目次
障子を掃除する方法
障子をキレイに掃除する方法とその注意点について紹介します。
表面や桟(さん)のホコリを落とす方法
障子の表面や桟の汚れの原因は主にホコリです。
溜まったホコリを放置していると、湿気などの水分を吸収して固まるため汚れが目立ちやすくなります。また、時間が経つと汚れが落ちにくくなり、無理に取り除こうとすると破損するおそれがあるため注意が必要です。
ホコリ掃除には、はたきなどを用いて上部から下部に向かって障子の表面や桟に溜まったホコリを落としましょう。隅などの細かい部分はホコリが残りやすいため注意してください。
時間が経過して落ちにくい付着したホコリは、爪楊枝や綿棒などを使って少しずつ取り除くようにしましょう。これらの道具は隅に残ったホコリを除去するときにも有効です。
また、落とした汚れが敷居に溜まると滑りの悪化や破損につながるため、障子をキレイにした後は、敷居に残ったホコリを忘れずに取り除きましょう。
ホコリが溜まらないように、普段からこまめに掃除を心がけておくことも大切です。
障子の黄ばみを落とす方法
障子は、経年劣化や太陽光などが原因で黄ばみやすい性質があります。
これは、木の中にあるリグニンという成分が要因で、リグニンは光や空気に触れることによって黄ばみを引き起こします。障子紙にはこの成分が含まれることから、時間が経つと黄ばみが目立つようになります。
対策としては、漂白剤を利用する方法が一般的です。
用意するもの
・水200ml程度
・粉タイプの酵素系漂白剤10g
・洗濯のり5g
これらを準備してスプレーボトルなどに入れ、黄ばみのある部分に吹きかける方法が最も即効性があります。スプレー後にしっかりと乾燥すれば作業完了です。
ただし、障子以外の木の部位に漂白剤が付くと、変色や劣化の原因になるため注意してください。
漂白剤以外には、大根のしぼり汁もおすすめです。大根にはジアスターゼという漂白効果のある成分が含まれており、紙の強度を高める作用もあります。
スポンジなどに大根の汁を含ませ、黄ばみのある部分に優しく塗り、乾燥させれば完了です。
しかし、障子紙自体の劣化までは防げないため、黄ばみ落としは応急処置として行い、可能であれば張り替えを検討しましょう。
掃除する際の注意点
障子にはホコリが溜まっていることが多いため、最初に水拭きをすると固まって汚れが取れにくくなります。まずははたきなどで、大まかなホコリを取り除くようにしましょう。
水拭きをする際は、桟に沿って優しく滑らせるように動かし、障子紙を破かないように注意してください。
また、基本的に障子は水に弱い材質でできていますので、雑巾はなるべく硬く絞って水気を取るようにしましょう。
鴨居の上部に位置する長押にも汚れが溜まりやすく、ホコリが落ちてくる原因にもなりますので、忘れずに掃除を行ってください。
また、掃除機を使うと障子紙が破れるおそれがあります。掃除機は敷居や下に落ちたゴミを片付けるときに使用する程度に留めましょう。
障子を掃除する時におすすめの道具
障子を掃除する際、あると便利なおすすめの道具を紹介します。
はたき・ハンディモップ
先述したように、掃除機を使用すると障子に負担がかかりますので、掃除をする際は柔らかいはたきやハンディモップがおすすめです。また、ペンキなどを塗る際に使う刷毛でも良いでしょう。
これらの道具は100円均一ショップでも入手できますので、購入する場合でもあまりコストはかかりません。
はたきやハンディモップがない場合は、使い古しの薄手の洋服やストッキングを再利用しましょう。
古着を適当な大きさに切って、割り箸などに巻きつけることで狭い桟や隙間などのホコリが簡単に取れるようになります。
掃除後に汚れが付着した布は、そのまま外して捨てるだけなので後片付けも簡単です。
歯ブラシ
障子の掃除には、使い古しの歯ブラシでも活用できます。
歯ブラシは先端が細かいため、特に隙間などに溜まったホコリをかき出しやすく、先ほど紹介した古着と一緒に使うことで効率的に掃除ができます。
ただし、ブラシが障子紙に当たると破れるおそれがあるため、使用する際は紙に当たらないよう、桟に沿って動かすようにしましょう。
蝋
敷居にホコリや汚れが溜まっていると障子がスムーズに動かなくなります。キレイに掃除をした後でも滑りが改善しない場合は、蝋を塗ってコーティングしてみましょう。
元々障子の開閉部分は滑りが良くなるよう加工されていますが、劣化や小さな傷があると少しずつ動きにくくなります。
滑りを改善する商品もありますので、蝋でも直らない場合は試してみると良いでしょう。障子だけではなく襖やタンスなどにも使用できるため、ひとつ持っておくと便利かもしれません。
サンドペーパー
白木や引き手部分は、手垢などによって黒くなることがあります。染み付いた汚れは拭き取るだけではキレイになりにくいため、サンドペーパーで削り取りましょう。500番程度の粗さがおすすめです。
強く力を加えないように変色部分を軽く削り、作業後はお湯で少し湿らせた布で拭き取りしっかりと乾燥させてください。
もともと白木部分はワックスでコーティングされていますが、サンドペーパーを使用すると取れてしまいます。汚れやホコリ防止のために、削った後は専用のワックスを塗布すると良いでしょう。
掃除してもキレイにならない・穴が開いてしまっている場合
湿気や日焼けによる劣化で変色があるときは、掃除するだけではキレイにならない場合があります。さらに、和紙がたるんでいたり穴が開いていたりする場合は張り替えなければ直すことができません。
掃除しても障子がキレイにならない場合や破損しているときは、障子の張り替えを検討しましょう。
自分で障子を張り替える
障子の張り替え作業は、道具を用意すれば家庭でも行えます。簡単に手順を解説しましょう。
用意するもの
・障子紙のり
・ブラシや刷毛
・ビニールシートか新聞紙
・カッター
・マスキングテープ
・雑巾
まず障子を外してビニールシートに置き、桟にブラシで水を塗り、のりを剥がします。剥がしにくい場合は、濡らした状態で15分前後放置して様子を見ましょう。
のりを除去した後は雑巾でキレイに拭き取り、しっかりと乾かします。乾燥後、障子紙を当てて片方の端をマスキングテープで仮止めし、桟にのりを塗って軽く押さえながら貼り付けてください。
余った部分をカッターで切り取り、障子を戻したら完成です。
湿度が高いと紙が水分を吸収して張り替えがしやすいため、タイミングが合えば梅雨や夏の時期に作業をすると良いでしょう。
専門業者に頼んで張り替える
家庭でも障子の張り替えは可能ですが、作業する時間がない方や自信がないという場合には専門業者に依頼することもできます。
どこに依頼するべきかお悩みの方は、障子や襖の専門店である金沢屋にぜひご相談ください。
ご依頼に対しては職人がご自宅に伺い、状態を直接確認した後、状況に合わせた最適な対処方法やプランを提案いたします。
障子紙の中にはプラスチック製のものもあり今後の掃除する上で楽になる商品もあります。
デザインや費用に関しての要望にもできる限りご対応いたしますので、障子の張り替えでお困りの際はお気軽にお問い合わせください。
まとめ
障子を掃除する基本は、上から下に向かってはたきなどを使いホコリを落とすことで、拭き取りは後から行わなければなりません。
黄ばみに対しては漂白剤や大根の汁を使うことで対処できますが、劣化や破損がある場合は張り替え作業が必要です。
家庭でも行えますが、作業が不安な場合は専門業者に相談することでスムーズに張り替えが行えます。
障子紙の中にはプラスチック製のものもあり今後の掃除する上で楽になる商品もあります。