襖(ふすま)の張り替えに壁紙は使える?張り方や注意点を解説

襖(ふすま)は汚れたり、破れたりするため、定期的に張り替えが必要です。張り替えを業者に依頼すると費用が高いため、市販の壁紙を購入して、「自分で張り替えたい」と考える人もいるのではないでしょうか。また、おしゃれな壁紙を襖に張り付けたいと思案する人も多いでしょう。 この記事では、市販の壁紙を利用した襖を張り替える方法を紹介します。注意点も解説するため、あわせて確認してください。

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壁紙は襖の張り替えに使える!

襖の張り替えには、襖専用の「襖紙(ふすまがみ)」を使うのが一般的です。襖紙は和紙や織物で作られています。また、戸に使われるため高い耐久性をもっています。一方で、デザインは伝統的な和柄に限られており、壁紙と比較するとバリエーションに乏しいと感じる人もいるでしょう。

本来、壁紙は内装の仕上げに使われるものです。襖紙と比べデザイン性に優れています。素材も紙・織物・ビニールと、状況に応じて使い分けることが可能です。また、消臭・防火・汚れ防止など、様々な機能が備わっているものもあります。

このように、襖紙と壁紙は本来の用途が大きく異なります。壁紙は戸に使うことを前提に設計されていないため、襖紙の代わりに使うには注意が必要なことを覚えておきましょう。

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自分で張り替える前に!まずは襖の種類を見分けよう

襖には複数の種類があり、それぞれ構造が違います。張り替えを始める前に、襖の種類を確認しましょう。ここでは襖の種類と、張り替えの難易度をご紹介します。

本襖

襖のなかで最もオーソドックスなものを「本襖(ほんぶすま)」と呼びます。襖の枠の中に「中骨」という木製の格子が入っており、その上に何枚もの紙を重ねた構造になっています。

反りやねじれに強く、枠を外して表面の紙をはがすことで簡単に張り替えできるのが特徴です。

本襖は中に格子があるため、触れば判別ができます。ただし張り替えには外枠を外し、張られた紙を剥いでいくという一連の手順があるため、素人の張り替えは難しいといえます。当然、壁紙を張ることもできません。

戸襖(板襖)

戸襖(とふすま)は、骨組みの上からベニヤ版が張られた構造の襖です。板襖(いたふすま)という別名もあり、重くて丈夫なのが特徴です。

戸襖には壁紙を張ることができます。もともと貼られている襖紙は剥がさず、上から直接壁紙を張りましょう。枠が外せず、叩くとコンコンと木の音がするため、見分けるのも簡単です。

発泡スチロール襖・段ボール襖

木製の枠を使わず、一枚の発泡スチロールや段ボールで作られた襖です。安価で軽量なつくりのため、最近の住宅に多く用いられています。そのかわり強度は低く、反りやすいという特徴もあります。

発泡スチロールや段ボールの襖にも、壁紙を張ることができます。板襖と同じように、張ってある襖紙を剥がさず上から壁紙を張り付けましょう。非常に軽量で、叩くと鈍い音がするのが見分けるポイントです。

張り替えの際に注意すべき点は、発泡スチロールと段ボールの弱点を理解しておくことです。発泡スチロールは熱に弱いため、アイロンで張り付けるタイプの壁紙は使えません。一方、段ボールはのりを塗ると反り返ってしまうため、のりタイプの壁紙とは相性が悪いといえます。

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襖に壁紙を張るときの注意点

ここでは、襖に壁紙を張るときの注意点をご紹介します。

襖に合った張り方を選ぶ

襖に壁紙を張る際には、のりか両面テープのどちらかを使うことになります。のりを使うと比較的簡単かつ短時間で張り替えができますが、発泡スチロールと段ボール製の襖は反りやすいため、のりが乾くと同時に襖本体が反ってくるおそれがあります。

また発泡スチロール襖は熱にも弱く、アイロンタイプの壁紙も使用できません。一方、両面テープは襖の種類を選ばずに使うことができますが、張り替えにコツがいります。

壁紙は国産のものがおすすめ

襖の張り替えに使う壁紙は、国産のものを使うのがおすすめです。壁紙には幅が約92センチの国産壁紙と、幅が約52センチの輸入壁紙の2種類があります。

襖の横幅は一般的に、95センチ以内に収まる大きさです。国産壁紙だと周囲を切り落とすだけで済みますが、輸入壁紙だと2枚をつなぎ合わせて張ることになります。壁紙同士をつなぎ合わせるのは難易度が高いため、国産壁紙を使うと良いでしょう。

壁紙を張る前に襖をキレイにしておく

壁紙を張る前には、襖の表面を掃除しておきましょう。襖の表面に汚れやホコリなどが付いたまま壁紙を張ると、カビが生える原因になります。必要に応じて、カビ止め材などを使用するとより効果的です。

また襖に破れや凹凸がある場合は、張り替えの前に補修を行いましょう。水性の木パテを使うと便利です。

重ね張りは1~2回が限度だと知っておく

壁紙を既存の襖紙の上から張り付けることのできる回数は、1~2回が限度です。紙を張り付けるたびに厚みが増すうえ、汚れた襖紙の上から張り付けるのは衛生的にも問題があります。

加えて襖紙の通気性も悪くなるため、重ね張りはおすすめできません。

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壁紙を使って襖を張り替える方法

注意点を一通り把握できたら、張り替えに移りましょう。壁紙と両面テープを使って襖を張り替える方法をご紹介します。

張り替えに必要な道具は、バール・両面テープ・マスキングテープ・カッターナイフです。必要に応じて、ハサミなどの他の道具も用意しておくと良いでしょう。

1.引き手を外し、襖に両面テープを張る

まずバールなどを使い、引き手を外します。もとの襖紙を剥がす必要はありません。また、バールがない場合はマイナスドライバーなどでも代用可能です。

引き手が外れたら、両面テープを貼る作業に入ります。まず襖の4辺に貼り、次に内側に20センチ四方の四角形を作るように、両面テープを格子状に貼っていきます。このとき、縦向きと横向きのテープが重ならないようにしましょう。

両面テープが貼り終わっても、まだはく離紙を剥がしてはいけません。

2.壁紙を少しずつ張る

用意した壁紙を襖の上に被せて、位置を決めます。決まったら、マスキングテープで縦半分だけ仮止めして壁紙を固定しましょう。

マスキングテープを貼っていない方から壁紙を張り付け、一番外側の縦ラインの両面テープのはく離紙を外してそこから壁紙を張っていきます。

外側のラインが貼り終わったら、反対側から壁紙を縦長に丸めます。はく離紙を少しずつ剥がしながら、壁紙を少しずつ転がして張り付けましょう。

3.余った部分をカットし引き手をつける

最後まで壁紙を張ったら、ヘラなどを使って襖の縁に折り目をつけます。カッターナイフを使って、折り目の部分をカッターナイフでなぞるようにカットしていきます。このとき、下の襖紙が切れるのを防ぐため、刃を寝かせて壁紙だけを切るようにしましょう。

最後に、引き手をはめ込む穴をあけます。穴の端から中心に向かって放射状に切り込みを入れ、その上から引き手を取り付ければ完成です。

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襖の張り替えはプロに依頼するのがおすすめ

初心者でも壁紙を使った襖の張り替えができます。しかし自分で張り替えることが可能な種類の襖でも、端から端まできれいに張ることは非常に難しく、本襖に至ってはプロに任せる方が早いといえます。

また、何年も同じ状態を保てる保証はありません。襖の仕上がりを良くするなら、張替えをプロに依頼するのが無難です。襖の張替えなら、襖・障子・網戸・畳の張替え専門店「金沢屋」にご依頼ください。

金沢屋は、全国に300店舗を展開する襖・障子・網戸・畳の張り替え専門店です。取り扱っている襖紙の種類も豊富で、お客様のご予算・ご要望に合わせた襖紙をご提案いたします。襖の張替えはもちろん、新調やオリジナル襖の製作など、承っております。

また、おしゃれな襖に張り替えたい人でも安心です。金沢屋には襖紙の種類が豊富のため、好みの襖紙に張り替えることができます。襖の張り替えをご検討の際は、ぜひ「金沢屋」までご相談くださいませ。

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まとめ

襖を張り替える際には、市販されている壁紙を使用することができます。本襖の張り替えは難しいですが、板襖や段ボール襖、発泡スチロール襖なら初心者でも張り替えが可能です。

きちんとした手順を踏めば張り替えできますが、仕上がりをキレイにしたいなら業者に依頼することをおすすめします。