガーにジャバラ状にかけて干しましょう。

ピンチハンガーの外側に長い衣類、中央に靴下などの小物を配置してアーチ状に干すと、風の通りが良くなり、まんべんなく乾きます。

洗濯物の下に新聞紙を敷く

和室に干す際は、洗濯物の下に新聞紙を敷きましょう。新聞紙は水分を良く吸うため、洗濯物から落ちる水分を素早く吸い取ることで早く乾くのです。また、デリケートな畳を湿気から保護する役割も果たします。

洗濯物の下に敷くときは、新聞紙をクシャクシャに丸めてから、軽く開いて敷くのがポイントです。湿気を吸い取る表面積が増え、畳との間に空間ができるぶん吸着する効率が向上します。

ちなみに、布団の綿も湿気を良く吸います。洗濯物の近くに置くと湿っぽくなり、布団にカビが繁殖するリスクがあるため、部屋干しをする場合は布団を別室に移動させておく必要があります。

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まとめ

気をつけていたつもりでも、室内干しの湿気で和室の畳が傷んでしまった場合は、張り替えを検討しましょう。畳にも寿命があるため、定期的な張り替えが必要です。

和室専門の「金沢屋」では、畳の補修、張り替え、新しい畳へのリフォームと幅広く対応しています。地域密着型の企業なのでスピーディーに、和室に関する悩みをご相談いただけます。

「湿気で傷んでいないか不安」といった相談でも、誠実に対応いたします。畳、障子、襖などの和室の悩みや困りごとは、「金沢屋」までお気軽にご相談ください。