畳のダニを退治・駆除する方法は?ダニを繁殖させないポイント

日本家屋や和室で当たり前のように目にする畳は、多くの人にとってなじみのある存在でしょう。しかし、畳にはダニが繁殖しやすく、油断していると噛まれてアレルギーを発症するかもしれません。そのため、細かなお手入れが必要です。 そこで今回は、畳に発生するダニについて解説し、駆除方法や繁殖させないポイントも紹介します。

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畳にダニが発生する理由

畳にはダニが発生しやすい条件がそろっています。気づかないうちに一気に繁殖してしまっていたということが多いです。

一般的に、室内に発生するダニは人のフケや食べかす、ホコリなどを食べて生きています。また、ダニにとって快適で繁殖しやすい環境は、温度が20〜30度、湿度が60〜80%の状態です。

畳は昔から日本家屋に使用されてきました。冬や夏には保温や断熱に良いとされ、湿度が高まる時期には水分を吸収し、乾燥してくると蓄えた水分を放出するという、四季に応じた働きをしてくれます。

この優れた機能は、人だけではなくダニにとっても最適な環境を生み出す要因になっており、特に湿度が高まり気温が上がる6月から9月までは注意が必要です。

ダニが大量に発生すると人にも害を及ぼすため、次項で紹介する方法を参考に、できる限り駆除して繁殖させないように対策を取りましょう。

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畳に発生するダニの種類は?肉眼で見える?

畳に発生するダニは、主にヒョウヒダニとツメダニの2種類です。それぞれの特徴について簡単に紹介します。

ヒョウヒダニ

ヒョウヒダニとはチリダニとも呼ばれるダニで、一般的な家庭に季節を問わず発生します。大きさは0.2mm~0.5mm程度で肉眼では見えません。ホコリやフケ・食べこぼしなどをエサにしており、畳だけでなくカーペットや布団などにも生息しています。

ヒョウヒダニは人を刺すなど人体に直接的な危害を加えるダニではありません。しかし、ヒョウヒダニのフンや抜け殻・死骸などを吸い込むと、アレルギーを引き起こしアトピーや喘息の原因になるため注意が必要です。

ツメダニ

ツメダニは、大きさ0.2mm~1.0mm程度のヒョウヒダニ同様に肉眼では捉えにくいダニで、特に梅雨時期や8~9月に増加しやすいことが特徴です。

ツメダニはヒョウヒダニをエサとして食べるため、ヒョウヒダニが発生するとツメダニも繁殖しやすくなります。また、ツメダニはダニ類のほかにも、畳の部屋に発生しやすいチャタテムシをエサにするので、チャタテムシがいる場合も繁殖しやすくなります。

ツメダニは人と接触した際に人を刺すことがあります。皮膚の露出した部分が刺されやすいです。

刺された時点では症状は出ませんが、翌日~翌々日に発疹のような赤く小さなぶつぶつができ、アレルギー性のかゆみが出ることが多いです。かゆみは数日で収まるものの、1週間程度はぶり返すことも少なくありません。

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注意!畳のダニが人に及ぼす影響

ダニが繁殖すると人にどのような影響があるのかを解説します。

アレルギーを引き起こす可能性がある

ダニはアトピーやぜんそくを引き起こすアレルゲンで、小さい子どもへの影響が強く、「アレルギー性喘息」や「鼻炎」を引き起こす原因となっています。

畳の上に布団を敷いている場合は、特にダニが繁殖しないように注意が必要です。体温が高くなりやすい脇腹や太ももの内側はダニに刺されやすく、症状が見られた際にはすぐに対策をとりましょう。

アレルギーには、生きているダニよりも死骸やフンの影響が大きく、気管支に入って引き起こされるといわれています。多く繁殖するほどアレルゲンが増えることになりますので、赤ちゃんや小さい子どものいる家庭は特に注意してください。

嚙まれるとかゆみに悩まされる可能性がある

ダニといえば、かゆみが起こるという印象をもつ方も多いでしょう。

人を噛むダニには、ツメダニやイエダニという種類があり、噛まれると1週間ほどかゆみが続きます。人によっては水ぶくれなどができることもあり、かゆみが治ってもしばらく痕が残ることが多いのです。

お腹やお尻など皮膚の柔らかい箇所が噛まれやすく、特に体温の高い赤ちゃんは被害に遭いやすいため注意してください。

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畳のダニを駆除する4つの方法

畳に発生するダニを駆除して、繁殖を抑える方法を紹介します。

1.拭き掃除をする

ダニのエサとなるゴミや汚れを取り除くことが駆除の基本となります。拭き掃除は、こびりついた汚れを落とすことができ、ダニ自体の除去もできます。

畳には水分を吸い取る性質があるため、水拭きする際はできる限り雑巾を固く絞るようにしてください。水分を多く含んでいると、湿気を高めることになりダニが繁殖しやすくなります。

拭き方は、畳の目に沿うように動かすことがポイントです。目に逆らって拭くと畳を傷つける原因になりますので、注意して丁寧に拭き上げましょう。

掃除に加えてアルコール除菌もできると、さらにダニの駆除ができるのでおすすめです。最後には水気が残らないよう、しっかりと乾燥させることで繁殖しにくい環境が整えられます。

拭き掃除は労力がかかりますが、2週間に1度程度の頻度でできると良いでしょう。

2.掃除機をかける

掃除機は、ゴミやホコリだけではなく生きたダニや死骸、フンなどを吸い取ることができるため、できれば毎日かけた方が良いでしょう。難しい場合でも、こまめに掃除機をかけるように意識しておくと、ダニの繁殖を抑えやすくなります。

ただし、生きたダニはすべて除去できるわけではありません。ほかの方法も併用してしっかりと駆除を行ってください。

掃除機は、拭き掃除同様に目に沿ってかけていき、一畳あたり1分ほどゆっくり丁寧にかけることがポイントです。こうすることで、畳の傷を予防しつつ隙間のダニやホコリを効率的に吸い取ることができます。

また、暗い場所を好むダニの習性を利用し、掃除をする1時間ほど前からカーテンを閉めるなどして部屋を暗くすると、より多くのダニを除去しやすくなるでしょう。

畳の掃除方法についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。

畳掃除は基本が大事!ケース別の具体的な掃除方法を紹介

3.殺虫剤を塗布する

殺虫剤を使った駆除方法は、手軽で素早くできるので便利です。

ホームセンターや薬局などで簡単に購入でき、目的や状況に応じて種類も豊富に用意されています。

最も手軽なタイプはスプレー式のもので、畳に直接吹きかけます。付属の針を使って内部に殺虫剤を注入することもでき、誰でも簡単に使えるでしょう。

より広い範囲でダニを駆除したい場合には、煙を焚くタイプがおすすめです。こちらは、室内や家全体に殺虫効果のある煙を充満させることでダニ以外の虫の駆除や、普段手の届かない箇所のダニの駆除もできます。

ただし、強い殺虫成分を含むものは、ペットや小さな子どもに有害な場合もあるため、使用する際は説明書をしっかり読んで判断しましょう。

4.畳干しをする

ダニは湿気を好むため、繁殖させないためには畳干しをして乾燥させることが大切です。

畳の取り外しは、専用の道具を購入しなくてもマイナスドライバーなどでできます。隙間にドライバーを入れ込み、てこの原理で持ち上げて、畳が浮いたら手で持ち上げましょう。

日当たりの良い場所で天日干しするのが、畳の下に繁殖したダニを駆除するのに良い方法ですが、長時間干し過ぎると日焼けや変色の原因になるため注意してください。

干している間に、畳の下も掃除し、防虫シートの有無も確認しましょう。

通常であれば、畳を交換するタイミングで防虫シートも新しくしますが、シートが劣化している、もしくはない場合は敷き直した方が良いでしょう。

ダニ駆除業者に依頼する

ダニを完璧に駆除したいなら、専門業者への依頼がおすすめです。

専門業者に依頼すれば、発生源を特定したうえでダニの種類に応じた駆除・予防措置をしてもらえます。自力では手の届かないような場所の駆除も任せられますし、赤ちゃんやペットがいて、市販の薬剤の利用が心配な場合でも安心です。

ダニ駆除の費用相場は、施工面積により5,000円~3万円程度です。費用は駆除する範囲やダニの種類によっても異なります。また、年間5万円程度で定期的な駆除を契約できる業者もあります。

依頼の際には、まずは複数の業者に相見積もりを取り、比較検討するのがおすすめです。以下のようなポイントをチェックし、納得できる業者に依頼しましょう。

・料金システム・見積もりの明確さ

・駆除方法・範囲

・保証期間やアフターサービス

・業者の実績

・対応時間

・損害保険の加入有無

特に料金や見積もり、駆除方法についてはしっかりと説明してくれるかが重要です。

想定していない費用が発生したり、駆除効果が思うように得られなかったりなど、依頼後のトラブルを防ぐためにも疑問点は見積りの際にしっかりと確認しておきましょう。

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畳にダニを繁殖させないための対策

普段からダニを繁殖させないための対策について紹介します。

定期的に換気を行う

ダニの繁殖を抑えるためには、原因のひとつである湿気を普段から取り除くように意識することが大切です。

定期的に換気すると、湿度が下がりダニの発生や繁殖を抑えられますが、さらにカビの発生を抑える効果も期待できます。

できる限り湿度を高めないことが重要で、洗濯物などを室内干しすると畳が湿気を吸収します。なるべくほかの部屋に干すようにしましょう。

畳の上にカーペットを敷かない

畳にカーペットを敷くと、ダニのエサとなるゴミやホコリが畳の隙間にたまりやすくなります。さらに湿気もたまりやすくなり、ダニが繁殖しやすい状態になるのです。

また畳だけではなくカーペットも掃除しなければダニ対策にはならず、かかる労力から考えてもおすすめしません。

マットなどを敷いても同じことが起こります。なるべく畳の上には何も敷かないようにしましょう。

畳の部屋にある物を掃除する

畳がある部屋にダニが生息しやすいものがある場合はあわせて掃除しましょう。

・布団や座布団

・ソファー

・こたつ(こたつ布団)

・ぬいぐるみ

・カーペット

これらに発生したダニが、畳のダニの原因になることもあります。洗えるものは定期的に丸洗いや天日干しをしてダニの繁殖を防ぎましょう。

丸洗いや天日干しが難しいものは掃除機をかけて、ダニのエサとなるホコリや食べこぼしなどを取り除くことも有効です。

防湿シートを敷く

ダニは湿度が高くなると発生しやすくなるため、畳に湿気が溜まらないように注意しましょう。湿度の調整には防湿シートの利用が便利です。

畳の上に布団やカーペットを敷いていると、畳に湿気が溜まりやすくなります。そこで、布団と畳、カーペットと畳の間に防湿シートをはさめば、溜まった湿気を効率よく吸収させられます。

ただし、防湿シートを使っているからといって、お手入れの必要がなくなるわけではありません。布団を敷きっぱなしにしないことに加え、換気や定期的な布団干しなどを行って湿気を溜めないようにすることが基本です。

畳の交換も検討する

忙しくて手入れが難しい場合や、すでに畳が傷んでいるときには、畳の交換も検討すると良いです。

カビやダニの繁殖しにくい防カビの畳や和紙畳に交換すると、普段のメンテナンスも楽になりますので検討してみてください。

畳の交換は自身で判断して対応するのが難しいものです。専門家に相談した方が良いでしょう。

その際は、金沢屋にお任せください。

地域に根ざした職人が親身に対応し、直接お部屋の状況を確認して最適な判断を行います。また、料金やデザインなどさまざまなご要望にもお応えできるように努めておりますので、お困りの際はぜひ金沢屋にご相談ください。

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まとめ

畳はゴミや湿気などがたまりやすく、ダニが発生しやすい環境が整っています。噛まれるとかゆみだけではなく、アレルギーを引き起こす可能性もあるため、繁殖しないように対策することが大切です。

そのためには、日頃から換気や掃除を心がける必要がありますが、忙しい場合は普段から手入れすることも難しいでしょう。

畳にもダニやカビの発生しにくいタイプもあり、交換すればより快適な生活になるでしょう。 畳の交換について詳しく知りたい方は、ぜひ金沢屋にご相談ください。