手すりの取り付け費用は?自分でも取り付けられる?

年を重ねると思うように足が上がらなくなり、ちょっとした段差でもつまずいてしまうことがあります。高齢の親がいる方は、もしご両親が自宅で転倒したという話を聞くと心配に思うことでしょう。 段差の少ないバリアフリーの家でなくても、手すりを取り付けることによって転倒を防止することが可能です。今回は、手すりを取り付ける場合の費用感やDIYで取り付ける方法、手すり取り付けの注意点を紹介します。

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手すりの取り付けにはどのくらいの費用がかかる?

自宅の手すり取り付けにはどのくらいかかるものなのでしょうか。手すり取り付けの費用感や補助金の有無について紹介します。

手すりの取り付け費用は1万円~20万円程度

手すり取り付けの基本料金を構成するのは、材料費と工事費です。場合によっては、出張費や運搬費、廃材の処分費などが合わせてかかることがあります。

手すり取り付け費用の相場は、1〜20万円程度です。どこにどのような手すりを取り付けるのか、どのくらいの範囲に手すりを取り付けるのかなどで変わってきます。

費用がかかりやすいのは、階段のように手すりの設置面が広範囲に及ぶ場合に取り付ける場合です。また、下地や場合によって補強が必要になる屋外など、難易度の高い場所は取り付け費用が高い傾向にあります。

手すりの取り付けで申請可能な補助金もある

手すりの取り付けは範囲によってはまとまった費用が必要になることもありますので、補助金の有無も気になるところかと思います。

介護保険制度には、一定の住宅改修費の支給制度がありますので、対象であれば補助金を利用して少ない負担で手すりを取り付けることが可能です。

住宅改修費の支給は、要支援者や要介護者が自立しやすい環境を整備することを目的としています。手すりの取り付けはその対象で、介護認定により要介護者または要支援者の認定を受けている場合に利用できる制度です。

住宅改修費の自己負担額は1〜3割(※所得による)で、工事費用の7~9割(他の改修工事と合わせて生涯で上限20万円)の補助が受けられます。事前に申請をした後、償還払いといって、工事費を全額自己負担してから、補助金分を市町村から支給してもらう仕組みです。

ほかにも、自治体によっては高齢者住宅の改修やリフォームにかかわる補助金、助成金を支給しているところもあります。住まいのある市町村で独自の補助金や助成金の支給がないかも確認してみると良いでしょう。

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DIYで手すりを取り付けることはできる?

業者に依頼せずに自分で手すりを取り付ければ、工事費分を抑えられます。手すり取り付けのDIYは可能なのでしょうか。自分で手すりを取り付ける場合の手順を、屋内に取り付ける場合と、屋外に取り付ける場合に分けて紹介します。

【屋内】手すりの取り付け方法

階段やトイレなど、屋内に手すりを取り付けるときの手順を説明します。

道具を準備する

屋内の手すりの取り付けで基本的に必要になる道具は、下地探しとメジャーとドライバーです。下穴用のドリルや電動ドライバーもあると便利でしょう。

ほかに、設置する手すりセットやネジを準備しておきます。手すりが長くカットする必要があるときは、のこぎりも用意しておきましょう。

柱を探す

手すりは場所を選ばず取り付けることはできません。手すりは一定の強度が必要なため、壁内部の柱に取り付ける必要があります。

手すりを取り付ける場所は、基本的に石こうボードの壁や化粧ベニヤの壁、和室の真壁になるでしょう。鉄筋コンクリートのマンションの壁は補強板があれば取り付けられますが、コンクリートに直で取り付けるのは難しいです。

手すりを取り付けられる場合は、柱がどこにあるか下地探しを使って探します。センサー式の場合はセンサーが反応する場所、突き刺し式の場合は突き刺したときに手ごたえを感じ針が奥まで進んでいかない場所が取り付けられる柱がある位置です。

取付位置を確認する

次に手すりの取付位置を決めていきます。取り付ける高さは、利用する人が手すりに無理なく手を添えられる位置がベストです。身長などでも変わってきますが、床から75センチメートル~85センチメートル離れた位置が目安とされています。

柱に取り付ける

固定する柱の場所と取付位置に目印をしたら、手すりセットを取り付けていきます。まず、手すりの端にあたるブラケットをネジで仮留めし、必要に応じて手すりの棒をカットしましょう。カットした棒はブラケットに取り付けてしっかり固定していきます。

階段に手すりを取り付ける場合は、床との間隔が均一になるように角度を確認して取り付けるのがポイントです。

手すりが長い場合や、階段に沿って途中で変形させる必要があるときは、中間ブラケットを利用して手すりの強度が保たれるように固定します。中間ブラケットを設置する場所は、ブラケットと同じように柱がある位置です。

【屋外】手すりの取り付け方法

玄関前のスロープや階段など、屋外に手すりを取り付ける手順を紹介します。

道具を準備する

手すりを設置する場所にもよりますが、屋外の場合、支柱はコンクリートに打ち付けます。そのため、硬い場所に取り付けるためのコンクリートドリルなどの工具が必要です。

ほかにも、電動ドリルや六角レンチ、鉄製の手すりを切断するチップソー切断機、切断部を滑らかにするやすりなどを準備しておきます。手すりの支柱を完全に埋め込む場合は、コンクリートのコア抜きのためのコアドリルのような道具も必要です。

支柱を立てる場所に穴を開ける

支柱埋め込み式の手すりを設置する場合は、コンクリートに大きな穴を開けられるコアドリルのような道具を使って、埋め込む位置に穴を開けます。

ベースプレートというブラケットを使って支柱を固定するときに、側面用のブラケットを使って支柱を固定する場合は、支柱を埋め込まないため穴開けは不要です。

支柱を立てる

次に支柱を立てていきますが、支柱の立て方は施工方法で異なります。埋め込み式の場合はコア抜きで開けた穴に支柱をはめ込み、モルタルでの固定が必要です。

ブラケットで固定する場合は、コンクリートドリルで下穴を開け、アンカーボルトで固定していきます。

壁付けタイプの手すりは支柱が必要ありません。ブラケットを取り付ける位置にコンクリートドリルで穴を開け、ブラケットを固定していきます。

手すり部分を取り付ける

チップソー切断機などを使って手すりになる棒を必要な長さにカットします。棒を切断する機械は、棒の材質に合わせて専用のものを使用するようにしましょう。ちょうど良いサイズにカットしたら、支柱に取り付ける部分に穴を開け、支柱に手すりを取り付けていきます。

固定する

手すりの棒の端にキャップやエンドブラケットなどを取り付けしっかり固定します。

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手すりを取り付けるときの注意点

手すりの取り付けは自分でもできますが、屋内と比べると屋外の難易度は各段に上がります。ここでは、手すりを取り付けるときに気を付けたいポイントを見ていきましょう。

必要に応じて適切なものを取り付ける

手すりを取り付ける際は、利用する人の状況に合わせることが重要です。例えば、人によって手を置きやすい高さは異なりますし、つかみやすい手すりの太さも異なります。

利用しやすい手すりの種類も人によって異なるでしょう。手すりの種類には、床と水平な水平型、立ち上がりを補助するL字型、昇降を補助するI字型、手すりが動く可動式、床に置いて使う据置型、などがあります。利用する場面や使いやすさを考えて設置する種類を選択しましょう。

また、手すりはどこにでも取り付ければ良いものでもありません。場所によっては通行を妨げることもありますので、必要な場所を見極めて取り付けましょう。

設置場所の特性を考慮する

手すりには、L字型やI字型などさまざまな種類があります。手すりの種類を選択するときは、利用者の利用のしやすさだけでなく、設置場所の特性も考慮すると良いです。

例えば、玄関なら立ち上がりを、トイレなら立ち座りを、階段なら上り下りを意識して利用に向いた手すりを選択します。

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まとめ

手すりの取り付け方や必要な道具は、屋内に取り付けるのと、屋外に取り付けるのとでは変わってきます。特に、屋外はコンクリートに穴を開ける作業が必要なため難易度は上がるでしょう。屋内も壁内部の柱に取り付ける必要があるため、慣れていないと失敗することもあります。

そのため、道具を集める手間や難しい作業を減らすためにもプロへ依頼することも検討してみてはいかがでしょうか。プロの専門業者の方であれば、設置場所に合わせて適切な手すりと取り付けることが可能です。

専門業者である「金沢屋」では、主に襖や障子、畳などの張り替えといった和室全般についての相談を承っておりますが、そのほかのリフォームに関しても承っていますのでまずはお気軽にご相談ください。