【種類別】畳をシミ抜きする方法|時間がたったシミは落とせる?

日本の住宅に使用されてきた畳には、肌触りや香りによってリラックス効果があるうえ、また調湿効果があるため、サラッとした感触が好まれています。一方で、畳は汚れが浸透しやすい素材です。畳の上で快適に毎日を過ごすために、家にあるもので簡単にできるシミ抜き方法を知っておくと安心です。今回はシミの原因別にシミ抜き方法を紹介します。

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なぜ畳はシミができやすいの?

畳は、少しの汚れでもすぐにシミになってしまいます。シミになってしまう原因は、畳の原料である「い草」にあります。い草は水分を吸収しやすいため、液体が付着するとそのまま吸収されてしまう性質をもっています。

そのため、畳に液体をこぼしてしまうことで、あっという間にい草に水分が吸収されてしまい、シミになってしまうのです。

上述のように、「シミができやすい」ことは畳のデメリットでもありますが、部屋の湿気を吸収する性質ももっています。湿気を吸収してくれる畳の部屋は、一定の湿度と気温が保たれるというメリットがあります。

畳のシミ抜きやケアする方法をしっかり覚えておくことで、畳は部屋を快適にしてくれるアイテムになります。ぜひシミ抜きの方法を覚えて、快適な畳ライフを過ごしましょう。

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【種類別】畳のシミ抜き方法

畳のシミ抜きには、こぼしたものによって対処の仕方が変わります。ここでは、シミの種類別のシミ抜きの方法とポイントを解説します。

1.食べ物、飲み物

ジュース、コーヒー、醤油など色の濃い液体をこぼしたら、キッチンペーパーなどの吸水力が強いものですぐに拭き取ることが大切です。最初にどれだけ多く拭き取れるかで、シミがどの程度残るか決まります。

液体を拭き取ったら、次にシミの部分に塩や小麦粉、ベビーパウダーなどを振りかけて水分と一緒に汚れを吸着させ、掃除機などで吸い取りましょう。とくに、小麦粉には水分を吸収しやすい性質があります。しっかりと振りかけることでより多くの水分を吸収してくれます。

その後、畳の細かい目に入ってしまった汚れを歯ブラシやスポンジなどを使ってかき出して、さらに掃除機で吸い取りましょう。歯ブラシやスポンジを使う場合は、細かい汚れが取れる反面、畳の表面が傷つきやすいので注意が必要です。

飲食によるシミ抜きなら、家にあるものだけで対応できるため、手順や道具を覚えておくと、いざというときに慌てずに済みます。詳しくは後述しますが、飲食による汚れ落としは、血液などの汚れにも応用できます。

2.赤ちゃんやペットのおしっこ

赤ちゃんやペットのおしっこのシミ抜き方法は、前述の飲食による汚れ落としと同じです。おしっこは、コーヒーや醤油に比べて色が薄いので、見た目の汚れは一見キレイに落ちたように見えます。

しかし、臭いが取りきれない可能性があるので、その場合はアルコールスプレーやクエン酸水スプレーなどを振りかけると効果的です。アルコールやクエン酸水は、ほかの掃除にも使えるので、家に常備しておくと安心です。

3.カビ

畳は湿気を吸い取ってしまう性質上、カビが生えやすいというデメリットがあります。カビによるシミが目立ち始めたら、アルコールを含ませた布を押し当てるように拭き取りましょう。

アルコールでカビを取り除いたら、最後に固く絞った雑巾で水拭きしましょう。畳にできたカビについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

「畳のカビにやってはいけない掃除法とは?正しいやり方を解説」 

4.血液

血液は、シミの範囲が小さい場合なら、前述のとおり飲食による汚れ取りと同じ方法でシミ取りができます。血液も、ジュースやコーヒー、醤油同様、色が非常に濃いので迅速な対処が必要です。

一方で、広範囲にシミが広がり、こぼれた量も多い場合は、拭き取って吸い取るだけのシミ抜きでは間に合いません。その場合は、一刻も早く漂白剤を使うと良いでしょう。

シミになるのを防ぐためには、漂白剤をしみ込ませた布でシミの部分を叩き、布に血液を移すようにして汚れを吸い取る作業を繰り返します。根気強く続けることがシミを薄くするポイントです。

5.灯油

灯油をこぼしてしまった場合は、まずはペーパータオルなどで油分を吸着させましょう。ここでしっかり吸収させておくと、あとの処理が少し楽になります。

次に、粉末の洗濯洗剤か小麦粉、ベビーパウダーなどをシミの部分に振りかけましょう。振りかけたあとは、油分を吸い取るまで少しの間放置しておきます。

そのあとは、油分を吸った粉末を掃除機で吸い取りましょう。綺麗に吸い取ったら、「消毒用エタノールを含ませた布」→「濡れ雑巾」→「乾いた雑巾」の順で油分を拭き取っていくとシミが薄くなります。

灯油はシミも臭いもある液体なので、なかなか元通りにはなりませんが、丁寧に根気強く処理を続けましょう。

6.インクのシ

プリンターのインクが畳に付着してしまったとき、ゴシゴシと強く擦ってもほとんど落とせません。反対に、インクのシミの範囲が広がってしまいます。

そのため、まずはペーパータオルなどを押し当てインクを吸収させます。インクをある程度吸収したら、酸素系漂白剤を染み込ませて同様に押し当てます。

ただし、酸素系漂白剤を原液のまま使用すると、畳そのものが変色するおそれがあるため、水で薄めることが必要です。なかなかシミが落ちない場合には、畳の状態を見ながら少しずつ濃度を濃くしていくことをおすすめします。

7.クレヨンのシミ

小さいお子さんがいる家庭ではクレヨンで畳が汚れてシミになってしまうことも珍しくありません。クレヨンのシミは水拭きしてもなかなか落とせません。インクのシミと同様に、擦るとシミの範囲が広がってしまいます。

そのため、無理に雑巾などで擦って落とそうとするのは避け界面活性剤を含む合成洗剤を使用するのが効果的です。

歯ブラシに界面活性剤入りの合成洗剤を付けて、畳の目に沿った方向に丁寧に擦りましょう。そうすると、シミが薄くなっていきます。畳の目に逆らった方向に擦ると、目の奥に入り込んでしまうため注意が必要です。

十分にシミが薄くなったら、雑巾で水拭きします。シミがなくなったら乾拭きをして水分を吸い取って乾かしましょう。

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時間が経ったあとの畳のシミ抜き方法

畳についたシミは、すぐに落とせば綺麗に落とすことができても、時間経過によって落とすことが困難になってしまうケースも珍しくありません。そのため、畳のシミに気付いたら、できるだけ早く落とすことが大切です。

時間経過によって落とすのが困難なシミも、薄くすることは可能です。薄くして目立たなくするだけでも印象は変わります。

シミ抜きをしてもシミがきれいに落ちず、目立ってしまうような場合には畳替えするのもひとつの手です。シミがついた畳が古い場合、新品の畳と交換する良いタイミングといえます。

一方で、シミがついた畳がまだ新しい場合は、表面の畳表(たたみおもて)のみ替える方法や、裏返しにして使用する方法などもあります。

【3つのポイント】畳のシミ抜きにはコツがある

畳のシミ拭きには、コツがあります。ここでは、シミ抜きのコツを3つ紹介します。

強くこすりすぎない

ブラシやタオル、布などをシミ抜きに使う場合は、畳をこすりすぎるとほつれたり傷んだりする可能性があるので、強くこすり過ぎないように注意が必要です。ブラシやタオル、布などを使って汚れを落とす際は、汚れの場所やまわりを優しく拭き取るか、軽く叩くようにすると良いでしょう。

シミ抜きに布を用いるときは、「畳についた汚れを、叩いている布に移すようなイメージ」で叩きましょう。

漂白剤の使いすぎに注意する

漂白剤はシミを綺麗に落としてくれる優れものですが、使いすぎると畳が変色し脱色することがあります。シミが落とせても、畳の模様が変色してしまいまだらになるのは避けたいところです。

漂白剤を使うときは、使う量や塗布する時間、頻度をよく確認し、畳の変色や脱色を防ぎましょう。また、漂白剤をはじめ、アルコールなどの薬剤を使用するときは、換気が必要です。

薬剤の注意書きにもありますが、密室でアルコールなどの薬剤を使って作業をすると気分が悪くなる恐れがあるため、換気をしっかりと忘れずに行いましょう。

最後に水分をしっかりと拭き取る

これまで紹介したどのシミ抜き方法においても大切なことは、最後に乾いた布でしっかりと水分を拭き取ることです。

水分が畳の中や上に残ったままだと、カビが発生する原因になります。シミ抜きができても、カビが発生してしまってはよくありません。畳を長持ちさせるためには、最後の水分の拭き取りまでしっかりと行いましょう。

また、日ごろから畳の部屋を換気することも意識しましょう。畳は湿気を吸収しやすい性質ゆえに、カビも発生しやすいです。換気をすることで、カビの予防にもつながります。

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それでもシミが落ちない場合はプロに相談する

ちょっとしたシミならセルフケアで対処できます。しかし、「大きなシミができてしまった」「シミ抜きを試してもキレイにならない」または「かえってシミが目立つ」場合は、プロに相談すると良いでしょう。

プロの業者は、業務用の道具や洗剤、ノウハウを豊富にもっているため、畳を元通りに綺麗にクリーニングしてくれます。

畳のシミ抜きなら金沢屋へご相談ください。金沢屋は地域密着型の襖・障子・網戸・畳の張り替え専門店です。地元の熟練した職人により、ご自宅の畳を丁寧にシミ抜きいたします。

また、最初の見積もり時に、交通費や作業代が含まれた金額が提示されるため、「気が付いたら追加料金が発生していた」といった心配がありません。安心の価格設定が魅力です。畳のシミ抜きがうまくいかないという人は、ぜひ一度金沢屋へご相談ください。

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まとめ

畳のシミは、対処するのが早ければ早いほど、跡に残りにくくなります。万が一、跡に残りそうなものを畳の上でこぼしてしまった場合は、即座にシミ抜きを行いましょう。いざというときのために、本記事で紹介したシミ抜き方法を覚えておくと役に立ちます。

それでも畳のシミが落ちない場合は、プロの業者に相談するのもひとつの方法です。