障子の種類は4種類!障子紙や障子枠のデザインも紹介します!

障子の枠や紙には、いくつかの種類があり、組み合わせによって使い勝手や雰囲気が大きく変わります。新たに障子を設置するときは、どの種類を選ぶべきか迷っている人も多いのではないでしょうか。 今回は、どのような障子の枠や紙を選べば良いのか、それぞれの特徴や用途を紹介します。

この記事は約6分で読み終わります。

障子を大分類すると4種類!

まずは障子の枠を紹介していきます。大きく分けて、以下の4種類があります。

水腰障子

全面が障子であり、一般的な住宅の和室で広く使われています。組子の配列は、縦6マス×横4マス、あるいは縦8マス×横3マスあたりが一般的です。一般的に知られている障子はこの種類に該当します。

腰板障子/腰付障子

下部に「腰板」と呼ばれる板が張られている障子です。腰板は35~70cmほどの高さがあり、寝ているときや座っているときなど、外側からの目隠しになります。絵が描かれてデザイン性を高めている腰板も少なくありません。

額入り障子

額があり、そこにガラスをはめて、外の景色を見られるようになっています。額の位置はさまざまです。たとえば、中央にあったり、外枠まで達するほどの幅があったり、障子部分と腰板との間にあったりなど多岐にわたります。いずれもガラスをはめるのは同じなので、「ガラス障子」とも呼ばれています。

昭和初期は、中央の額にガラスをはめる障子(「竪額障子」とも呼ばれています)が主流でした。

猫間障子/雪見障子

猫間障子とは、障子の一部が観音開きや摺り上げで動く扉になっているものです。一説には、猫が出入りするために作られた障子ともいわれています。

猫が出入りする部分にガラスをはめたのが雪見障子です。その名のとおり、庭の雪を見られる障子で、普段は扉を閉めて、保温や調光といった障子本来の機能を発揮できるようになっています。同じガラスがはめこまれていても、扉の有無が額入り障子との大きな違いです。

目次へ

【障子枠】3つの種類

組子の配列は大きく分けて3種類です。組子とは襖や障子などの建具に使用される伝統的な技術のこと。細い木材を組み合わせており、デザインが豊富です。では、それぞれの特徴を解説していきます。

横繁(よこしげ)障子

横に細長い組子が、連続して縦に並んでいる状態を「横繁(よこしげ)」といいます。横繁障子では、横長の組子が2列に並んでいる状態です。すっきりとしていて、軽やかな印象です。現在でも茶室や寺院などで使われています。

荒間(あらま)障子

ひとつの組子が大きい障子です。荒組障子とも呼ばれています。ひとつの組子が大きくなるように「荒く(粗く)組む」と表現するのが、名前の由来です。シンプルであるために、どんな部屋にも合わせやすいでしょう。

縦繁(たてしげ)障子

横繁障子とは逆で、縦に細長い組子が横に並んでいる状態です。ひとつの組子が縦に長いため、障子全体がスマートに見えます。関東は横繁障子が主流ですが、関西では縦繁が主流といわれています。

目次へ

【障子紙】2つの種類

続いて障子紙の種類です。家庭用に使われるのは、主に2種類あります。

機械すき和紙

高級な障子紙は、和紙にも使われる「楮(こうぞ)」というクワ科の植物が主原料です。

釡で煮ながら繊維だけにして、流水で塵(ちり)を取り除きます。さらに漂白した後、水の中でむらがなくなるようかき混ぜると、ようやく紙をすける状態になります。そのあとは、職人が型枠の中に楮の繊維が攪拌された水を流し込み、1枚ずつすいていきます。

こうして完成した障子紙は高品質ですが、多くの手間がかかっているため高価です。あまり、家庭用に使うのは現実的ではありません。

そこで、機械ですいた障子紙が広く使われています。原料も楮の割合を減らし、パルプなどほかの素材を混ぜているため低価格です。

例えば、化学繊維のレーヨンを40%以上配合したものは、「レーヨン障子紙」と呼ばれており、通常の障子紙よりも強度が高く、光沢もあります。

パルプを80%以上配合したものは「パルプ障子紙」と呼ばれており、安価で通気性や吸湿性に優れていますが、破れやすく紫外線で劣化するため、こまめな張り替えが必要です。

プラスチック障子紙

最近では、プラスチックを使った障子紙も増えています。プラスチックの使われ方には大きく分けて2種類あり、ひとつは障子紙の間にプラスチックを貼り合わせているものです。

紙の風合いはそのままに、プラスチックで強化されているので破れにくくなっています。従来の障子紙と同様に糊で貼りますが、片側に接着層があるタイプなら、アイロンの熱で貼るのもはがすのも簡単です。

逆に、プラスチックの間に障子紙を貼り合わせているものもあります。破れにくく、ペットの引っ掻き傷にも強いのが特徴です。色付けしやすいので、カラフルな障子紙を実現できます。両面テープで貼るため、糊で貼り変えるより難しくはありません。

このタイプの障子紙は、普段の手入れも簡単です。汚れが気になったときは、サッと水拭きできます。UV加工されているものならば、日焼けによる劣化の心配もありません。

風合いが紙の障子よりも劣り、結露が発生しやすいという欠点もありますが、機能性や使い勝手を重視するのであれば、プラスチック障子紙を選ぶと良いでしょう。

目次へ

障子の種類を選ぶときのポイント!

では、最適な障子を選びたいときには、どこに注目すれば良いのでしょうか。

障子紙を選ぶ4つのポイント

障子紙は、種類によって以下の4つが異なります。

・部屋の明るさ

・破れにくさ

・通気性

・デザイン

部屋の明るさ

まずは部屋の明るさです。障子紙によって外の光が取り込まれ、夜は室内の明かりが反射します。紙のほうが暗めで落ち着きがあります。プラスチックは明るいため、照明との相性もあります。

破れにくさ

小さな子どもやペットがいる家庭は、破れにくい障子紙にすると、交換の頻度が減るでしょう。

強度で選ぶのであれば、プラスチック障子がおすすめです。また、同じプラスチックでも、間に障子紙を貼り合わせているものであれば、さらに強度は高まります。

通気性

通気性は和紙の障子が優れています。一方で、プラスチックは気密性が高いため、室内の温度変化を抑えることができるでしょう。ただ、通気性が劣るため結露がたまりやすいです。

デザイン

デザインにこだわりがある人も多いのではないでしょうか。和紙もデザインは豊富ですが、ラインアップの多さやデザインの自由度で選ぶならプラスチックがおすすめです。

すべての条件を満たす障子紙を見つけるのは難しいものです。特に実現したい機能を備えているものを選びましょう。

障子枠を選ぶ3つのポイント

障子紙を選んだら、次は枠を選びましょう。

サイズ

障子の枠は、サイズが合っていなければいけません。鴨居から敷居まで、ぴったり収まるものを選びましょう。

サイズは鴨居から敷居までの間と、障子2枚分(または4枚分)の開口幅を測りましょう。

部屋にある素材

素材は、その部屋の建材や家具の色、質感と調和するものが良いでしょう。種類が豊富なため、ネットなどで調べてみてください。

組子の配列

組子の配列は、細かくなるほど障子を張り替えるのが大変です。猫間障子や雪見障子のように扉がついていると、自力での張り替えは難しいでしょう。光の通し方や外側からの見え方は、腰板やガラスをはめる額の有無に左右されます。それらを考慮した上で、最適なものを選びましょう。

金沢屋では、障子の張り替えも承っております。張り替え用の紙も、用途に応じて各種取り揃えているので、ご希望に合ったものが見つかるでしょう。料金は、扉サイズの普通紙で2,200円(税込)からです。障子の張り替えでお悩みの際は、ぜひご相談ください。

目次へ

まとめ

障子の枠は、それぞれに組子の数や配置が異なり、腰板やガラスをはめる額、扉がついているものもあります。障子紙は和紙やパルプ、プラスチックなどがあり、どれが良いとは一概にいえません。それぞれの特徴を理解した上で、最適なものを選びましょう。