障子についた茶色いシミを落とすには?シミと変色の原因とすぐにできる対処法

特に何もしていないのに、「気づいたら茶色のシミがある…」という方も多いのではないでしょうか。障子紙は状態によってはすぐに変色してしまいます。そのため、定期的なメンテナンスが必要です。 また、障子紙は基本的に白色なので、茶色のシミや日焼けは目立ってしまい、つい目が行ってしまいますよね。そこで今回は、どのように対処すると目立ちにくくなるのか、今回の記事で対処法を解説します。

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障子に茶色いシミや変色ができる原因は主に2種類

障子紙がシミになったり変色したりする原因は、大きく分けると2つあります。まずは身に覚えがないか確認してみましょう。

日焼けや経年変化によるもの

障子紙にシミがついたり変色したりする、ひとつ目の原因は、紫外線による日焼けや経年変化です。

障子紙の原料には、リグニンという成分が含まれています。リグニンは、新聞紙の原料にも使われている成分で、光や酸素が当たると、紙が変色しやすくなる性質を持っています。

そのため、日当たりの良い向きに面している障子だと、リグニンによる変色はより顕著に見られるでしょう。

突発的な変色によるもの

紫外線以外にも、障子紙の変色が起こる原因はいくつかあげられます。たとえば、醤油やワインなどが障子にかかってしまうとシミになります。

冬の寒い日には、室内と外気との寒暖差によって発生する結露が、シミになる原因にもなります。結露ができやすい窓の近くに障子がある場合は、十分注意しましょう。

また、障子全体が湿ると、格子部分にあたる木枠から、木の汚れである灰汁が浮き出てしまう可能性があります。

このように、障子を設置している環境により、突発的な変色が起こる原因は複数考えられます。

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ここまで、障子紙に茶色いシミができる原因を紹介してきました。障子紙は、一度変色してしまうと、元に戻すのは大変難しいものです。基本的に変色やシミがある場合は、張り替えることをおすすめします。

とはいえ、すぐに対処したいと考える方もいるかもしれません。そこで、障子紙が変色したりシミになったりした場合、『短期的に白色にする』といわれている対処法を紹介します。※必ず白いに戻るとは限らないため、あまり推奨はしていません。

漂白剤を使った方法

漂白剤を使うとシミが落ちるといわれる方法を紹介します。用意するものは次の4つです。

・水:約200ml

・洗濯のり:小さじ1杯

・漂白剤:少量

・霧吹き

水・洗濯のり・漂白剤を『霧吹き』の中に入れます。ゆっくり振って混ぜ合わせましょう。そして、出来上がった液体を障子に吹き付けます。

こうすると、漂白剤の作用で障子が白くなります。多く吹き付けてしまうと、湿気によって障子が破れてしまう可能性があるため気をつけましょう。

加えて、液体が障子紙以外の木枠部分などに吹き付けると、液体がかかった部分から変色するおそれがあるので、注意しましょう。

大根を使った方法

漂白剤以外に、大根を使うと障子紙の変色を対処できるといわれています。紫外線による日焼けによって変色してしまった場合は、試してみましょう。

大根を使うのは、ジアスターゼという成分がリグニンに反応し、障子の黄ばみ退治するといわれているからです。

まずは下記を用意しましょう。

・大根おろしの汁:半分ほど

・布

大根おろしの汁を布に含ませ、変色した部分に染み込ませるように塗った後、乾燥させます。力を入れると破れてしまうおそれがあるため、軽い力で塗りましょう。

改善しない場合は張り替える

これまで紹介したシミの対処法を行っても改善できない場合や、汚れや劣化が激しい場合は、障子紙の張り替えを検討しましょう。

障子紙は、和紙の質によって変色しやすいものとしにくいものがあります。日焼けによるシミで張り替える場合は、変色しにくい障子紙を選択することをおすすめします。

突発的な汚れで張り替えるのであれば、プラスチック製の障子紙などを選び、『汚れ防止』や『掃除のしやすさ』を重視すると良いでしょう。部屋の環境によって、障子紙も使い分けると長持ちします。

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障子にシミができるのを防ぐには?

ここまで、障子に変色やシミがついた場合の対処方法を紹介してきました。先述したとおり、一度ついてしまった障子の変色やシミは、キレイに落とせるとは限りません。

大切なのは、変色やシミになる原因を事前に防ぐことです。では具体的に、どのような対策を行うと良いのでしょうか。

この項目では、障子紙の汚れを予防する方法を紹介していきます。

こまめな掃除と換気を行う

簡単かつ効果的な対策は、こまめな『掃除』と『換気』をしてキレイな環境を保つことです。ホコリが障子紙に付着してしまい、そのホコリが湿気を吸うと、シミに変わってしまいます。

そのため、シミに変わる前に、こまめな掃除を行って、障子紙に付着したホコリを取り除きましょう。また、ホコリが木枠に付着すると、灰汁の原因にもなります。掃除する際は障子紙と木枠を掃除することを忘れないでください。

掃除の仕方にも注意点があります。障子を雑巾やタオルなどで水拭きすると、障子紙にシミがついてしまう可能性もあるので、空拭きにしましょう。

もしくは、上から下に向かって、はたきやハンディモップなどを使い、ホコリを取り除いていきます。木枠の角や桟の隅といったホコリが取りづらい箇所は、綿棒や筆などを使うと便利です。

タバコの煙は、障子紙が黄ばむヤニがついてしまうだけでなく、障子の木枠に染み込むと灰汁の原因になるといわれています。障子のある部屋でタバコを吸うのは控えた方が良いでしょう。

また、お線香やロウソクの煙も同様に汚れや黄ばみ、シミの原因となります。定期的な掃除、換気を心がけましょう。

10年を目安に張り替える

日々の掃除をしっかり行なっていても、障子の経年劣化を完全に防ぐことはできません。障子紙は、最大でも10年を目安として定期的に張り替えを検討しましょう。

また、障子紙にはランクがあり、品質によっては耐久が1年~5年の商品もあります。障子紙の性質に応じて、適切なタイミングで張り替えることが大切です。

障子の張り替えをしたいが、ご自身で張り替えるのは難しいという方は、ぜひ金沢屋へお問い合わせください。

金沢屋は、全国におよそ300店舗展開している、襖・障子・網戸・畳の張り替え専門店でございます。地域に根ざした実績豊富な職人が、お客様のお部屋を実際に拝見したうえで、お部屋に合った商品をご提案いたします。

経年変化により、障子紙だけでなく、障子の枠が折れてしまった場合でも、補修もしくは新調のどちらが適しているか、状況によってご案内させていただきます。

障子の種類は、色・素材・金額など実に多彩であり、金沢屋では数多くのラインナップをご用意しております。まずは商品をご覧いただき、どの障子紙を好まれるかご検討いただけたら幸いです。

加えて障子の張り替えだけでなく、障子の動きが悪くなっている時も、喜んで調整させていただきます。そのほかにも、襖・網戸・畳の張り替えや新調、オリジナル襖の製作、掛け軸の新調など、和室に関するお悩みは金沢屋まで何なりとお申し付けください。

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まとめ

障子をきれいな状態で長く使い続けるには、日頃の心がけや掃除などがとても重要です。今回紹介した方法を参考にして、お手入れを行っていきましょう。その上で、シミがついてしまって落とせない場合は、障子の張り替えをお勧めします。

障子の張り替えをするにあたって、分からないことや不安な点があれば、経験豊富な金沢屋までお気軽にお問い合わせください。