【襖の掃除方法】正しい掃除の方法で襖(ふすま)を長持ちさせよう

襖は日本の伝統的な仕切りのひとつで、現在でも多くの住宅で使用されています。和紙で作られた襖は調湿性に優れている一方で、掃除を怠ると健康面などに悪い影響を与えることもあります。 今回は襖を掃除しなかった場合、どのようなトラブルが起こるのか解説します。あわせて襖の正しい掃除方法についても紹介するので、参考にしてください。

この記事は約7分で読み終わります。

襖を掃除しないとどうなる?

襖に汚れやゴミが溜まると、具体的にはどのような弊害が起こるのでしょうか。

劣化する

襖を掃除しないと、単純に衛生的な問題だけではなく、劣化しやすい状態になります。手入れをしていない襖にはホコリが溜まりやすく、それが原因で湿気や汚れが残るため、最終的にはたるみや破れを引き起こしてしまいます。

襖紙や木材で構成されている本襖は、本来は保温性や調湿性が高く、梅雨や四季のある日本でも快適に過ごせる機能が備わっています。

しかし、ホコリや汚れ、空気の滞りなどがあると十分に機能が発揮されず、吸収した湿気を放出できなかったり、吸収し過ぎて傷みやすくなったりします。

また、敷居などにゴミが詰まっていると開閉時に動きを阻害して、無理に動かすと傷が残る可能性もあるでしょう。

小さな傷が一つでもあると、動かすたびに損傷が大きくなる場合もあります。ゴミを放置した状態で動かし続けると、敷居が削れて変形が起こるかもしれません。

襖の枠や敷居が変形すると、開閉ができなくなったり、襖自体が外れやすくなったりするため、普段の生活にも支障をきたしてしまうでしょう。

襖紙の劣化による破れや破損が発生してからでは掃除をしても手遅れで、最終的には張り替えや交換が必要になり、経済的な負担も大きいです。

襖を長持ちさせるためには、こまめな掃除がポイントです。日々のちょっとした掃除によって、劣化を遅らせることができます。

シミやカビの原因になる

汚れを放置していると、そこからシミやカビが発生する場合があります。掃除をしないと湿気が溜まりやすくなり、カビが繁殖しやすい環境が整うためです。シミに関しても、原因が特定できないものはカビが関与しているケースが多いです。

カビが発生したことに気づかなかったり、対処を行わず放置していたりすると、徐々に繁殖して襖が侵食されていきます。

カビが増えれば、そのぶん大量の胞子が飛散することになり、ぜんそくやアレルギーにも影響が出るため健康を害するおそれがあるでしょう。

襖にホコリやゴミが溜まると、見た目が悪くなるだけではなく、劣化や健康被害が出る可能性もあるため、少しずつでも普段から掃除をする意識を持ちましょう。

目次へ

襖の掃除や手入れの方法を紹介

ここからは、日頃から意識したほうが良い手入れや、汚れが気になるときの掃除方法を紹介します。

風通しを良くする

襖の劣化を防ぎ快適な状態を維持するためには、こまめな換気が重要です。湿気は襖を傷める原因になり、溜まることでカビが発生する危険性も高めるため、換気による対策が欠かせません。

可能な限り毎日窓を開けるなどして、一日30分程度は部屋に風を通すようにしましょう。そうすることで、本来の調湿機能が発揮され、自然に湿気を放出して乾燥した状態をキープできます。

襖は水分を吸収しやすい性質があるため、普段から濡れた手で触れないように気をつけるなど、接し方に注意することも大事です。

「はたき」などでホコリを落とす

襖の表面は和紙が張られていることが多く、ホコリが付着しやすいです。日常的な掃除としては、付いたホコリを落とすことが大事で、柔らかい「はたき」などを使って取り除きましょう。

和紙は水分を吸収しやすく洗剤などの刺激に弱いため、基本的には水拭きなどは行いません。また、硬いブラシなどを使用すると、和紙の表面が傷ついたり毛羽だったりする場合があり、強い力が加わると破れることもあるため注意してください。

襖によっては、表面の素材がビニール製のタイプもあるので、その場合は水拭きや洗剤の使用も可能です。

特に手垢などのしつこい汚れがあるときには、重曹水を使って拭き取るのも効果的です。

引き手周りをキレイにする

襖の中で、最も人の手が触れて汚れやすい部分が引き手周辺です。手垢などが付着した状態で放置するとシミになることもあるため、黒ずみができる前の段階でこまめに掃除する必要があります。

引き手の素材によっては、水拭きや洗剤の使用もできますが、襖が濡れないように注意しなければなりません。

手垢汚れが目立っているときには、消しゴムを使って汚れを落とすのが効果的です。なるべく柔らかいタイプで白い消しゴムを準備して、襖が破損しないように力を調節しながら擦りましょう。

引き手の状態が悪い場合、最終的には交換も検討しましょう。

敷居の溝に付いた汚れやホコリをとる

溝の汚れやホコリが溜まった状態で放置すると、滑り悪化の原因になります。

掃除機でゴミを吸い取る方法が簡単ですが、隙間に入り込んだホコリのすべては除去できません。そのため、ブラシやほうきを使ってしっかりとゴミをかき出します。

溝と襖の隙間は輪ゴムを使えばキレイに掃除できます。襖を少し浮かせて輪ゴムを差し込み、その状態で開閉すると見えないゴミも簡単に取り除けるので、ぜひ試してください。

敷居を掃除しても滑りが悪い場合は、蝋を塗って溝をコーティングすることで動きがスムーズになります。

シミやカビが気になるとき

シミやカビに対しても柔らかい消しゴムは有効ですが、すべてを取り除けるわけではありません。

基本的には和紙タイプの襖に水や洗剤は使いませんが、どうしても目立つ汚れに対しては台所用洗剤使用することもあります。この場合は、綿棒に洗剤をつけて気になる部分を軽く叩くようにして汚れを落としてください。

とはいえ、台所用洗剤でも完全にはシミを除去できないこともあります。

ビニール製の襖であれば、水拭きやエタノールの使用も有効ですが、必ず乾拭きして残らないようにしましょう。

また、シミがひどく落ちない場合には、補修用のシールで隠す手段もあります。ただし、カビが繁殖しているときに隠しても、根本的な解決にはなりません。

掃除の後には防水スプレーをしておくと、汚れが付きにくくなるためシミやカビの予防に効果的です。

目次へ

襖掃除をする際の注意点

襖掃除をする際の注意すべきポイントについて解説します。

掃除は週1で行う

襖掃除の頻度は週に1回程度が理想的で、キレイな状態を保つことで劣化を防ぎ長持ちします。ただし、換気に関しては毎日行う方が良いので、掃除も含めて習慣化することが大切です。

特に和紙を使用した襖は、ビニール製とは違い一度汚れると落ちにくいため、日頃の管理が重要になります。

換気で窓を開けるときには直射日光が当たらないように注意

換気は襖の天敵である湿気の対策として重要ですが、実は直射日光が当たり過ぎても傷みや変色の原因になるため注意が必要です。

間取りや時間帯によって直射日光が差し込む場合には、カーテンや障子で遮るようにしましょう。換気の際にも、窓を開けることで襖が日光に当たらないように注意してください。

張り替えには専門知識が必要

「あまりにも襖の汚れがひどい」「カビによる健康被害が心配」「破損や変形が起こっている」など、襖の状態によっては張り替えや交換の検討も必要です。

材質や使用状況によって違いはありますが、襖の一般的な張り替えのタイミングは5年が目安といわれています。

障子の場合は家庭でも張り替えやすいですが、襖はタイプによって方法に違いがあるため、知識や技術のある専門業者に依頼したほうが確実です。

襖の張り替え業者をお探しであれば、ぜひ金沢屋もご検討ください。金沢屋は全国に300店舗を展開している、襖や障子の専門業者です。張り替えや交換に関しては、職人が直接ご自宅に伺い、襖の状態を確認して最適なプランを提案します。

お客様の要望を第一に、材質やデザイン、費用についてもご相談いただけます。襖の張り替えでお困りの際は、ぜひ金沢屋にお任せください。

目次へ

まとめ

襖の掃除は、単純に見た目がキレイな状態を保つためだけではなく、耐久性やカビの発生を抑えるためにも重要です。

湿気が残らないように毎日の換気を心がけ、週に1度は定期的にホコリを落とすようにすることで長持ちさせることができます。

状態が悪いときには張り替えも必要ですが、知識や技術がなければ対応が難しいでしょう。襖の状況に応じて、必要であれば専門家に相談するのもおすすめです。