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畳を水拭き掃除するのは問題ない!
ご存じのとおり、畳は「い草」という天然素材で作られており、畳ができる工程で最終的には「い草」を乾燥させる作業が含まれます。そのため、水分や湿気は畳の天敵でもあります。
畳につく汚れのほとんどはホコリか皮脂汚れのどちらかです。乾拭きしても落ちない汚れがあるときは水拭きを行います。正しい手順で水拭きをすれば畳を水拭きしても問題ありません。
どうしても水拭きするのが心配、ほかの方法でキレイにしたいという人は、下記の記事でも畳の掃除方法について紹介していますので、そちらを試してみてください。
【畳の水拭き掃除】正しい手順と準備するもの
前述したように、畳は水分や湿気に弱いので、フローリングを掃除する感覚で水拭きすると傷むおそれがあります。
畳を傷めずに水拭きできるよう、正しい手順を把握しておきましょう。
水拭き掃除に必要なもの
畳を水拭きするときは、「水拭き用」と「乾拭き用」の2枚の雑巾を用意しましょう。同時に水を入れたバケツも用意しておくと、スムーズに作業を進められます。
通常の水拭きでは落ちないくらい汚れがひどい場合は、バケツ半分程度のお湯にクエン酸を小さじ1杯溶かしたものを使うと効果的です。クエン酸には殺菌効果があり、カビやダニの予防にもつながります。
ただし、まだ青さが残っている畳にクエン酸水で掃除を行うと、変色してしまう可能性があります。変色させないためにも、新しい畳にクエン酸を使うのは避けましょう。
水拭き掃除の仕方
必要なものが準備できたら、さっそく水拭き掃除をしていきましょう。
水拭き掃除の手順は以下のとおりです。
1. バケツに入れた水に雑巾1枚を浸し、しっかり絞る
2. 畳の目に沿って雑巾で拭き、汚れを落とす
3. もう1枚の濡らしていない雑巾で乾拭きし、水分を拭き取る
4. 部屋を換気して畳を乾かす
畳の目に逆らって拭くと、畳がささくれて隙間に汚れが入り込むので、水拭き、乾拭きのどちらの場合でも目に沿って拭いてください。
「水拭きと乾拭きの2回拭き掃除をするのは面倒」と感じる人もいるかもしれませんが、水分が残ると畳が傷みやすくなるため、乾拭きもしっかりと行いましょう。
【注意!】水拭きのポイントを確認!
雑巾をしっかり絞って乾拭きを行う以外にも、畳の水拭きでは注意すべきポイントがあります。
以下にポイントを紹介するので、畳が傷むのを防ぐためにも作業前にチェックしてみてください。
重曹やセスキ炭酸ソーダを使わない
重曹やセスキ炭酸ソーダは油汚れなどがよく落ちるので、畳の掃除にも使いたくなるところでしょう。
しかし、重曹とセスキ炭酸ソーダは、どちらもアルカリ性であるため、畳を黄色く変色させてしまいます。
畳に重曹の成分が残ると黒ずんでシミになることがあるので、畳用の洗剤やクエン酸を使いましょう。手軽に拭き掃除を済ませたいのであれば、畳用のシートクリーナーを使うのもおすすめです。
カビが生えているときは水拭きしない
畳にカビが生えていたら、何とかキレイにしようとつい水拭きしてしまうかもしれません。しかし、カビが生えているときに水拭きするのはやめておきましょう。水分がカビの栄養源になり、かえってカビが繁殖することがあります。
水拭きでキレイになるのはあくまでも「皮脂汚れ」です。カビを掃除したいなら、消毒用アルコールを吹きつけて、歯ブラシなどでカビをかき出すと良いでしょう。
「キッチンやお風呂のように、畳にもカビ取り剤を使えるのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、カビ取り剤は漂白作用が強く、畳が変色するおそれがあるので使用は避けてください。
畳にカビが生えているときの掃除方法について、下記の記事にて詳しく紹介しておりますので、ご参照ください。
「畳のカビにやってはいけない掃除法とは?正しいやり方を解説」
水拭き後に換気を忘れない
水拭きしたあとに乾いた雑巾で拭いても、畳に水分が残っていることがあります。
そのまま放置すると畳が傷み、カビができる可能性があるので、数時間部屋を換気して、表面に残った水分をしっかり乾かしてください。
窓がなく換気が難しい場合は、扇風機やサーキュレーターなどで風を当てると良いでしょう。
水拭きでは落ちない畳の汚れもある!
畳についた皮脂汚れは水拭きで落ちますが、汚れの種類によっては水拭きでは落とせないことがあります。そのような汚れがついた場合には、どのように対処すれば良いのでしょうか。
飲み物をこぼしてしまった場合
畳に水などの飲み物をこぼしてしまったときは、急いで水分を乾かして、畳の奥まで染み込まないようにすることが重要です。乾いたタオルや雑巾で水分を吸収したら、ドライヤーや乾燥機を使ってよく乾かしましょう。
こぼした量が多い場合は、ドライヤーや乾燥機を使ってもしっかり乾かないことがあるので、天気が良い日に畳を干すのがおすすめです。前述したように、畳の奥まで水分が染み込んだ状態で放置するとカビやダニが繁殖してしまうので、天日干しでしっかり乾かしましょう。
ただし、畳を直射日光に当て過ぎると、日に焼けて変色することがあります。畳の日焼けや変色が気になる場合は、風通しの良い日陰で陰干しすると良いでしょう。
畳を外に干すのが面倒だったり、重たくて運べなかったりする場合は、畳を浮かせて通気性を良くするだけでも水分が乾きやすくなります。
色のついた液体をこぼしてしまった場合
畳に調味料やコーヒーなどの色の濃い液体をこぼしたときは、水分を拭き取って乾かすだけではシミが残ってしまいます。
以下の手順でシミ抜きを行い、シミが残らないようにしましょう。
1. タオルや雑巾で水分をしっかり吸収する
2. 液体をこぼした箇所に塩を振り、水分と汚れを吸収させる
3. 歯ブラシなどでこすり、汚れをかき出す
4. 掃除機で塩を吸い取る
5. 酢を水で薄めたものに雑巾を浸し、しっかり絞ってから拭きあげる
シミ抜きのあとは、水などをこぼしたときと同様に、ドライヤーや乾燥機を使うか、外に干して染み込んだ水分をしっかり乾かします。
放置して液体が乾いてしまうとシミが落ちにくくなるので、こぼしたらすぐに上記の対処法を実行しましょう。
畳のシミ汚れの落とし方について、より詳しく知りたい人は下記の記事も参考にしてください。種類別のシミ抜き方法、シミ抜きのコツ、シミ抜きの注意点などを紹介しています。
「畳のシミ汚れはどうやって落とす?種類別シミ抜き方法と注意するコツ」
子どもが落書きしてしまった場合
小さなお子さんがいるご家庭にとって、畳への落書きは珍しくありません。畳の上でお絵かきをしていて、紙からはみ出してしまった、畳の上にペンを落としてインクが付いたなど、さまざまなトラブルが考えられます。
畳についたペンが油性のマジックなら、マニキュアの除光液かアルコールを使うのがおすすめです。除光液やアルコールを染み込ませたタオルで拭いてインクを落としてから、水拭きをします。
水性のペンなら、レモンやクリームクレンザーなどを使用します。歯ブラシにクリームクレンザーなどを付け、汚れ部分をこすり落としてから水拭きしましょう。
ペットが尿をしてしまった場合
ペットを飼っているご家庭では、よくあるトラブルです。ペットが畳に尿をしてしまったときは、時間が経つと尿が畳に染み込んでしまい、臭いもシミもとれなくなってしまいます。すぐに塩、もしくは小麦粉をかけて水分を吸収させることが大切です。
水分が吸収できたら、撒いた塩や小麦粉をほうきで掃く、もしくは掃除機などで吸い取ります。その後、お湯で濡らした雑巾を硬く絞り、畳を拭いてください。最後に、乾拭きで仕上げれば汚れも目立たなくなります。
畳にカビが発生するのを防ぐためにも、水拭きの後はしっかり乾かすことが大切です。
【畳の汚れが頑固になる前に】日頃の手入れを徹底する
畳は、汚れがついてしまうと、フローリングのように簡単には落とせません。ただし、日ごろのお手入れ次第では、状態が良いまま保つこともできます。ここでは、畳の汚れがひどくならないように、気をつけたい普段のお手入れについて紹介します。
週に数回掃除機をかける
畳のお手入れは、掃除機で定期的にホコリやごみを吸い取るだけでも問題ありません。ホコリやごみが畳の網目に入り込み、簡単に取れなくなる前に、週に数回は掃除機をかけて吸い取りましょう。
掃除機は、畳の目に沿ってゆっくりかけるのがポイントです。畳の目に反してかけてしまうと、畳が傷む原因にもなります。
月に1回程度拭き掃除をする
普段は掃除機をかけるだけで充分ですが、月に一度、掃除機とあわせて拭き掃除も行うのが理想的です。
畳は水に弱いので、基本的には乾拭きを心がけてください、汚れが取れない場合は、固く絞った雑巾で拭き、最後に乾拭きします。畳にカビが生えないように、しっかり乾かすことが大切です。
まとめ
天然の植物素材でできている畳は水分や湿気に弱いため、不用意に水拭きするのは避けておきましょう。
例外として、汚れがひどいときは水拭きを行います。とはいえ、フローリング感覚で水拭きすると畳を傷める可能性があるので、正しい手順で水拭きすることが大切です。
もしも「畳の汚れが落ちなくて困っている」「自力ではどうにもならない」という状況であれば、ぜひ金沢屋にご相談ください。
金沢屋は、襖(ふすま)、障子、網戸、畳の張り替え専門店です。畳の汚れが取れない、変色してしまったなど、和室のさまざまなトラブルを丁寧に解決いたします。
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