襖(ふすま)の滑りを良くする方法は?滑りが悪くなる原因と対処法を解説

日本家屋や和室のある住宅などでは、日常的に襖の開閉をする機会が多くあります。このとき、動きの悪さや滑りにくさが気になったことはありませんか。 襖は少しずつ消耗し、劣化している場合があり、状態によっては交換が必要になるかもしれません。 しかし、日頃の簡単なメンテナンスを行うことで動きがスムーズになる場合もあるのです。 そこで今回は、襖の滑りを悪くする原因とその解決策について解説しますので、襖の動きにくさでストレスを感じている方はこの記事をご参照ください。

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「襖の滑りが悪い!」原因とは

襖の滑りの悪さにはさまざまな原因がありますので、考えられる可能性をひとつずつ解説していきましょう。

敷居にゴミが溜まっている

普段から室内の掃除をしていても、溝や隙間のある敷居にはゴミが溜まりやすいものです。

床や畳であれば掃除機などでゴミも取り除きやすいですが、敷居の細かい隙間は見落としている部分があるかもしれません。

そこに髪の毛やほこりが溜まって隙間を埋めると、襖の滑りを悪くする原因になります。さらにゴミがある状態で湿度が高まると、ベタつきも生じやすくなるため、より一層襖が動かしにくくなるでしょう。

子どもがいる家庭では、おもちゃの小さな部品や外で遊んだときの砂粒などが入り込むことで、滑りが悪くなるだけではなく傷や破損の原因にもなるため注意が必要です。

敷居や襖縁がすり減っている

襖は毎日のように開閉されるため、経年劣化によって敷居や襖縁がすり減っている場合があります。

基本的に敷居や襖縁は木材で作られていますので、表面がキレイな平らに加工された状態であれば滑らかに動き襖の開閉にも抵抗がありません。

しかし、すり減ることで表面にざらつきが生まれ、摩擦が大きくなることによって滑りが悪くなります。先ほどお伝えしたように、砂などで傷が入った場合も同様に滑りが悪くなる原因となるでしょう。

使用状況や環境によっても劣化するタイミングは違いますが、襖の滑りを悪くする原因としては代表的です。

ある程度年数が経っている襖が滑らなくなってきたときには、すり減りがないか確認してみてください。

また、新しい住宅に使用されることの多い戸襖の場合には、ローラー戸車が外れて滑りを悪くしていることもあります。

どちらにしても、原因は襖と敷居の接地面にあることが多いため、異常を感じたときにはチェックすることが大切です。

鴨居が変形している

鴨居は上部の溝のある部分を指し、襖をはめ込む役割をしています。

鴨居のさらに上には壁や屋根があり、雪の多い地域などでは重みで圧がかかり変形する場合があるのです。

襖を囲っている枠組みの一部なので、わずかな変形でも滑りにくさが生じやすく、大きなゆがみがあると途中で動かなくなったり閉まり切らなかったりすることがあります。

専用のカンナで鴨居を削り変形部分が平らになるように調整することで改善できますが、ゆがみが大きい場合には必ずしも適切な方法ではありません。

状態によっては鴨居の交換をする必要もあるため、変形が原因で滑りが悪くなっていると感じる場合には専門家へ相談した方が良いでしょう。

襖がゆがんでいる

襖自体も経年劣化によってゆがみが発生します

襖の種類によっても耐久性に違いは見られますが、芯に発泡スチロールや段ボールが使用されている量産タイプは比較的早くゆがみが生じやすいです。

鴨居同様に専用のカンナで襖を削ることで滑りが改善しますが、専門的な技術や判断力の必要な作業ですので、経験のない人には対応は難しいです。

それでも自分で解決したいときには、襖のサイズや適切な種類を調べて買い換えるという選択肢があります。

>>(襖(ふすま)のサイズはどれくらい?種類と特徴をわかりやすく解説 

このときにも、正しく計測しなければ最適な襖を注文できないため注意が必要です。

建物がゆがんでいる

先ほど重みによって鴨居が変形する可能性について説明しましたが、築年数の古い家では地震などの影響で建物自体がゆがんでいることもあります

襖だけではなく、窓やドアの開閉にも不具合のある場合には要注意ですが、見た目では分からないことも多いです。

また、建物のゆがみも要因はさまざまで、耐震性やシロアリの問題、柱・梁や基礎部分などの劣化、地盤沈下など多岐に渡ります。

問題を発見し解決するためにも、早めに専門家へ相談しましょう。

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ここからは、自身でも襖の滑りを改善できる方法について紹介します。

敷居の汚れやゴミを取り除く

敷居の汚れやゴミが原因の場合には、その部分をキレイにすることで滑りを解決できます。

定期的に敷居の掃除をしてゴミを取り除いておくと滑りを維持しやすく、傷などの予防としても効果的です。

誰でもすぐにできる対策なので、滑りが悪いと感じたときにはまず掃除から始めてみましょう。

そのままの状態で掃除をすると、襖と敷居の間にゴミが残る場合もありますので、襖を取り外してから掃除をすると汚れが落ちやすく確実です。

ベタつきや汚れなどがこびりついているときは、濡らした雑巾で拭き上げるとよりキレイになります。

敷居用のテープを貼る・交換する

敷居がすり減っている場合には、専用のテープを貼ると滑りを改善できます。テープはホームセンターなどで売っているので手軽に入手可能です。

すでに敷居にテープ加工がされている場合には、一度取り除いてから新しいものを貼ってください。

貼り付ける前には、しっかりと接着できるように敷居のゴミを取り除いておく必要があります。

また、このテープもいずれは劣化して滑りが悪くなりますので、定期的な掃除を続けながら異常があればまた交換しましょう。

敷居に専用スプレーを吹きかける

より簡単な滑りの改善策として、専用のスプレーを使用する方法があります。

木材にも使えるシリコンタイプの潤滑スプレーであれば、襖だけでなく障子や家具の引き出しの滑り改善などさまざまな用途に使えますのでひとつあると便利です。

キレイに掃除をした後、敷居にスプレーを吹きかけるだけで効果が発揮されます。

効果が薄れてきたら再度スプレーすれば滑りが戻りますので、日常的なメンテナンスもしやすいでしょう。

商品によっては使用できる対象が限られている場合もあるため、事前に注意書きをよく読んで確認してください。

敷居にロウソクを塗る

敷居にロウソクを塗ることでも滑りの改善ができます。

ロウソクのロウを塗りつけることで、スプレーと同じようにコーティング効果が得られますが、あまり多く塗ると滑り過ぎにもなるため、動きを確認しながら調節した方が良いですね。

家庭にある一般的なロウソクを使用しても効果はありますが、色が付着するため気になる方は敷居専用の商品もありますのでそちらを利用してください。

塗る際は、ロウソクを少し手で温めてから擦り付けるとより付着しやすいです。

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滑りの改善も業者に相談できる

襖や鴨居のゆがみが原因で滑りにくくなっている場合は、専用の道具と技術が必要になるため素人では調整が難しいです。

また、立て付けの悪さや建物にゆがみが生じているケースは専門業者にしか対応や判断ができません。

襖の滑り改善は業者にも相談できるため、自分で対応する自信の無い方は依頼した方が良いでしょう。

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まとめ

襖が滑りにくさはゴミや汚れ、劣化によるすり減りなど比較的対応しやすい原因もありますが、鴨居・襖・建物のゆがみなど自分では調整が難しいものまであります。

基本的には、定期的に掃除を行いながら、必要に応じてスプレーやテープ交換などでメンテナンスすることは可能です。

しかし、それでも改善しない場合は専門家に相談した方が良いかもしれません。ゆがみや建物にも不安のある方は、金沢屋にぜひご相談ください。