和モダンな住宅に合う、おすすめの掛け軸の特徴や飾り方を紹介

最近はカラフルな畳やモノクロカラーの畳を取り入れたり、近代的なダウンライトや洋風のシャンデリアを組み合わせたりした、モダンな和室が人気を集めています。部屋のデザインも多様化しており、手軽に和風インテリアを楽しむ機会が増えてきました。 そんな和モダンスタイルな部屋づくりに、掛け軸を飾ってみてはいかがでしょうか。今回は和室だけではなく、洋室やリビングでも掛け軸を楽しめるよう、コツや注意点を紹介します。

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掛け軸は床の間以外にもかけて良い?かける際の一工夫とは

掛け軸は、書や絵を飾れるよう、紙や布を貼り付けて表装したインテリアアイテムです。掛け軸の絵というと従来は東洋画が一般的でしたが、近年はお子様の作品や家族写真を飾るなど、楽しみ方のバリエーションが増えてきました。

そのため、純和風の床の間だけでなく、近代的なスタイルのリビングでも掛け軸をインテリアに取り入れたいと考える方も少なくありません。

そこで気になるのが、「掛け軸は床の間以外の場所にも飾って良いのか」という点です。掛け軸を掛けるときのマナーや工夫すべきことを紹介していきます。

もともと掛け軸は床の間に飾るもの

掛け軸は本来、「床の間」に飾るものとして作られています。床の間とは和室の壁寄りに設けられた、一段高くなっている板敷きのスペースのことです。部屋の規模によって高さや横幅が異なっていたり、下部分に棚が取り付けられていたりする場合もあります。

床の間は、もともと身分の高い人が座る場所として作られた「上段の間」が転じて、茶室や一般家庭の和室に取り入れられるようになりました。掛け軸を飾るようになったのは茶室に床の間が取り入れられるようになってからで、お客様をもてなす床の間の飾りとして利用されていました。

このような背景があるため、掛け軸は床の間に飾るのが最適といえます。しかし現代の物件は、洋風の要素を含むモダンな和室が多く、床の間が設けられていることは珍しいでしょう。

床の間以外に飾るのであれば工夫しましょう

床の間がないからといって、せっかくの掛け軸を飾らないまま保管しておくのは勿体ないことです。

床の間以外の部屋に飾るのであれば、違和感なく溶け込めるように工夫しましょう。たとえば以下のように、「床の間」に見立てたスペースを作る方法があげられます。

・掛け軸の下に小さな畳を置いてみる

・白木の板で床の間風のスペースをつくる

・木製の間接照明を床の間変わりにする

小さい畳は、手のひらサイズ程度のものであれば、100円均一ショップなどでも購入できます。畳風コースターなども、並べると和風スペースに早変わりです。

より本格的に床の間風にしたいなら、白木の板をホームセンターで購入して、掛け軸の下に置く方法もあります。表面を黒いペンキで塗れば、モダンな部屋に合う高級感を演出できるでしょう。

ほかにも、木製の枠が取り付けられた間接照明を、床の間の板のように配置する方法などもあります。

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掛け軸を扱う際の注意点

掛け軸を飾るスペースが用意できたら、次はいよいよ掛け軸を掛けます。ここで注意したいのが、正しい方法で取り扱わなければ掛け軸を傷めてしまうことです。紙や布でできた掛け軸はデリケートなため、慎重に取り扱いましょう。

この項目では、掛け軸を掛ける際に注意したいポイントと、掛け軸を傷めず長持ちさせるためのコツを紹介します。

掛け軸の掛け方と外し方

掛け軸を掛けるときと、外すときの基本的な手順は、以下のとおりです。

掛け軸を掛ける手順

1.掛け軸を留めている巻紐をほどく

2.床に掛け軸を置き、途中まで開く

3.巻紙(あて紙)を外し、風帯を伸ばす

4.掛け紐に矢筈(やはず)を引っかける

5.片方の手で本体を支えながら、矢筈で掛け紐を金具に掛ける

6.矢筈を床に置き、両手でゆっくりと掛け軸を下ろす

矢筈で掛け紐を金具に掛けたあとは、ゆっくりと残りの部分を開くことで、掛け軸の破損を防止できます。

掛け軸を外す手順

1.掛け軸の軸棒の両端(軸先)を持ち、ゆっくり巻いていく

2.風帯の下あたりまで巻いたら、矢筈を掛け紐にかける

3.片方の手で巻いた本体を持ち、矢筈で金具から掛け紐を外す

4.床に置いて風帯を直角に(軸棒に沿わせるように)折る

5.巻紙(あて紙)を風帯に当て、掛け軸の残りを巻いていく

6.巻紐を巻く

巻紐を巻いたり外したりするときは、紐ではなく掛け軸本体を回すとスムーズです。

また、掛け軸を下すときや巻くときは、金具に掛けたあと必ず軸棒の両端を持つようにしましょう。掛け軸本体や軸棒の中央を持つと、傷めてしまいます。

掛け軸を長持ちさせるためのコツ

掛け軸を長持ちさせるためには、掛けっぱなし、しまいっぱなしにしないことが大切です。掛け軸は湿気やほこり、気温の変化に弱いため、定期的に掛け替えをしましょう。できれば3ヶ月に一度、お盆やお正月の掛け替えがおすすめです。

飾っている間や保管時もていねいに取り扱うことが重要です。

たとえば、掛け軸の下部に付ける風鎮(ふうちん)は、長期間つけておくと重さで掛け軸を傷めてしまいます。

風鎮は掛け軸が風で揺れないように重石として使うもので、必ずしも付けなくてはならないわけではありません。また、掛け軸に折れやシワがあっても、伸ばす目的で風鎮を使うことは避けましょう。

飾り終わった掛け軸は、箱で保管しましょう。掛け軸が箱の中で動いて破損しないよう、サイズの合った箱が必要です。防虫効果がある桐の箱は、調湿効果や耐火性にも優れているため、掛け軸にとって最適な環境で保管できます。

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掛け軸を飾るのであれば、季節にあったものを飾るようにしましょう

掛け軸を飾るときは、絵柄と季節や目的の相性も意識したいところです。最後に、掛け軸をより素敵に飾るために押さえておきたいポイントを紹介します。

四季に合わせて掛け軸を変える時に注意したいこと

掛け軸は、四季をテーマとした絵柄のものと、年間を通して掛けられるもの、正月や法要など特別な期間のみ使用するものがあります。せっかく素敵な絵柄の掛け軸を飾るからには、季節との相性も意識してみましょう。

花が描かれている掛け軸なら、その花が咲く季節に合わせて飾りたいものです。動物画であれば季節を問わず飾れます。フクロウなど縁起の良い動物画は、ゲン担ぎとしてもおすすめです。

ただし、魚類は基本的に夏をイメージさせるものが多く、季節感が出やすいことに注意しましょう。アジアンテイストを残しつつモダンなリビングに合うものを飾りたいなら、モノトーンで独特の雰囲気をもつ山水画も候補としてあげられます。

掛け軸の合う和モダンな空間を作るなら、畳にこだわりましょう

せっかく掛け軸の合う、和モダンなリビングや部屋を作るなら、スペースの大半を占める畳もこだわりのあるものにするのがおすすめです。

金沢屋」なら、デザイン性に優れた畳や耐久性の高い畳、カビ・ダニなど虫が発生しにくい畳など、品質の良い商品を幅広く取り扱っています。部屋全体の畳を張り替えるだけではなく、マンションや現代の住宅に多い畳スペースもお任せください。

プロの職人がお客様の生活環境やご希望に合わせ、最適な畳を提案します。金沢屋は全国に300店舗展開しているため、日本全国どこでも即座に駆けつけます。

襖や障子など、和室に関する幅広いお悩みにも対応しておりますので、ぜひ一度金沢屋へお問い合わせください。

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まとめ

モダンなデザインのリビングや、和室のないマンションでも、工夫次第で掛け軸をおしゃれに飾ることができます。100円均一ショップのアイテムを活用するなど、お金をかけずに床の間風のスペースを作ることもできるため、掛け軸用にDIYしてみてはいかがでしょうか。

こだわりの和室や畳スペースを作りたい方は、ぜひ和室のプロ「金沢屋」へご相談ください。予算や目的に応じて最適な畳の提案や、襖、障子の張替えなど、掛け軸をより美しく見せる空間作りのお手伝いが可能です。ぜひ一度お問い合わせください。