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襖に鍵を後付けするメリット
一般的な襖に鍵は付いていません。そのため、通常は襖を自由に開閉できるようになっています。
襖の開閉を制限したい場合は、後付けで鍵を付けることが可能です。鍵を後付けすることによって、ペットやお子様が誤って襖を開閉するときにケガをするのを防止するなど安全性を高められるメリットがあります。
また、襖の外側から簡単に開けられないようにすることで、部屋の中で過ごす人のプライバシーを保つことができます。
襖に後付けできる鍵の種類5つ
襖に後付けできる鍵にはいくつか種類があります。5つの代表的な鍵の種類とそれぞれの特徴をみていきましょう。
補助鍵
補助鍵(防犯用補助金具)は、窓用の防犯補助アイテムです。通常は、窓に設置して防犯性を向上させるために使用するものですが、襖も窓と仕組みが似ているため流用できます。
補助鍵を使って襖に鍵を後付けするメリットは、道具を使わずに簡単に鍵を付けられることです。穴を開ける必要がないため、賃貸物件でも取り付けやすいでしょう。
ただし、補助鍵は襖のタイプによっては取り付けできないものもあります。例えば、襖を開けるときに壁の内側に戸板が隠れてしまう場合や紙が下地のものは取り付けできない可能性が高いです。
サッシロック
サッシロックは、網戸などのサッシを固定するストッパーです。サッシも襖と仕組みが似ていることから鍵として流用できます。
メリットは、粘着テープで穴を開けることなく簡単に取り付けられることです。補助鍵のように、ロック解除の都度取り外さなくて済むのもサッシロックのメリットといえます。
ただし、粘着テープで固定するタイプのため、平らなところでないと設置が難しいです。装飾が施された襖や凹凸のある枠には取り付けられない可能性があります。
掛け金
掛け金は、木箱や物置の扉などに使われる簡易的な鍵です。引っ掛け金具と受け具がセットになったタイプで、引っ掛け金具を受け具に引っ掛け、受け具をひねることでロックします。
壁や柱に穴開けが必要なタイプが一般的ですが、粘着テープで取り付けられるタイプもありますので、粘着テープを選択すれば賃貸でも取り付けがしやすいでしょう。
先に紹介した補助鍵やサッシロックと比べると鍵としての機能が高まりますが、穴開けが必要なタイプは道具を使った作業が必要です。
南京錠
先に紹介した掛け金に南京錠を取り付けて襖をロックする方法です。掛け金に南京錠を引っ掛けて使用します。
掛け金よりもより強固にロックできますので、ロック性能を上げたいときに便利です。通常は掛け金だけ、安全面などの理由で一時的にロック性能を上げたいときは南京錠を加えるといったように必要に応じて使い分けるのも良いでしょう。
基本は穴を開けることになりますが、割と取り付けやすいのもポイントです。ただし、鍵の強固さは次に紹介する鎌鍵には劣ります。
鎌鍵
鎌鍵は、戸板の先に設置することから戸板鍵とも呼ばれる鍵です。鎌のように曲がった金具を受け穴に引っ掛けることによってロックします。セキュリティ性能が高く、ほかに紹介したどの鍵よりも強固にロックできるのが特徴です。
ただし、鎌鍵を取り付けるには、鎌状の金具を取り付ける襖の枠と、受け具を取り付ける柱などの2ヶ所に穴を開ける必要があります。大がかりな作業が必要になり、付け替えが難しくなりますので、原状回復が必要な賃貸物件にはあまり向きません。
襖に鍵を後付けする前に確認しておきたいこと
襖に取り付けできる鍵は、襖のタイプなどでも異なります。襖に鍵を後付けする前に確認しておきたい3つのポイントをみていきましょう。
穴を開けても問題ないか
穴開けが必要な鍵は、襖や柱に穴を開けて設置することになります。自身で所有する住宅であれば穴を開けて自由に取り付けできますが、賃貸物件の場合は原状回復義務により制限されますので注意が必要です。
賃貸物件で襖に鍵を取り付けたい場合は、穴を開けないタイプの鍵を選択するか、どうしても穴を開ける強固なタイプの鍵を設置したい場合は管理者に確認しましょう。
材質や厚みが鍵の設置に適しているか
襖の材質によって後付けできる鍵の種類は変わってきます。室内に設置する襖の材質は軽くて薄いものが多く、和室を仕切る襖は紙材が、和室と洋室を仕切る戸襖はベニヤなどの薄い木材が使われることが多いです。
材質によっては鍵との相性が悪いものもあります。例えば、厚みがなく薄い襖はビスを打ち込むと飛び出る可能性がありますし、材質がやわらかすぎてうまく固定できないこともあるでしょう。材質によっては粘着テープがうまくくっつかないようなものもあります。
また、鎌鍵は戸先に設置することから、戸板に十分な厚みがないと設置できません。襖に鍵を後付けする前に、どのような鍵が設置できそうか、材質や襖の厚みなども見ておきましょう。
どの位置に鍵を取り付けるか
襖の内側に鍵を取り付けたいのか、外側に取り付けたいのかで選択肢に入る鍵は変わってきます。
例えば内側に鍵を取り付けて部屋にいる人が鍵をかける場合は、簡易的な鍵でも対応しやすいです。内側の鍵は、部屋にいる人がプライバシーを守りたいときなどに有効でしょう。
襖の外側に設置する鍵は、外出時などにお子様やペットが入れないように安全面から入室を制限したいときに便利です。しっかりロックすることが求められますので、内側の鍵と比べて大掛かりな作業が必要になる可能性がある点に注意しましょう。
なお、さらに難易度は高くなりますが、襖の内側と外側の両方に鍵を設置する方法もあります。
襖に鍵を後付けする方法
賃貸物件か所有の物件か、襖の材質は何かなどで襖に後付けできる鍵の種類は異なります。ここでは、穴開け不要で設置できるタイプの鍵の取り付け方法をみていきましょう。
補助鍵を後付けする方法
補助鍵は、以下の手順で取り付けます。
1.襖のレールにはめ込む、または挟み込む
2.レールの幅に合わせてつまみを回す
3.襖が動かないようしっかり固定する
補助鍵はレールにはめ込んでつまみを回すだけなので簡単に設置できます。レールの上と下のいずれかに固定することが多いですが、安定性を求めるならレールが深い方を選ぶのがおすすめです。
サッシロックを後付けする方法
サッシロックは、以下の手順で取り付けます。
1.取り付ける部分をキレイにする(粘着力が弱まるのを防ぐため)
2.取り付け部分に粘着テープで貼り付ける
3.力を加えて密着させる
サッシロックの取り付けは粘着テープで固定するだけのため、こちらも簡単な作業です。ただし、テープで固定するため、剥がす際に材質によっては襖に傷が付く可能性がある点に注意しましょう。
掛け金を後付けする方法
掛け金は、以下の手順で取り付けます。なお、ビス留めが必要なものは賃貸では難しいため、ここでは粘着テープタイプの取り付け方法をみていきましょう。
1.受け具を柱や壁に、引っ掛け金具を襖に仮留めする
2.受け具と引っ掛け金具がちょうど収まる位置に印をする
3.印をした場所に粘着テープで受け具と引っ掛け金具のそれぞれを固定する
穴開けが不要なタイプはここまで説明したように簡単に設置できます。しかし、セキュリティ面で簡易的な鍵ではなく、しっかりした鍵を後付けしたい人もいるでしょう。
穴開けが必要な鍵は強固ではありますが、大掛かりな作業が必要ですし、自分で作業すると失敗することもあります。業者に依頼するのも方法のひとつです。
まとめ
襖の鍵は後付けすることができます。ですが、襖の材質によって設置できる鍵が異なりますので、取り付けの前に、襖の状態や取り付ける位置の確認などをしておきましょう。
襖の材質に合った鍵を選ぶことや道具を使った作業を自身で行うことは可能ですが、手間や時間がかかってしまう場合があります。そんなときは、プロの専門業者へ依頼することを検討してみてはいかがでしょうか。