畳には寿命がある?寿命を延ばすためのコツやメンテナンス方法

畳は古くなると張り替えが必要になるので、畳の寿命はどれくらいか気になっている方も多いのではないでしょうか。ここでは畳の寿命が何年くらいなのか、寿命を見分けるポイントについて解説します。 また、畳は日頃の使い方によって寿命が変わるという特徴があります。寿命を延ばすためのコツについてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事は約6分で読み終わります。

部位ごとにみる畳の寿命

畳の寿命は、畳表(たたみおもて)と畳床(たたみどこ)で違います。それぞれの部位ごとに、特徴と寿命を見ていきましょう。

畳表

畳表とは、畳表面の天然のイ草が織られたゴザ部分です。最近では国産だけでなく、安価な外国産のイ草も使われています。ただし、外国産は国産のイ草と比べて、一般的には耐久性や弾力性などの品質が低いとされています。国産畳表の中にも品質に差があり、グレードが分けられています。

また、イ草ではなく和紙や樹脂を原料とした化学製品を繊維状にして、イ草と同じように織って畳表にしている化学表もあります。化学表は、変色がしづらく防カビなどにも優れているという特徴があります。

畳表の交換時期は6年〜10年が目安です。品質により寿命に差があり、高品質のイ草であればあるほど長持ちする傾向があります。

寿命は、部屋の日当たりや使い方によっても変わってきます。交換時期は、畳表の色や風合いの変化で判断しましょう。

畳は使っているうちに、日当たりによるイ草の変色やシミなどの汚れが生じます。光沢がなくなってきたり、目立つようなささくれが増えてきたりして風合いが悪くなった場合も、寿命と考えましょう。

畳床

畳床は、畳の土台となる芯の部分です。伝統的に、稲ワラを重ねて麻ひもで締め付けて作られてきました。近年では、稲ワラと発泡プラスチックであるポリスチレンフォームを組み合わせた畳床や、ポリスチレンフォームと木材を圧縮したインシュレ―ションボードからできているものもあります。

ワラを使用した畳床は、湿気を吸い取ってくれる吸湿機能があります。また耐久性にも優れているので、メンテナンス次第で長持ちします。

ワラをまったく使っていない畳床には、ダニなどが発生しない、断熱効果に優れているという利点があります。

畳床の寿命は、一般的に10年〜20年程度といわれており、交換時期は踏み心地で判断できます。踏んだときに、フワフワしていたりへこんだりしたら寿命と考えましょう。ただし、丁寧なメンテナンスを定期的に行えば、40年〜50年使えることもあります。

目次へ

畳の寿命を延ばすには

畳は普段の使い方によって寿命を延ばすことができます。ここからは、気をつけたい3つのポイントをご紹介します。

湿気に気を付ける

畳は水分を吸収しやすい素材でできています。湿度に合わせて空気中の水分を吸収・排出する働きがあり、室内の湿度を調整しています。しかし湿度が高い状態が続くと、ダニやカビが発生しやすくなるので要注意です。

ダニやカビの発生を防ぐためには、定期的に換気をするなどして、室内の通気性を良くすることが大切です。また、畳の上にカーペットや布団を敷きっぱなしにしていると、湿気がこもりダニやカビの原因となります。

畳の中には、湿気に強い材料を使っているものもあります。部屋の湿度が気になるのであれば、そういった機能性畳も検討してみましょう。

傷を付けないようにする

畳表のイ草はささくれになりやすいので、傷を付けないようにしましょう。畳は雑に扱わないことが大切です。

具体的には、家具を移動するときに、引きずらないようにしましょう。また掃除機をかけたり雑巾掛けをしたりする際も、イ草に負担がかからないよう畳の目に沿って掃除をします。

掃除をこまめにする

ダニやカビの発生原因は、湿気だけではありません。汚れがあるとダニやカビが発生しやすくなるので、こまめな掃除で清潔な状態を保ちましょう。こぼしたジュースなども吸収してシミが残りやすいので、すぐに拭き取るようにします。

掃除方法としては、畳の目に沿ってゆっくりと掃除機をかけます。掃除機で吸い取れない畳の隙間に挟まった小さなゴミやホコリは、ほうきで書き出すと良いでしょう。

皮脂などを畳表に吸着した汚れを取りたい場合は、雑巾で乾拭きします。畳は水分を吸収しやすいので、できるだけ水拭きは避けるようにしましょう。

また、日陰干しをすることも、畳を長持ちさせるために良い方法です。ただし直射日光が当たると変色してしまうので、必ず日の当たらない風通しの良い場所で干すようにしましょう。

目次へ

畳のメンテナンスの方法

長持ちするように畳を使っていても、どうしても経年劣化は生じます。気持ち良く畳を使用するために、古くなってきた畳はメンテナンスを行いましょう。畳のメンテナンス法としては、「裏返し」「表替え」「新調」の3種類があります。

裏返し

裏返しとは、それまで使っていた畳を再利用して張り替える方法です。畳表は両面を使用できるので、一度畳床から剥がし使っていなかった面を上にして張り替えます。畳表も畳床も寿命までいっていない畳に有効な方法です。

きれいな面が上にくるので新品のような色合いが戻ります。ただし、裏返しはあくまで畳表が再利用できる場合のみに使える方法です。使い始めてから数年経つと、畳表の奥の方まで日焼けで変色してきますし、損傷も激しくなります。

奥の方まで畳が傷んでいる場合は、ほかのメンテナンス方法を実施しましょう。

表替え

表替えとは、畳表のみを新品にして、畳床はこれまで使っていたものを再利用する方法です。表面のイ草部分が新しくなるので、見た目だけでなく畳特有の香りやイ草の持つ吸湿作用なども回復します。

裏返しをしたことのある畳や、一度も裏返しはしていないけれど畳表の奥まで日焼けや損傷している場合に用いる方法です。

ただし畳床は変わらないので、踏み心地は変わりません。畳床がへたっていて踏んだときにフワフワしたりへこんだりする場合は、畳床も新しくする、新調がおすすめです。

新調

畳を丸ごと新品にする方法を新調といいます。畳床、畳表、装飾と保護のために畳の長辺についている畳縁(たたみべり)、すべて新しくなります。

畳床まで劣化が進み、裏返しも表替えもできない状態のときに行う方法です。畳を踏んだときに沈んだり、ダニやカビが発生したりしてきたら、畳床の交換時期で新調が必要と考えましょう。

完全に新しい畳にするので、畳床や畳表の素材や色を一から選べます。汚れや湿気に強い畳などに機能性のある素材を使いたいときは、畳床が古くなくても新調しましょう。

ご使用の畳が寿命になってきたと感じたなら、メンテナンスの時期です。畳や襖などの張り替え専門店である金沢屋は、専門の知識と技術で必要なメンテナンスを行います。

ご連絡をいただけましたら無料で現地に赴き、畳の状態を見極めて必要なメンテナンス方法をご提示します。見本帳をお持ちしますので、お好みの畳をその場で選んでいただくことが可能です。

畳の色が黄色くなってきたりイ草のささくれを感じたりするようになったなら、ぜひお気軽に金沢屋にご相談ください。

目次へ

まとめ

畳の寿命は、畳表と畳床で異なります。普段の使い方によって、寿命の長さは大きく変わってくるので、湿気や汚れ、傷には十分注意しましょう。畳のメンテナンス法は3つあり、畳表と畳床の状態によって利用できる方法は異なります。専門業者に確認してもらい、適切なメンテナンス方法を選びましょう。