【湿気対策】部屋の湿度を調節する「畳」について解説!

和室に欠かせない畳は、部屋の湿度を調節する機能を持っています。しかし、調湿効果には限度があり、畳の性能に頼りすぎるとカビやダニが発生する場合があるため、注意しなければなりません。 では、どのような状態になると、畳にカビやダニが発生するのでしょうか。今回は、畳が持つ調湿効果、カビやダニが発生する原因と対処法について紹介します。

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湿気を調節する畳の魅力

畳には、湿度を調節する「調湿効果」があります。調湿効果とは、部屋の湿度が高いときは畳が湿気を吸収し、低いときには湿気を放出するものです。

畳一枚で約500ccの湿気を吸い取る機能があるといわれているため、部屋がじめじめしたり極端に乾燥したりするのを防いでくれます。

また、調湿効果以外にもさまざまなメリットがあり、遮音性や断熱性に優れていることも畳の魅力のひとつです。

畳を敷くことで得られるメリットについては、以下のページで詳しく紹介しています。ぜひ合わせてご参照ください。

「日本の伝統的な床材「畳」のメリット・デメリット 」

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調湿効果はカビやダニが発生する原因になることも

畳に備わっている調湿効果は、状況次第ではカビやダニが発生する原因になることもあります。では、どのような状況になるとカビやダニが発生する原因になるのでしょうか。

ここからは、畳の調湿効果がカビやダニの発生原因になる理由や、発生しやすい状況について紹介します。

い草の水分が飽和状態になっている

畳の素材に使用されている「い草」には、吸湿効果がありますが、吸収できる湿気の量には限界があります。

とくに梅雨の時期など湿度が高くなりやすい時期には、い草が持つ吸湿効果以上の湿度になり、調湿効果が機能しなくなるため注意が必要です。

い草が吸湿して溜め込んだ湿気が飽和状態になることで、カビやダニが発生しやすい環境になります。

畳に布団を敷きっぱなしにしている

畳に布団を敷きっぱなしにしているなど、直接畳の上に敷物がある状態が続くと、カビやダニの温床になりかねません。

人の寝汗によって布団の湿度が高くなるうえに、い草が吸収した湿気が放出されにくい環境になってしまうためです。

布団やカーペットなどを敷きっぱなしにしていると、畳の中に湿気がこもって抜けにくくなり、カビやダニが発生する原因になります。

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畳にカビやダニが発生した時の対処法

畳にカビやダニがすでに発生してしまっている場合には、どのような方法で対処すれば良いのでしょうか。

ここからは、畳にカビやダニが発生した際の対処法や、取り除く方法について紹介します。

【カビ】発生時の対処法

畳にカビが発生したときの対処法は、発生したカビの程度によって異なります。

うすいカビが生えている場合

カビが生えた畳の掃除を行うときは、まず部屋の襖や窓を開けて換気を行いましょう。その後、畳の目地に沿うようにしてゆっくりと掃除機がけを行います。

掃除機の排気でカビの胞子が舞い上がってしまう場合があるため、注意してください。ある程度掃除機で吸い込んだら、ドラッグストアや薬局などで購入できるエタノールかお酢の原液を用意します。

お酢を使用する場合は、約10倍程度に薄めて使用しましょう。それぞれ使用する液をスプレーボトルなどに入れ、カビの生えている箇所に散布します。

その後、たわしや歯ブラシなどで目地に沿って優しくかきだし、雑巾などで拭き取れば完了です。

除菌効果に優れており手軽に行える掃除方法ですが、エタノールが手に付着する、カビ菌を吸い込むなどを予防する必要があります。ゴム手袋やマスクを着用して作業を行うと良いでしょう。

黒カビが生えている場合

畳に黒カビが生えてしまったときは、うすいカビとは除去方法が異なります。うすいカビと同様に換気を行いながら、重曹粉末を黒カビが生えた部分にふりかけ、重曹の上からエタノールを散布しましょう。

その後、歯ブラシなどを使用して目地に入り込んでいるカビを取り除き、雑巾などで拭き取る工程を繰り返してきれいになれば完了です。

カビの発生が深刻な場合には、塩素系漂白剤を使用しなければ落ちない場合もあります。

ただし、塩素系漂白剤を使用すると畳が変色する可能性が高いため、畳の端で試して色落ちの程度を確認してから行うなど、注意深く作業することが大切です。

【ダニ】発生時の対処法

畳にダニが発生したときは、拭き掃除や掃除機がけなどの掃除を行って取り除く方法が一般的です。

大量発生を防ぐためには、毎日掃除機をかける、定期的に拭き掃除を行ってしっかりと乾燥させるなど、日々のお手入れが重要になります。

掃除機をかける際には、畳を傷つけないようにゆっくりと目地に沿って動かしましょう。目安としては、畳1枚につき1分程度です。

また、畳を掃除するときは、畳の下も忘れずに掃除することが大切です。裏側まで頻繁に掃除を行えない場合でも、大掃除などのタイミングを利用して畳をめくり、しっかりと掃除してから乾燥させることをおすすめします。

ただし、掃除で完全にダニを除去することはできないため、定期的に畳用のダニ殺虫剤を活用するのも方法のひとつです。スプレー式のものや燻煙剤タイプの製品も販売されているので、状況に合わせて使い分けると良いでしょう。

小さなお子さまやペットがいるご家庭は、危険性の少ない薬剤か確認したうえで使用することが大切です。

畳のダニ駆除の方法については、以下のページでも詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。

畳のダニを駆除する4つの方法と繁殖させないためのポイント

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畳にカビやダニを発生させない方法

畳にカビやダニが発生してから取り除くだけではなく、発生そのものを予防することが重要です。

ここからは、畳にカビやダニを発生させないための予防策や、手入れのポイントについて解説します。

畳をこまめに掃除する

畳にカビやダニの発生を予防するためには、ホコリや人間の垢、フケなど、カビやダニの栄養分になるものを定期的に取り除くことが大切です。

毎日の掃除機がけや定期的な拭き掃除などで、普段から汚れをためないようにしていれば、カビやダニの発生を予防することができます。

部屋の湿気を除去する

カビやダニは、湿度が高い状況下でも繁殖しやすくなります。そのため、定期的に部屋全体の換気を行い、湿気を除去することが大切です。

また、部屋に湿気をためないようにするためにも、可能な限り部屋干しなども避けた方が良いでしょう。

梅雨の時期など換気をしても湿度が高くなりやすいときは、除湿器や除湿剤などを活用するのも効果的です。

畳にカーペットを敷かない

部屋の除湿だけでなく、畳に湿気がこもらないように意識することも、カビやダニの発生予防につながります。

とくに、布団やカーペットなどを敷いていると畳に湿気がこもりやすくなるので、可能な限りものを置かないことが大切です。どうしてもカーペットなどを敷く場合には、防湿シートなどを活用して畳の湿気を除去できるようにしておくと良いでしょう。

また、カーペットの上から掃除機をかけているだけでは、畳の目地に入り込んだ汚れがうまく除去できません。そのため、定期的にカーペットを取り除いた状態で掃除することも、カビやダニの発生抑止に役立ちます。

畳のカビを防止する方法については、以下のページでも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

畳のカビ防止策を8つ紹介!カビ発生を防いで快適生活

一度カビが生えたり、ダニに浸食されたりした畳は、掃除や駆除を行う方法もありますが、状況によっては新調するのも手段のひとつです。

畳の新調を考えているのであれば、金沢屋にぜひご相談ください。金沢屋は全国に約300店舗展開しており、ダニやカビ、虫などが発生しにくい畳への交換も可能です。

また、デザイン性に優れた畳、耐久性が高い畳など、ご要望に合わせて提案いたします。

金沢屋では、畳の新調だけでなく畳の張替えも可能です。そのほか、障子、襖、網戸の張替え、新調、掛け軸のご相談まで承っております。

和室に関するお悩みやご相談がありましたら、ぜひ金沢屋までお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

畳の湿気は、カビやダニの発生だけでなく、深刻な状態になると畳のい草が腐食する原因にもなりかねません。定期的な掃除や換気を行いながら、可能な限り清潔な状態を保ち、畳を長持ちさせましょう。

また、耐久性に優れた畳に新調するのもおすすめです。「どのような畳が良いのかわからない」「デザイン性も重視したい」など、畳についてお悩みの際には、ぜひ金沢屋までご相談ください。