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襖の張り替え!枠を外さない貼り方の手順
襖に、大きな破れや汚れがなくても、何年も同じ襖を使い続けていると劣化するため「そろそろキレイな襖に張り替えたい」と思うものです。
以下では、枠を外さないで襖を張り替える方法をくわしく解説します。ぜひ、参考にしてください。
貼る前の準備
まずは襖を張り替えるための準備から始めましょう。襖の張り替えは、今貼られている襖の上から新たな襖紙を貼るのが基本です。
しかし、これまで何度も張り替えをしていて襖紙が厚くなっている、襖紙が破れている、ボロボロになっているといった場合は、古い襖紙を剥がす必要があります。
古い襖紙をすべて剥がすと強度が下がってしまうため、1番下の襖紙は残して、上に重なっている襖紙だけを剥がしましょう。キレイに剥がさないと張り替え後の仕上がりに影響するので、慎重に剥がしてください。
また、襖の片面のみ張り替えていると、片面だけ襖紙が厚くなり、襖が反る恐れがあります。できるだけ襖の表面と裏面の紙の枚数がそろうように、バランスを取りましょう。
枠を外さないで貼る手順
張り替えの準備が完了したら、襖の張り替えを始めましょう。以下の道具を用意しておくと、スムーズに作業が進められます。
・新しい襖紙
・襖用ののり
・水を入れるバケツか洗面器
・スポンジ
・ハケ(おさえハケとのりバケの2種類)
・木槌
・カッター
・インテリアバール(マイナスドライバーで代用可能)
・鋲抜き
・引き手用の釘打ち
・カット定規
・破れの補修紙
・襖紙用マスキングテープ
・ヘラ
・ビニールシート
それでは、作業手順をひとつずつ見ていきましょう。
1.引き手をはずす
まず襖を外して床などの平らなスペースに寝かせて置き、襖の引き手を外します。引き手と襖の隙間にインテリアバールを差し込み 、引き手を浮かせましょう。すると引き手を止めている釘が出てくるので、鋲抜きで抜くと引き手がはずれます。
2.破れの補修
古い襖紙に穴があいていたり、大きく破れていたりする場合は、破損箇所を補修してください。襖用の補修紙を丁寧に貼りつけて、穴を塞ぎます。
3.襖紙用マスキングテープを襖枠に貼る
古い襖紙の補修が完了したら、襖の枠にのりがつかないように、マスキングテープを貼りつけてカバーしていきます。四方の枠全体に、隙間ができないように貼りつけましょう。
4.裁断
続いて、新しい襖紙を裁断します。襖の大きさにぴったり合わせるのではなく、四辺とも2~3センチメートル大きめに裁断しましょう。
新しい襖紙には巻きグセがついているので、破れたりシワがよったり、裁断する位置がズレたりしないよう注意してください。
5.水をムラなく塗る
ビニールシートを敷いて、その上に新しい襖紙を置き、裏面全体にスポンジで水を塗ります。ムラができないように、丁寧に塗りましょう。
襖紙全体に水を塗ったら、3~5分ほど放置して襖紙が伸びるのを待ちます。襖紙の表側に水がつかないよう注意しましょう。襖紙が伸びたら、次に襖紙の四辺1~2センチメートルの範囲にのりバケを使ってのりを塗ってください。
のりなしの襖紙を使用する場合は、襖紙全体に薄めののりを塗ったあとに、四辺1~2センチメートルの範囲に濃いのりを塗ります。
6.位置決め
新しい襖紙にのりを塗ったら、襖紙を貼る位置をチェックします。襖紙の上下を間違えていないか、大きく傾いていないかなどを確認したら、襖紙の上に襖をそっと乗せましょう。
襖は大きく、1人で抱えるのは大変な作業なので、安全を考えて、2人で作業するのがおすすめです。どうしても1人でしか作業できない場合は、襖を襖紙に乗せるのではなく、襖紙を襖に乗せると良いでしょう。
襖紙の表側にのりがつかないように注意しながら蛇腹に折りたたみ、のりがついた面が下に来るように裏返して襖に乗せます。そして、シワが入ったり位置がズレたりしないように、ゆっくり広げてください。
7.貼りつけ
襖紙が剥がれないように慎重に襖を裏返し、襖紙を貼りつけていきます。おさえハケを使って、中心から外側に向かって空気を押し出すように貼りつけましょう。
シワがよった場合は、その箇所のみ剥がして貼りなおします。波打つようなたるみは、襖紙が乾くと解消されるので、無理にこすらないようにしてください。和紙製の襖紙は、おさえハケを使うと傷むことがあるので、手のひらで貼りつけましょう。
8.襖枠に沿ってカット
新しい襖紙を貼りつけたら、完全に乾く前に襖枠のキワをヘラで押し込みましょう。そして、カット定規とカッターを使い、襖枠に沿って余分な部分をカットします。
四辺すべてをカットしたら、再び襖枠のキワをヘラで押し込み、襖紙の端をキレイに仕上げてください。
襖紙のカットが終わったらマスキングテープを剥がし、襖紙をしっかり乾かします。最後に引き手の部分にカッターで切り込みを入れて、引き手を取りつけたら完成です。
襖の張り替えをする際の注意点
自分で襖を張り替える際に、いくつか注意したいことがあります。失敗を避けるためにも、張り替え作業を始める前にチェックしてください。
破れている襖は補修する
古い襖紙が破れていたり穴があいていたりする場合は、必ず破損個所を補修してから張り替えを行いましょう。
破損している襖紙の上に新しい襖紙を貼ると、そこだけ浮いてしまうため、仕上がりに影響します。
また、汚れた襖紙の上から新しい襖紙を貼ると汚れが移ることがあるので、汚れた襖紙を剥がし、補修してから張り替えましょう。
襖の場所をわかるようにしておく
襖を複数枚同時に張り替える場合は、どの襖がどの場所に設置されている襖なのかを、わかるようにしておくことも重要です。
襖は一見すべて同じ形に見えますが、前後左右で枠の形が異なるため、設置場所を間違えると建付けが変わって隙間ができることがあります。襖を外したら、どの場所の襖か一目でわかるように、印をつけておきましょう。
安い襖紙の場合下の襖紙が透けて見える
柄のある襖紙の上に無地の襖紙を重ね貼りすると、柄が透けて見えることがあります。できるだけ厚手のしっかりした素材の襖紙を選ぶなど、柄が透けないように工夫しましょう。
ただし、厚手の高級な襖紙はホームセンターなどでは取り扱っていない可能性が高いため、理想の襖紙が見つからない場合は業者に張り替えを依頼することも検討しましょう。
また、シールタイプの襖紙は重ね貼りができないものが多いため、事前に説明書などを読んで重ね貼りができるかもチェックしてみてください。
襖の張り替えは業者へ依頼がおすすめ
ここまで自分で襖を張り替える方法を紹介してきましたが、襖の張り替えは業者に依頼するのがおすすめです。
襖の張り替えには技術が必要で、経験がない人が張り替えると仕上がりがキレイにならないことが多いからです。
また、襖を張り替えるにはたくさんの道具を用意する必要があるうえに、作業工程が多く手間もコストもかかるので、「業者に頼んだほうが良かった」となる可能性が高いです。
襖の張り替えを業者に依頼するのであれば、ぜひ地域密着型の襖・障子・網戸・畳の張替専門店、金沢屋をご利用ください。専門店ならではの知識と経験をもつ熟練の職人が、ご自宅の襖を美しく張り替えます。
安価なものから上質なものまで豊富に襖紙を取り揃えており、部屋の雰囲気や使用環境に合わせた襖を選ぶことが可能です。
交通費や作業台まで含めた料金を提示するため、作業後に追加料金が発生しにくいというメリットもあります。
まとめ
「襖を張り替えたいけど、枠を外すのが不安」というときは、枠を外さずに張り替えられます。自分で張り替える場合は、今回紹介した手順を参考に張り替えてみてください。
ただし、襖をキレイに張り替えるには、数多くの道具と経験が必要です。美しく仕上げるためには、無理に自分で張り替えるよりも、信頼できる専門業者に依頼しましょう。