唐紙とは
唐紙(からかみ)とは、唐(現在の中国)から伝わった、伝統文様を木版刷りした襖紙のことです。また、外国産の紙を唐紙と呼びこともありますが、一般的には中国渡来の紙のことを唐紙といいます。
当時、唐紙は貴族の間で、手紙を書く用紙に使われていました。それから、京都で唐紙を生産するように。そして京都から各地で生産されることとなり、生産量が増加しました。
一定の生産量を確保すると、障子に使われることになります。時代の流れとともに、障子から襖として利用されたといわれています。
唐紙の特徴は、光の角度によって模様が変化することです。模様が変化する理由は、唐紙の構造にあります。
・雲母(きら)・・・花崗岩と呼ばれる結晶の粉のことです。鉱石に含まれる成分は、化粧品や日焼け止めにも配合されています。やわらかな光沢を放つため、襖に上品な印象を与えます。
・胡粉(ごふん)・・・ほたてや牡蠣などの貝殻を焼いて粉末にしたものです。胡粉の用途は幅広く、日本画絵具やネイルなどにも使われることがあります。唐紙の模様を描く際に、混色や下地に使われていることが多いです。
これらを用いて、職人の手によって一枚一枚版付けされ、松竹梅や鶴、亀、四季折々の草花、雲や波など自然をモチーフにした模様などが描かれています。
唐紙の選び方
江戸時代の唐紙は、京都から江戸まで広く人気がありました。需要と供給が追いつかず、京都の職人が江戸の職人技術を伝えることに。そこで生まれたのが、「江戸唐紙」と呼ばれる江戸独自の唐紙です。そのため、江戸(東京)と京都の唐紙では雰囲気が異なります。
この項目では、東西で異なる唐紙の特徴を紹介していきます。また、唐紙に描く文様の種類、意味も詳しく紹介するので、襖の唐紙選びに迷っている人はぜひ参考にしてください。
東西でちがう唐紙
唐紙は、大きくわけて2つの特徴があります。それは、京唐紙と江戸唐紙です。
「京唐紙」とは、京都で作られる唐紙のことです。唐から日本に唐紙が伝わってきた当時は、平安貴族や上流階級など限られた人たちが使う紙だったので、そのデザインもやわらかい印象があります。
それに対して、「江戸唐紙」とは和紙にさまざまな装飾を施した工芸品のことを指します。もともとは、中国から伝来した紋唐紙(北宋の彩牋)をお手本にして作られた国産の和紙です。
原点となっているのは、「国宝平家納経」と呼ばれる奈良や平安時代の装飾経の金銀箔砂子を中心とする技法、やまとうたの詠草料紙を装飾する木版からかみを中心とする料紙装飾のふたつです。
やわらかい印象を与える「京唐紙」に対して、「江戸唐紙」はカチッとした印象があり、日常生活になじみやすいデザインが多いです。自然を感じられる植物や花など、季節感を楽しむことができます。
文様もさまざま
日本人に好まれる、松竹梅や四季を表す文様には、「魔除けや厄除け」「守護」「長寿」「健康」「成長」「子孫繁栄」「縁結び」など、さまざまな願いが込められています。
ここでは、縁起の良い文様として代表的な『松竹梅』の意味を解説します。
・松・・・松は一年をとおして葉が変色しないことから、「常盤木(ときわぎ)」といわれています。寒い冬でも凛々しい姿のため、縁起が良く「長寿延命」の意味があります。
・竹・・・竹は成長が早く、生命力があふれる植物です。また、竹には「子ども」の意味があり、約3ヵ月で親の背丈まで成長することから、「生命力、成長」の象徴とされています。ほかには「子孫繁栄」を意味することもある縁起の良い植物です。
・梅・・・梅は寒い冬を乗り越えて、春の訪れを知らせる花として有名です。冬の厳しい寒さに耐えて、きれい花を咲かせる姿から「長寿、気高さ」の象徴とされています。ほかには「繁栄、清廉潔白」の意味もある縁起の良い植物です。
また、文様以外にも室内の雰囲気に合った唐紙を選ぶ人も多くいます。公家、寺社、武家、茶方、生活感、によって好まれる唐紙が違います。
伝統的なデザインから近代的なデザインの文様もあり、種類が豊富です。それぞれの好みに合わせて選ぶといいでしょう。引手の文様も種類が豊富にあるので、組み合わせによってデザインは変化します。
業者に依頼するときは、カタログなどの資料を見してもらったり、HPにアクセスして確認したりして、自分の好みのデザインや文様があるかチェックしましょう。
襖を張り替えるなら
襖の張り替えは、襖紙が汚れたり敗れたりしたとき、経年劣化したとき、もしくは成人式や冠婚葬祭のタイミングで行われます。来客が多くなるときはできるだけきれいな状態で迎えたいですよね。
襖の張り替えは、個人でもできます。しかし、必要な道具を揃えなければならないこと、品質を保つためには、業者に頼むことが無難です。ここでは、襖を張り替える際の業者の選び方を解説します。
業者の選び方
業者を選ぶ際は、見積もりの価格や内訳を明確にしてくれる業者を選びましょう。襖を張り替える業者は多くあります。そのため、唐紙の種類や張り替える方法によって費用は変わります。作業費や唐紙の値段を確認して、予算に合った業者に依頼することをおすすめします。
そのためにも、複数の業者から見積もりをとって、おおよその相場を知っておくことが大事です。また、口コミや実績、事例を参考にして、信頼のできる業者か判断しましょう。
襖の張り替えなら金沢屋
襖の張り替えは、ぜひ金沢屋にご依頼ください。襖の張り替えを業者に依頼する際は、選べる襖紙にどれだけの種類があるのかが、大きなポイントです。弊社で取り扱っている上質な襖は、豊かなラインナップを取り揃えております。
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まとめ
唐紙はさまざまなデザイン・模様があり、何を選ぶかによってお部屋のイメージも大幅に変わります。
襖紙としてよく使われるのは、「京唐紙」や「江戸唐紙」です。せっかく業者に張り替えを依頼するのであれば、襖や唐紙に関するアドバイスはもとより、スピーディーな対応、かつ料金が明確な業者がいいのはいうまでもありません。
襖の張り替えを検討している方は、納得できる業者と出会うために本記事を参考にしてみてください。