自宅の一部を茶室にリフォームしたい!費用はどれくらい?

自宅の一部を茶室にしてお茶を楽しみたい・お茶のお稽古ごとに使える茶室を設けたいなどの理由で、茶室のリフォームを検討する方がいます。この場合、費用がどのくらいかかるのか気になるのではないでしょうか。また、そもそも茶室へのリフォームが可能なのか、知りたい方もいるでしょう。 この記事では、自宅の一部を茶室にリフォームできるのかに加えて、リフォームにかかる費用の目安や注意点を解説します。

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自宅の一部を茶室にリフォームするのは可能?

自宅の一部を茶室にリフォームする場合、自宅が戸建住宅もしくはマンションのどちらであるかによって、リフォームできるかどうかが変わってきます。

茶室を設けるには、茶室への導線や排水などさまざまな点に対して考慮が必要です。具体的に必要とされる設備には、お客様を最初にお通しする寄付待合・露地と呼ばれる庭・露地から茶室への導線・水屋の排水があります。また、茶室に入るためのにじり口・お茶を点てる亭主の出入り口となる茶道口なども必要です。

茶室には、お湯を沸かす囲炉裏となる炉を設置しますが、熱源を火もしくは電気のどちらにするかを決めなくてはなりません。お稽古事で使うのであれば、火を熱源とする炉を使いたいところですが、火災防止や安全性の観点から電気炉にせざるを得ない場合もあります。

上記の観点から、戸建住宅であれば、茶室のリフォームは比較的融通が利きやすいといえます。一方で、マンションの一室を茶室にリフォームする場合は床上げの作業が必要であり、マンションの規約内容によっては茶室を設置するのは難しい場合もあります。

とはいえ、大切なのは自分なりのアイディアや工夫でお客様をおもてなしする空間を作り上げることです。リフォームできる範囲によって、茶室に必要な設備を導入できる範囲も変わりますが、おもてなしよりも決まり事を重視してしまうと、お客様に十分なおもてなしができなくなってしまいます。

また、主な茶室の広さは次の2種類です。

・広間(書院風と呼ばれる座敷で、4畳半から15畳ぐらいまでの広さが必要)
・小間(草庵風と呼ばれる座敷で、4畳半以下の間取りである)

広さの基準に加え、茶室の内容やコンセプトによっても、部屋のタイプは変わってきます。茶法によっては、広間に該当する広さをもつ部屋でも、書院風には該当しないとみなされる場合もあるのです。

一口に茶室といっても、設置したい茶室の種類・床上げの仕様・配管設備などにより、使う材料や仕様はまちまちです。最も正式な茶室の方式を把握しつつ、これだけは譲れないというポイントを絞りながら、リフォームプランを考えることが重要です。

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茶室にリフォームする費用目安

茶室にリフォームするには、具体的にどのぐらいの費用がかかるのか、表を使って目安を解説します。

リフォームの内容・項目

リフォーム費用の目安

床の間を回収・追加する

10万円から30万円程度
(幅・奥行・使用建材により大きく異なる)

水屋ユニットを設置する

80万円から200万円程度

炉切工事(炉を作製する)

15万円から30万円程度

片切り戸から茶道口にする

15万円から20万円程度

にじり口を作製する

10万円から30万円程度

水屋に蛇口や排水溝を設置する

ユニットの設置費用に加え、10万円から20万円程度の追加費用が必要

1階の和室で炉切工事を施工するのは比較的簡単にできますが、2階の和室への設置は床を高くするため大掛かりな工事が必要です。このため、上記の費用とは別に工事費がかかります。

また、屋外から茶室へ入るタイプのにじり口を設置する場合は、外壁工事も必要となり、やはり大掛かりな工事と費用が必要です。

上記の費用はリフォーム元の部屋の状態や周囲の環境によって大きく変わるため、詳細な費用を知るには見積もりを依頼しましょう。

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リフォームをする際の注意点

ここでは、茶室にリフォームをする際に注意したいポイントを解説します。 

見積もりをとる

自宅の一部を茶室にリフォームする際には、ほかのリフォーム同様、見積もりをとることが重要です。3社から6社の見積もりをとると、より自分の理想とする茶室リフォームに近づけられるでしょう。

見積もりの内容を確認する際は、価格だけでなくサービスにも注目しましょう。お稽古にも使える本格的な茶室にするのか、お茶を気軽に楽しむための茶室にしたいのかによっても、必要なサービスが変わってきます。こだわる内容によって茶室のリフォーム費用は大きく変わってくるため、ひとつの業者だけでは判断が難しいのです。

マンションの場合は管理規約を確認する

マンションには管理規約が定められており、戸建てのように自由なリフォームはできません。規約によっては作業時間が限られている場合も多く、残業工事ができないマンションもあるため、費用だけでなく工期も確認するようにします。リフォームを検討する段階で必ず管理規約を確認し、規約に沿ったリフォームを依頼しましょう。

実績が豊富な業者に依頼する

また、茶室のリフォームは、実績が多い業者に依頼するのがおすすめです。茶室のリフォームは、茶室に関する知識が求められる場面も多く、用途や流派によっても必要な設計が大きく異なります。茶室リフォームの実績が少ないと、茶道についての知識が乏しい業者もあるため、高額な見積もりになってしまう可能性もあるのです。

【参考】茶室リフォームの業者選びの体験談

最後に、実際に茶室のリフォームの見積もりを依頼した方の体験談をご紹介します。この方は、次の3種類の業者に見積もりを依頼しました。

・家を建てたハウスメーカー
・工務店
・リフォーム業者

ハウスメーカーの担当者は、茶道や茶室についての知識をほとんどもっておらず、要望を伝えても理解してもらうまでに時間がかかったそうです。さらに、茶道に必要な道具や設備の設置に対する工夫も感じられませんでした。床から畳床(たたみどこ)にするのに床と床柱を解体したり、釣釜の設置に天井解体を必要としたりしたことで、見積もり金額は想定よりも大きくなってしまいました。

リフォーム業者も、茶道の知識がなかったようで、見積もりの際に家の寸法を測っただけで、床下や天井の状態をチェックすることはありませんでした。作業の様子から、茶室のリフォームに必要な作業を理解していないと感じたそうです。

工務店は、茶室のリフォーム実績が何件かあったそうです。炉切工事のために床下を調べる作業も行い、3つの業者の中では最も現実味がある見積もり作業だったといいます。

この体験談から分かることは、やはり茶室リフォームの実績を持つ業者への依頼が重要であるという点です。この方は、最終的に茶室リフォームの経験が豊富な建築事務所に依頼したそうで、経験を重視して選ぶ重要さが分かる体験談といえます。

先にご紹介した、ハウスメーカー・工務店・リフォーム業者であっても、茶室のリフォームが得意な業者や、リフォーム経験が豊富な業者は存在します。見積もりを依頼する前に、業者のホームページを確認したり、直接問い合わせたりすると、業者の実績が確認可能です。

マンションのリフォームは、給排水の設備や動線の計画などで制限を受けることが多いものの、業者としっかり打ち合わせをすることで希望のリフォームに近づけられます。自宅をリフォームした茶室だけでなく、なかには店舗をリフォームして茶室を設けたお客様もいらっしゃるため、納得のいく業者選びが重要なポイントといえるでしょう。

まとめ

今回ご紹介したように、茶室のリフォームは専門的な知識が必要となることも多いです。リフォーム業者を選ぶ際には、まず見積もりを取って大まかな費用を把握し、業者ごとの見積もり内容を見比べながら決めていくと良いでしょう。