目次
襖に隙間ができる原因
襖にできる隙間は、その位置によって異なる原因が考えられます。隙間ができやすい上部と左右に分けてそれぞれ解説しましょう。
襖の上部に隙間ができる場合
襖と柱の間の上部、天井に近い方に隙間ができている場合は、柱や鴨居の歪みが原因の可能性が高いです。
屋根の重みが鴨居に影響を与えることも多く、雪が積もりやすい地域では特に負担がかかりやすいこともあって、下方へのゆがみが発生しやすいです。襖の真ん中あたりの鴨居が下がり、それによって襖と柱の間に隙間ができてしまいます。
建物自体の経年劣化でも梁や屋根材に反りが生じやすいため、老朽化による影響も大きいでしょう。鴨居がゆがむと襖が動かしにくくなり、状態によっては開閉ができなくなります。
次に、考えられるのは襖の下部にある敷居が沈下しているケースです。こちらも建物の経年劣化で発生しやすく床下や基礎部分が主な要因となります。
単純に耐久性が低下しているだけではなく、湿気による腐敗やシロアリによる被害なども考えられるため、敷居が沈下して隙間ができている際は急ぎの対処が必要かもしれません。
また、地震などで地盤沈下が起こることでも同じような現象が見られるため、建物全体の傾きがある場合はより緊急性が高いです。
これらのような建物に関係する重大な問題だけではなく、単純に襖の枠がゆがむことでも上部に隙間はできやすくなります。
襖の中でも比較的安価なタイプは、芯に発泡スチロールや段ボールを用いていることから、より経年劣化や湿度の影響を受けやすいです。
もちろん木材でも同じようにゆがみは起こり、日当たりの良い場所では紫外線の影響を受けるなど、さまざまな要因が関係するでしょう。
襖の左右に隙間ができる場合
襖の左右に隙間がある場合は、まずは敷居の木材が反っていないか確認してみてください。特に敷居の中央部分は下方に反ることが多く、その際は襖の左右上側に隙間が発生しやすいです。
また、両側の柱や襖の枠にゆがみがあるケースも考えられます。
要因としては経年劣化によるものがメインですが、柱の場合は建物自体の傾きも可能性があるため要注意です。
より身近な原因には、敷居の滑りが悪くなったことで発生する隙間もあります。この場合はほこりなどのゴミが間に挟まって動きを制限しているため、掃除をすることで簡単に解決できるでしょう。
汚れがこびりついているときには、襖を外して濡れ雑巾でしっかりと拭き取ってください。
襖を塞ぐテープの種類と貼り方
隙間によって使用するテープに違いがありますので、種類や貼り方について解説します。
襖の左右の隙間に使えるテープの種類
左右の隙間を埋めるテープには、ウレタンやゴム素材のものが一般的です。
ウレタン素材はスポンジ状で加工がしやすく、隙間の形に合わせて簡単に取り付けられます。
気密性を重視する場合にはゴム素材のテープがおすすめで、隙間風防止や防音などにも効果的です。
細かな毛が敷き詰められているモヘアタイプを使用すると、閉めたときの戸当たり音を軽減できます。
また、隙間が不規則な場合でも毛足が均等に埋まっていくため、形に合わせて加工する必要がありません。さらに、復元力が優れているため長持ちしやすいというメリットもあります。
天井に近い隙間を塞ぐには
上部の隙間は、襖の高さを調節して対応します。
やり方は巾木(はばき)に貼れるリメイクシートなどを使用し、襖に重ね貼りすることで高さを上げますが、隙間が埋まりすぎないように微調整しなければなりません。
高くなり過ぎると、開閉時に動きを阻害する要因となり、敷居や鴨居を傷つける可能性もあります。
反対に枠を削ってバランスを調節する方法もありますが、襖が外れやすくなる可能性があるためおすすめはしません。
ただし、鴨居が下にゆがんで襖が外しにくいようなときには有効な手段ですので、状況に応じて判断する必要があります。
襖の隙間テープの貼り方
隙間テープを貼る際は以下の手順を参考に行ってください。
1.貼る部分のホコリや汚れを取り除く
まずはテープを貼り付ける部分をキレイに拭き取り接着しやすくします。
このとき、傷や削れた部分があると凹凸ができて接着力が弱くなるため、サンドペーパーなどで表面を平らにしておくと良いです。表面を整えた後は粉が出ますので、再度拭き取り作業を行ってください。
2.テープをカットする
襖の高さや幅をできる限り正確に計測して、サイズに合わせてカットします。切り口がゆがむと隙間が埋まらなかったり、粘着が弱まったりするので気をつけましょう。
3.テープを貼る
襖の端にテープの端を合わせ、剥離紙を少しずつ剥がしながら端まで貼り付けてください。襖の高さを調整して隙間を埋めるときは、テープを重ね貼りしながら少しずつ高さを調整することが大切です。
仕上げにテープをしっかりと押し付けることで、密着性が高まり粘着力が長持ちするようになります。
最後に、襖を開閉して動きに問題がなく、隙間がしっかりと埋まっていることが確認できれば作業完了です。
襖の隙間をテープで塞ぐ際の注意点
襖の隙間対策にテープを使用する際の注意点について説明します。
大きな隙間はテープでは埋められない
変形などが原因で隙間が大きくなっているときには、テープでは対応できないことがあります。
一般的には、0.5ミリメートル〜1センチメートル程度の隙間であれば埋められることが多いですが、それ以上の場合はキレイに埋まらないかもしれません。
テープを購入する際は、事前に隙間や襖の幅などをしっかりと調べて、厚みが適しているか商品の情報をよく確認しましょう。
テープが劣化したら貼り替える
一度テープを貼って隙間を解消しても時間が経つと徐々に劣化しますので、剥がれると再度隙間が開いてきます。
劣化のスピードは貼り付け方や襖の開け閉めの頻度、湿度や日当たりなどで変化しますが、古くなった場合は交換しなければなりません。
また隙間が開いてきているなと感じたら交換のサインです。
木枠が変形している場合は新調する必要がある
襖自体が反ったり木枠が変形したりしている場合は、隙間テープで根本の問題を解決することはできません。
テープで対応できるのは軽度な隙間ですので、それ以上に深刻なときには襖をまるごと新調する必要もあります。また、問題が建物や建具にある場合には、専門家でなければ正しい判断や改善ができません。
そのため、隙間テープで解決できないときには専門業者へ相談することも必要でしょう。地域密着型の専門店「金沢屋」では、職人が直接襖の状況を確認して必要な対策を考えます。
建具を直すことで状態が改善するケースもありますので、不安のある方はお気軽にご相談ください。お見積もりは無料で行っています。
まとめ
襖に大きな隙間ができる原因は、本体だけではなく建物や建具、鴨居や敷居などの経年劣化によるゆがみが関係しています。
枠のすり減りや軽い反りであれば、隙間テープを使用することでも対応できますが、隙間が大きくなると襖の新調も考えなければなりません。
隙間ができる原因はさまざまで、根本的に解決したい場合はプロに依頼する方が確実です。