雪見障子が外れない原因はなに?簡単に外せるコツをご紹介

雪見障子とは、障子の一部がガラスとなっており、ガラス部分に上下にスライドする小障子が組み込まれています。その名のとおり、庭の雪を見物できる障子です。普段はガラス部分を閉じて、一般的な障子と同じ使い方をします。通常の障子とは異なる形状であるため、張り替え時にうまく外せないことがあるかもしれません。そこで今回は、雪見障子の小障子が外れない原因や外し方、障子の張り替え方について詳しく解説します。

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雪見障子が外れない原因

雪見障子の障子が破れたり、ガラスが破損したりした際に、自分で直そうにも雪見障子自体が外せないので施工ができないと聞くことがあります。そもそもスライドしにくくなる原因はいくつかあります。

建物のゆがみ

例えば、建物自体がゆがんでいる場合も、雪見障子が外れにくい原因のひとつです。歪みが発生することで押し込むような形で固定されるため、簡単に外せるはずの雪見障子が外せなくなります。

建物の歪みは、建築年数が古くなるほど顕著となり、障子以外の箇所にも影響を及ぼします。経年劣化による建物の歪みは倒壊につながる危険性もあるため、雪見障子の小障子が外れない状態を劣化の「サイン」と捉え、対処することをおすすめします。

木の膨張

「木の膨張」により、雪見障子を外せなくなる場合もあります。湿気で木が水分を含み、膨張してしまい、雪見障子の小障子動きづらい、もしくは外れないことがあります。

積雪

雪の多い地域であれば、積雪が原因で雪見障子が外れなくなることがあります。屋根に雪が積もり、その重みでほんの少し屋根が下がるだけで、雪見障子をはめ込む「鴨居」が変形します。

鴨居の変形などにより、隙間が埋まると、雪見障子本体が圧迫されて小障子が外れなくなってしまうこともあります。

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雪見障子の外し方

雪見障子が外れない原因がわかったところで、実際に雪見障子の小障子を外すための方法を紹介します。

雪見障子の小障子は、やり方さえわかれば簡単に外せる場合がほとんどです。しかし、場合によってはそれだけで外せない場合もあります。以下では、小障子を外す手順について詳しく解説します。

外し方の基本として覚えておくと良いでしょう。

可動式の雪見障子を外すためには、以下の手順を確認しましょう。

1.小障子がはまっている溝の位置を、左右それぞれ確認する

2.溝の深い方に小障子を押し付けながら、反対側を手前に引き出す

木のパーツを取り外す

先述した外し方で外せない場合は、別の方法で外すことになりますまずは小障子がはまっている左右の深さを確認してみましょう。左右の溝が均等の深さの場合は、溝にピッタリとはまっている木が入っている可能性があります。

ただし、はまっている木がどこにあるかの判断は素人では難しいかもしれません。判断に迷った場合は無理やり自分で外すのではなく、専門の業者へ相談することをおすすめします。

また、形状によってはガラスが付いています。この場合も、自分で外すのが難しいと感じたら業者に尋ねるか、外すこと自体を業者に任せてしまった方が良いかもしれません。

もしガラスを割ってしまったら修理に時間もかかり、外すだけよりも値段が高くなる可能性があるため、注意してください。

木の外し方自体は非常にシンプルで、まずは取り外せる木を見つけて、マイナスドライバーなど、尖った棒などで突き刺して取り出すだけです。

過去に取り外した形跡があれば、同じ箇所に棒を指して取り外しましょう。

障子を取り外す

木のパーツを取り外し、深くなった溝に障子を押し込めば障子が取り外せるようになっています。

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雪見障子を外すことができたら張り替え!

雪見障子の小障子を外せたら、いよいよ張り替えを行います。ここでは、雪見障子の張り替え方について紹介します。

雪見障子の張り替え方

まずは障子紙を剥がします。障子紙を剥がす際の手順は、以下の通りです。

・水を含ませたハケやスポンジで障子紙をふやかす

・ふやかした障子紙を端から慎重に剥がしていく

剥がす工程自体はシンプルですが、慎重さが求められるため、注意が必要です。障子紙を剥がしたあとは、新しい障子を張り付ける位置を決めます。

その後、桟にのりをつけ、はみ出さないよう慎重に張り付けます。また、障子紙にはさまざまな張り付け方があり、それぞれ外し方・張り替え方が異なります。

例えば障子を糊で張り付けているタイプの場合であれば、以下の流れで障子紙をはがし、張り付けます。

1.枠にそって水をかけ、5分ほどおく

2.糊をふやかしたら、端から慎重に障子紙をはがす

3.障子紙をはがしたら枠をきれいに拭き取る

4.風通しの良い場所に干して乾燥させる

5.枠に糊を塗りつける

6.障子紙をゆっくり広げながら枠に張り付けていく

7.張り付け後、枠に沿って指でなぞりながらたるみをなくす

8.はみ出している障子紙を切り取る

両面テープで張り付けている障子紙の場合は、以下の手順で張り替えます。

1.枠の部分にドライヤーの熱風を移動させながらあてていく

2.接着部分が熱を持っているうちに両面テープと障子紙をはがす

3.縦方向の枠に両面テープをつけ、裏紙をはがす

4.横方向にも両面テープをつけ、裏紙をはがす

5.障子紙をゆっくり広げながら枠に張り付けていく

6.張り付け後、枠に沿って指でなぞりながらたるみをなくす

7.はみ出している障子紙を切り取る

最後に、アイロンで障子紙を張り付けているタイプの張り替え方を紹介します。

1.アイロンをドライモードにして、アイロンを移動させながらあてて温める(中〜高温)

2.接着部分が熱をもっているうちにゆっくりとはがす

3.はがし終わった後、アイロンを中~高温に熱しておく

4.障子紙の中心から外側に向けてアイロンを動かしながら張り付けていく

5.はみ出している障子紙を切り取る

自宅の雪見障子を張り替える際は、上記のどのタイプに該当しているかを確認したうえで実施するようにしましょう。

雪見障子の張り替えは業者に頼むことも可能

雪見障子の張り替えは比較的単純な工程ではありますが、難しいと感じる方もいるかもしれません。その場合は無理に自分で外さず、業者への依頼を検討しましょう。

全国各地に300店舗以上を展開する金沢屋なら、障子の張り替えだけでなく、襖・網戸・畳の張り替えも行っています。

地域に根ざした職人が、お客様のお悩みを解決するパートナーとしてさまざまなサービスを提供しています。

どこに依頼すれば良いのか分からないとお悩みの方は、ぜひ金沢屋へご相談ください。

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まとめ

今回は、雪見障子が外れない原因と外し方、張り替え方について詳しく紹介しました。破れやすい障子の張り替えを毎回業者に頼んでいては、費用の面でネックになるという方におすすめの内容です。

ただし、やはり綺麗に雪見障子を張り替えたい場合には、業者に依頼することをおすすめします。