目次
障子戸の外し方
一般的な障子戸の外し方と、外れない場合の原因について解説します。
通常は簡単に外れる
障子は通常であれば、障子戸を少し持ち上げて下側から引き抜くようにすると簡単に外れます。元々、障子戸の上部には小さな隙間が空いており、本体も軽いことから外す際はあまり力を必要としません。
誰でも簡単に取り外しが行え、障子紙の張り替えなどのメンテナンスが行えるようにできています。
それでも外せなくなる場合は、経年劣化や家自体の問題などあらゆる原因が考えられ、要因別に異なった対策も必要になるでしょう。
力任せに無理矢理作業を行うと、障子戸の破損や敷居、鴨居の変形につながる恐れがあるため注意してください。
なぜ簡単に外れないのか
簡単に、障子戸が外れなくなった際に考えられる代表的な原因は主に3つあります。
建物自体のゆがみ
住宅が古い場合は、建物自体にゆがみが生じている可能性があるため、障子戸周辺だけではなくほかの部分にも不具合が生じていることが考えられます。
また、一時的なことではなく、日常の動きにおいても、抵抗感や動かない状態であれば、その分ゆがみも大きいことが予想されます。早急に、建物の調査依頼を検討しましょう。
木の膨張
障子戸と鴨居や敷居には木が使われているため、湿気の多い時期になると水分を含んで膨張することがあります。
梅雨や雨が続いているタイミングで取り外せない場合は、木の膨張が関係している可能性が高いです。
積雪量
積雪量の多い地域では積もった雪の重みで屋根が下り、障子戸にも影響を及ぼすことがあります。積雪量が原因の場合は、主に枠の上部である鴨居が変形しやすいのが特徴です。
障子戸は、正常な状態から1ミリメートルでも変形などによって隙間が埋まると、それだけで外れない状況になります。
目視できるほどのゆがみであればわかりやすいですが、湿気での膨張や鴨居などのわずかな変形は「意識しなければ気づきにくい」でしょう。
障子戸が簡単に外れない場合の対処法
障子戸が外れにくいときにはいくつかの対処方法があります。ここでは、比較的試しやすい対処法を紹介します。
マイナスドライバーを使う
枠の下部である敷居との隙間にマイナスドライバーを入れ、てこの原理を利用して障子戸を持ち上げる方法です。
上手く引き上げて下部にゆとりができれば、通常時と同様に下から引き抜くことができます。最も簡単に試せる方法なので、困ったときの選択肢として考えておくと良いでしょう。
ここで注意したいのが、使用するマイナスドライバーの形状です。マイナスドライバーが細いタイプの場合、力が一点に集中しやすく、鴨居や障子戸の下部を傷める可能性が高くなります。防止策として、やや大きめのドライバーでの作業がおすすめです。
また、上述した方法はゆがみや変形が少ないケースの対処法です。上部にまったく隙間がないような状態で無理矢理行うと破損の原因になるため、十分に注意しましょう。
作業を行う際は、一気に力を入れずに少しずつ様子を見ながら持ち上げるようにしてください。
ジャッキを使う
ジャッキを使用することで、より強い力を加えて変形やゆがみを戻し、障子戸を外すための隙間を確保する方法です。
使うジャッキは、油圧ボトルジャッキが省スペースでも十分な力が得られるためおすすめです。車のタイヤ交換などに用いられるタイプでも対応可能ですが、サイズが大きいため作業空間によっては適さないこともあるでしょう。
力を加える際は、上下の高さに合う丈夫な角材などを差し込み、敷居と鴨居には板を当てて圧力を分散させると負担を減らせて、破損の予防になります。
ジャッキアップは少しずつ様子を見ながら進め、その都度外れそうかどうかを確かめながら行ってください。
作業中は非常に強い力が発生するため、急激に持ち上げると変形や破損につながり、自力での修復が困難な状況にもなりかねません。
家にジャッキがない場合、ホームセンターやインターネットで購入できます。低価格のものであれば2,000〜3,000円台で手に入ります。
外れやすいところを探す
ゆがみ具合によっては、場所を変えることで外れやすいところと外れにくいところが発生する場合があります。
左右や中央などを試しながら、最も外れやすい場所を見つけ出すことも大切です。
状況によっては、すでに紹介済みの「マイナスドライバーを使った対処法」などと併用することで外せる可能性もあります。
周りの畳をどかしてみる
障子戸に面している周りの畳が原因で、枠を締め付けて外れにくくしているケースがあります。
この場合は、畳を移動させることで障子が外れることもありますが、実際にはかなり大掛かりな作業になります。
畳を移動することで、ほこりが発生し大掃除になることも考えられます。また、移動させた以上はもとに戻す作業も発生します。
畳を移動させても障子が外せなかった場合は、多くの時間と労力が無駄になるため、「簡単に取り掛かることができない対処法」といえます。
時期をずらす
梅雨などの湿度が高い時期には、障子の木が膨張して外れにくい場合があります。対して、湿気の少ない季節に行えば、簡単に外れるケースもあります。
ただし、障子がすでにボロボロの状態で、何ヶ月も待てない場合には、ほかの方法で対処するしかありません。
湿気のある時期に、障子が外せないことに気づいた人や、修繕を急ぐ必要のない人は、湿気の少ない乾燥した季節になるのを待ってみても良いでしょう。
どうしても無理な場合には
作業に不慣れな人が無理に外そうとすると、障子を壊したり作業者がケガをしたりする恐れもあります。
特に、力を加えるマイナスドライバーやジャッキを使用した対処法は、一歩間違えると事故につながる可能性があります。
力加減や適切な方法を見極めるのは素人には難しく、確実で迅速な対処をするためには、やはり専門業者に依頼するのがおすすめです。
信頼のある専門店をお探しの方は、ぜひ金沢屋にお任せください。
障子や襖などの張り替えを専門に扱っているため、豊富な知識と確かな技術を持つ職人が揃っています。
リーズナブルな価格設定と迅速な対応、地域に密着したサービスを心がけており、施工後のアフターフォローも可能です。障子戸について、分からないことや心配な点などがあれば、お気軽にご相談ください。
外した障子戸を戻すには
外す際は、持ち上げて下から引き抜くようにしますが、戻す場合は上部をはめ込んだ後に下部を押し込むように入れます。
しかし、簡単に外せても、「戻すときに苦労した」というパターンも少なくありません。
上手く障子戸を入れるためには、外したときの位置に合わせて戻すことが大切です。そのため、外しやすかった場所の確認を怠らないようにしましょう。
また、障子を張り替えた直後の場合は、水分を含んで木が膨張している可能性があるため、しっかりと乾燥した後に試みしてみましょう。
それでも難しいときには、二人がかりやジャッキを使用して強い力を加える方法もあります。しかし、変形や破損の危険性が高くなるため注意は必要です。
また、鴨居や敷居など引っかかる場所を少しかんなで削る対処法もありますが、調整を誤ると戻した後に外れやすくなる可能性があります。
戻せないときには、無理をして手遅れになる前に、専門業者へ相談するようにしてください。
まとめ
障子戸は、通常であれば簡単に外れるものですが、湿気による木の膨張やゆがみなどによって、外れにくくなることがあります。
対策としては、「乾燥する時期まで待つ」「マイナスドライバーやジャッキなどで強い力を加えて外す」などの方法があります。しかし、先まで待てない場合や、道具を使うことで事故やケガにつながるケースもあるため、自己判断せずに、障子の張り替えを専門で行っている専門業者にまずは相談をしてみましょう。