【外壁塗装】お金がないなかで実施する方法とは

建築から一定年数が経過した場合や、住宅の外壁が災害などで破損したときは、塗装し直す必要があります。外壁塗装は、住宅を劣化から守るために欠かせません。とはいえ、業者に塗装を依頼するとコストがかかるため、節約したいと考える方は多いのではないでしょうか。そんな方に向けて、金銭的な余裕がないなかで外壁塗装をする方法や、注意点についてご紹介します。

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外壁塗装にかかる費用の相場

住宅の外壁塗装にかかる費用は、建物の大きさ、使う塗料の種類、塗り方、足場設置の有無によって異なります。一般的な一戸建て住宅の場合は、40万円〜200万円程度の予算をみておくと良いでしょう。

費用の算出に必要な外壁の塗装面積は、住宅の延床面積をおおむね1.2倍すれば簡単に求められます。延床面積による費用相場は、次の表を目安としてください。(※下記は目安の面積と金額です。実際は家ごとに塗装面積が異なります。)

建物の延床面積

塗装面積

費用相場

30坪

118.8㎡

約60万円~100万円

40坪

158.4㎡

約80万円~130万円

50坪

198.0㎡

約90万円~160万円

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外壁塗装のお金がないときに費用を抑える方法

住宅の見た目に問題がなくても、外壁塗装はおおむね10年ごとを目安に、定期的に行うことが推奨されています。とはいえ、外壁塗装には数十万円単位で費用がかかるため、負担が大きいと感じる方は多いのではないでしょうか。

外壁塗装の負担は、少しの工夫で軽くすることが可能です。お金がないからと諦める前に、ぜひ次の方法を検討してみてください。

火災保険を利用できるか確認する

台風や強風による飛来物で住宅の外壁がダメージを受け、塗装をやり直す場合は、加入している火災保険が利用できないか調べてみましょう。火災保険とは、災害による建物や家財の損害を補填するための保険です。

「火災」という名称ではあるものの、火事以外の災害による破損でも補償を受けられる可能性があります。保険契約は商品ごとに異なるので、契約書を確認してください。

ただし、基本的に火災保険の対象となるのは火事、落雷、台風、雪害、水害といった自然災害による外壁や屋根材の破損です。建築業者による施工不良や故意による家屋の破損には保険が適用されないため、原因によって対応方法が異なります。

また、火災保険が適用される場合でも、例えば「損害を受けてから3年以内に申請が必要」といったさまざまな条件があります。免責金額を超える損害は実費の支払いが必要だったり、保険会社の鑑定によっては希望金額が支払われなかったりするので、その点も理解しておきましょう。

リフォームローンを活用する

外壁塗装をするお金がない場合は、リフォームローンが役に立ちます。リフォームローンとは、古い住宅を修繕するのを目的に組むローンです。外壁塗装の資金が不足している場合は、口座や取引がある銀行や住宅ローンの借入先、外壁塗装の事業者に相談してみてください。

外壁塗装に多額の費用がかかっても、ローンを組めば、借りたお金で修理費用をまとめて支払うことが可能です

とはいえ、リフォームローンを組むにも金融機関の審査があり、返済能力があると認められないと借りられません。また、ローンを組むと金利がかかり、実際に外壁塗装にかかった費用よりも最終的な支払い額が大きくなるので慎重に検討してください。

助成金や補助金を申請する

お住まいの自治体によっては、リフォーム向けの補助金や助成金制度を用意しています。リフォーム向けの名称でも外壁塗装に利用できる可能性があるので活用しましょう。

市町村の助成金や補助金は10万円〜30万円程度を上限に、修繕費用の5%〜20%を支給するのが一般的です。支給額や支給の条件、外壁塗装が対象に含まれるかは自治体ごとに異なるので、ホームページや役所窓口で確認してください。

複数の見積もりを取る

外壁塗装を専門業者に依頼するときは、即決するのではなく「相見積もり」を取るのがコストを抑えるポイントです。

3〜4社ほど複数の業者から見積もりを取り、同じ条件で比較して、なるべく金額が低い業者を探しましょう。外壁塗装にかかるコストを節約したい場合は、地域密着型の事業者への依頼がおすすめです。なぜなら、大手ハウスメーカーやリフォーム会社は下請けの事業者へ依頼することもあり、仲介手数料が発生することもあるためです。

相見積もりでは費用だけでなく、業者のこれまでの実績や保証内容の充実度もしっかりチェックしてください。大切な家の外壁塗装を任せられる、信頼できる業者を選びましょう。

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外壁塗装に充てるお金がないときに避けるべきこと

外壁塗装は、住宅を良い状態で長持ちさせるために欠かせないメンテナンスです。お金がないからといって間違ったやり方で節約すると、かえって費用がかかります。ここからは、外壁塗装を行う際に注意すべき点をご紹介します。

外壁塗装を延期する

外壁塗装を先延ばしにしているといつの間にか住宅の劣化が進み、外壁塗装の頻度が増えるリスクがあります。また、外壁にひび割れができたりコーキングが剥がれたりして、内部の建材が傷むこともあるので注意しましょう。

劣化した部分からシロアリが入り込むと、住宅の土台が深刻なダメージを受けます。被害が広がれば大規模な補修が必要になり、外壁塗装より多くの費用がかかることもあります。

自分で外壁塗装を行う

節約のためとはいえ、自分で外壁塗装をするのは控えましょう。業者に依頼する費用は節約できても、道具や塗料の購入に思ったより金額がかかります。また、外壁塗装では足場を組む必要があるうえ、高所での作業は落下のリスクをともなうため大変危険です。

また、住宅の外壁塗装には専門知識や技術が必要です。プロでも大変な作業を素人がすると非常に時間と労力がかかり、負担が増大しかねません。

低価格の塗料を使う

節約を意識して、外壁塗装に安価な塗料を選ぶのは考えものです。一般的に低価格な塗料は、耐用年数が短い傾向があります。頻繁に塗り直しが必要になるため、トータルでみたときにそこまで節約にはなりません。

外壁塗装の費用において塗料が占める割合は、全体の2割〜3割程度といわれています。工事費用の方が占める割合が大きいため、頻繁に塗り直す方がトータルコストは高くつきます

価格が売りの外壁塗装業者を利用する

外壁塗装をするお金がないときは相見積もりを取り、そのなかから価格が低めの業者を選べば自ずと節約できます。ただし、ほかの業者と比べて極端に低い金額を提示する業者は避けた方が無難です。

なぜなら、塗料を薄める、人件費をカットするために手抜き工事をするなどして、価格をぎりぎりまで下げている悪質な外壁塗装の業者がいるからです。相見積もりをとるときは金額の低さだけに注目するのではなく、相場感もしっかりチェックしましょう。

なかには、見積もり提示は格安でも、施工後に追加費用が発生したと高額な料金の支払いを要求する悪質な業者もいます。見積書をみるときは、使用材料、施工箇所、工賃といった詳細な内訳が記載されているか必ず確認してください。

外壁塗装は大きな費用がかかるため、信頼できる業者を選ぶのが第一です。「すぐに外壁塗装をしないと危険」「いま契約すれば特別に50%オフになる」といって危機感をあおるような業者には、十分注意しましょう。

まとめ

住宅の外壁塗装にはお金がかかるものの、工夫次第でコストを抑えられます。お金がないからといって外壁塗装を先延ばしにする、または間違った方法で対処すると、大規模なリフォームが必要になり余計な出費がかさみます。信頼できる専門業者に外壁塗装を依頼して、大切な家屋を雨風から守ってください。