古くなった襖(ふすま)の引手を交換する方法を紹介!

襖を開けたり閉めたりするときに使う取っ手のことを、「引手(ひきて)」といいます。襖紙を張り替えられることはご存じの方も多いですが、実は引手も取り外し、交換することができます。たとえば、引手が壊れたり、取れたりしてしまった場合、襖紙を貼り替える場合も引手の取り換えを交換するタイミングです。 今回では、引手の取り換えを考えている方向けに、襖の引手の基礎知識や、交換の仕方についてご紹介します。

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独自の意匠がある襖の引手(ひきて)の歴史

引手は、襖の開閉に欠かせないものです。これまでに様々な形、色、材質の引手が生み出されており、それぞれに独自の意匠が凝らされてきました。

襖の開閉に引手が使われはじめた時期は、定かではありませんが、それ以前の文献には、襖の取っ手に革や紐、金物に糸を通した引手が使われていたことが記されています。こうした古いタイプの引手は、神社や寺院に使われている「御殿引手(ごてんひきて)」という形で残っています。

引手の役割は、『襖の開閉』という実用的な役割と、襖を引き立たせる『装飾』という外観的な役割のふたつです。取っ手として活用しつつ、襖に描かれた絵画のアクセントにもなるのです。こうした二面性が、引手が使われ続ける最大の理由といえるでしょう。

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【交換前に確認】襖の引手の基礎知識

現在、市販の引手には多くの種類があります。デザインやサイズなどバリエーションが豊富です。そのため、引手の交換前には、自宅の引手の大きさや材質を確認しておく必要があります。サイズが合わなかったり、襖紙のデザインに合わなかったりすることもあるからです。

この項目では、交換前に知っておきたい、基礎的な知識を紹介していきます。

デザイン

引手の中で一般的なのは丸形ですが、実はそれ以外にも多くの種類が存在しています。市販の代物でも1000種類を超えるほどです。

引手の形状には丸形や楕円型以外にも、「角形」「菱形」「機売り型」「木瓜(ぼけ)型」「角切り」があります。これら以外にも、一対の折松葉形や三日月形、七宝形など、神社仏閣や城などに使われる形も存在します。

引手の手を掛ける部分の周りの名称は「座」です。座がついた引手は「座物」といいます。座の形には丸座、角座、花座、透かし入りなどの種類があります。

大きさ

引手の大きさは、小、中、大の3種類に加えて相中(あいちゅう)、大大(だいだい)、特大などのサイズが多いです。特に小さい引手は、「豆」とよばれることもあります。

一般的なサイズの襖には、大サイズの引手が用いられます。また戸棚用の襖である天袋、地袋には中サイズが使われることが多いです。

材質

引手は材質によって「木地引手」と「金物引手」の2種類に分けられます。

木地引手は木目そのものの良さをいかした生地のものと、塗装が施された塗り物があります。材質は黒檀や竹が主流ですが、近年ではプラスチック、陶器なども使われるようになりました。普及品は機械製造が多いですが、高級品は職人が一つひとつ手作りで仕上げています。

金物引手の材質は、金、銀、赤銅や黄銅、洋白、真鍮、鉄、アンチモニーなどの金属です。これらの材料に各種の色仕上げ加工を施し、独特の色に仕上げます。

色仕上げには多種多様な方法があり、主には、漆黒になる「くすべ」、オレンジ色やからし色になる「煮込み」、鉄錆色になる「錆づけ」、焦茶色やあずき色になる「漆塗り」などです。

また、「紫古美」「赤銅」「仙徳」「金」「銀」など、メッキ仕上げにすることもできます。

金額

襖の引手は、色仕上げによって大きく変わります。特に銅を煙でいぶして色付けする「くすべ」や、銅や真鍮を液体で煮込んで色付けする「煮込み」などの加工は職人の手でしか行えず、価格も高いです。

職人の手で作られた引手は、ひとつ数千円からが相場です。「錆づけ」といった特定の加工法では数万円になることもあります。

一方、大量生産されている引手は安価です。プラスチック製やメッキ仕上げの引手では、ひとつ数百円から購入できます。消費者にとっては安価に購入できるメリットもありますが、高価な引手の需要が減少し、職人が減っていくことも懸念されるでしょう。

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襖の引手を交換する方法

様々な種類の引手が販売されていますが、こういった引手は専門の業者の手が必要と考える方もいるのではないでしょうか。実は、引手は自分で交換することもできます。

先述しましたが引手を交換するのは、引手が襖から外れてしまった時や、襖そのものを張り替える時です。またお部屋のイメージを変えたい際にも、引手を交換することがあります。

基本的には業者さんに交換を依頼することが多いですが、修理や張り替え、模様替えをDIYで行う場合は引手の交換をする必要が出てきます。

ここでは、引手の交換の方法を紹介していきます。

引手の交換手順

引手の交換の手順は、大きく分けて4つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。まずは交換作業をはじめる前に確認しておくべきことを紹介します。

交換の前に確認すること

引手を自分で交換する際は、まず引手の大きさを確認しましょう。引手は襖紙に穴を開け、そこにはめこむ形で取り付けられています。そのため基本的には、引手の穴と同じサイズの引手を選ぶ必要があります。

交換に必要な道具は、マイナスドライバー、ニッパー、金づちの3つです。もちろん、新しい引手も購入しておきましょう。

1.引手の下にマイナスドライバーを差し込む

最初に、引手と襖紙の間にマイナスドライバーを差し込みます。このとき襖紙を傷めやすいため、慎重に作業しましょう。もし襖紙を傷めたくない場合は、襖紙と引手の間に薄い金属の板を挟んでおくのがおすすめです。

2.マイナスドライバーを使って引手を浮かせる

マイナスドライバーを差し込んだら、柄の下に滑り止めになるもの、消しゴムなどを差し込みます。差し込めたら、滑り止めを支点にして、テコの原理で持ち上げましょう。

マイナスドライバーを使うと、基本的に引手を再使用することはできません。引手の材質のうち、鉄製のものは引手裏面に錆ができていることが多いため、そのまま使用すると錆汚れが引手の周りに染み出てきます。

また木やプラスチックの引手は、接着剤で固定されているので、外す際に壊れやすいので、注意しましょう。

3.ニッパーで釘を引き抜く

引手が浮いてきたら、釘をニッパーで引き抜きます。釘が抜けたのを確認してから、引手を外しましょう。

4.新しい引手をはめこみ、釘を打ち込む

襖の引手が外れたら、新しい引手をはめ込みます。最後に、抜いた釘を打ち込んで交換完了です。

自分で交換するのが難しければ専門家に相談しよう

襖の引手は自分で交換することができます。しかし、本来は引手の交換は専用の道具や、ある程度の技術を必要とするものです。自分で交換するのが難しいと感じたら、専門家に依頼するのがおすすめです。

襖の引手交換でお困りの方は、和室リフォームの専門店「金沢屋にご相談ください。金沢屋は、襖・障子・網戸・畳の張り替えの専門店です。これらに加えて、細かな補修作業や些細な困りごとにも対応可能です。

引手は様々な種類、デザインのものを多数取り揃えています。当店オリジナルデザインの引手もありますので、ぜひご覧ください。

金沢屋は全国300店舗を展開しており、日本全国どこでも駆け付けることができます。お電話一本いただければ、最短即日で伺います。襖、引手をはじめとした和室のことなら、ぜひ「金沢屋」にお問い合わせください。

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まとめ

襖の引手は機能性と芸術性を両立した、歴史あるものです。開閉だけでなく、襖の絵を引き立てる役割もあります。

引手のデザイン、大きさ、材質には多くの種類があり、金額は仕立て方によって大きく変わります。

引手は自分で取り替えられますが、心配な方はプロに依頼すると良いでしょう。