畳のアレルギーの原因とは?家族が安心できる予防策を解説

花粉症やハウスダストなど、アレルギーの原因は家の中にあふれています。その中でも「和室の畳がアレルギーの原因になる」と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。 和室は、い草の香りや和のデザインに人気があり、リフォームを検討する方も少なくありません。しかし、アレルギーの原因になると聞いて「和室にして大丈夫?」と心配になる方もいるでしょう。 そこで今回は、畳のアレルギーについてまとめています。アレルギーの基礎的な知識や、畳のアレルギーを予防する方法にも触れていますので、参考にしてみてください。

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そもそもアレルギーとは?

 

人間は生まれながらに、細菌やウィルス、寄生虫といった外敵から身を守るはたらきである「免疫」という仕組みを持っています。

免疫が正常に働けば体を守ってくれるだけで済むのですが、免疫が逆に体を攻撃してしまうことがあります。これが「アレルギー」とよばれる状態です。

アレルギーの症状や原因は、個々人で大きく違います。例えば、数人がまったく同じ環境で生活していたとしても、同じアレルギーが全員に現れるわけではありません。

アレルギーの原因となる物質のことをアレルゲンと呼びます。例えば花粉症のアレルゲンは花粉、食物アレルギーのアレルゲンは特定の食物、ということになります。しかし、こうしたアレルゲンが何らかの経路で体内に侵入するだけでは、アレルギーは発生しません。

アレルゲンが浸入すると、人体は免疫作用によりアレルゲンを排除しようとします。

このとき、体内でアレルゲンに対抗するために、抗体がつくられます。それが細胞にくっつくのですが、この抗体にアレルゲンが触れると、アレルギー症状を引き起こす物質が分泌されます。

すなわち、アレルギーはアレルゲンそのものではなく、アレルゲンに対する免疫反応によって引き起こされる症状なのです。

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畳に付着するアレルギー原因物質の種類

畳にかかわるアレルギーの原因は、その侵入経路によって「吸入性アレルゲン」「食物性アレルゲン」「吸入性アレルゲン」の3種類に分けられます。このうち、畳で起こるアレルゲンは「吸入性アレルゲン」に該当します。

この項目では、畳にまつわるアレルギーの原因や、アレルギー症状の基礎的な知識をご紹介します。

畳に付着する吸入性アレルゲン

畳に付着しやすいアレルゲンには、ホコリ・ハウスダスト・カビ・ダニ・ペットの毛・花粉などがあります。こうしたアレルゲンを放置していると、アレルギーが起こりやすくなります。

アレルギーの発症を抑えるためには、畳の掃除を定期的に行う必要があります。例えば、拭き掃除をしたり掃除機をかけたり畳干しをしたりしましょう。

こうした対策を行うことで、アレルギーを最小限に抑えることが可能です。

アレルギーの原因になるダニを駆除する方法については、こちらの記事に詳細を紹介しています。ぜひ参考にしてください。

畳のダニを駆除する4つの方法と繁殖させないためのポイント

ダニ・カビには特に注意!

特に、畳はダニ・カビの温床になりやすい環境です。種類にもよりますが、ダニは室温25℃~30℃、湿度60%以上の際に生息・繁殖します。近年はダニ駆除剤を使いすぎたためか、ダニを薬で駆除しづらくなっています。

実際、畳の回収作業を行った業者がダニに刺されることも多いです。ダニによるアレルギーはもちろん注意すべきですが、ダニに刺されることも同じくらいリスクがあります。刺された箇所が炎症を起こしたりアレルギー症状を起こしたりするおそれがあるため、注意が必要です。

また、カビもダニと同じような環境で繁殖しやすいです。ダニやカビの繁殖には湿度と栄養が必要ですが、畳はこれを同時に満たせる環境になっています。

畳についている染土(粉)

畳は、製造工程で「染土」という泥に浸して乾燥させています。この泥染めの加工の際に、畳の材料であるい草に粉が付着します。この粉が原因で、アレルギー症状が起こってしまうのです。

染土が原因のアレルギーを防止するには、染土を使わずにつくられた「無染土」の畳を敷くのが効果的です。

畳の防虫シート・防カビ剤

畳に使われる防虫シートや防カビ剤が、アレルギーを引き起こすことがあります。といっても近年では、こちらの症状が起こることは少ないです。

かつては防虫シートにフェニチオンなど、揮発性の高い成分が使われており、こうした物質がアレルゲンとなっていました。しかし近年ではホウ酸・炭・ヒノキなどに置き換わっていることが多く、アレルギーを引き起こすことも少なくなっています。

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畳で起こりうるアレルギーの予防策

畳に付着しているアレルゲンの多くは、日常の中の小さな行動を変えることで取り除くことができます。ここでは具体的に、畳のアレルギーを予防する方法を紹介していきます。

アレルゲンの徹底に取り除く

畳は構造上、ホコリやハウスダストが入り込みやすいです。そのため、日ごろからこまめに掃除を行い、アレルゲンを取り除きましょう。

畳の掃除では、ほうきが活躍します。室内用のほうきで畳の奥につまった異物をかきだすように掃いていきましょう。

ほうきが無い場合は、掃除機でも問題ありません。畳の目に沿って、1畳につき40秒~1分ほどかけて丁寧に掃除していきましょう。

ダニやカビの発生を防止

ダニやカビを防ぐには、発生・繁殖するような環境を作らないことに尽きます。例えば、い草以外の無機質素材を使用した、通気性の良い畳に張り替えることです。

現代家屋は湿気がこもりやすくダニが発生しやすいため、こうした畳はダニ・カビ対策に非常に有効です。

また、畳の表面の汚れをしっかり落とすのも大事です。加えて現代家屋は湿気がこもりやすい構造になっているため、意図的に換気を増やし、湿気を逃がすとダニ・カビ予防になります。

畳を掃除する際は、薄めたお酢を使いましょう。お酢を水で10倍に薄めたものを雑巾に染み込ませて畳を拭き、水分が残らないように乾燥させます。こうすると酢の殺菌作用で、カビの発生を防止することができます。

逆にやってはいけないことは、布団やじゅうたんを敷きっぱなしにすることです。敷きっぱなしだとカビやダニが発生しやすくなるため、ときどき畳を乾かすようにしましょう。除湿シートやすのこを使って、通気性をよくしてもOKです。

こうした布団やじゅうたんに限らず、クッションや座布団、お子さんのぬいぐるみなどにもダニが発生する可能性があります。畳以外のものにも掃除機をかけてダニを吸い取り、洗濯と天日干しを行いましょう。

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まとめ

和室の畳は掃除や手入れを怠ると、アレルギーの原因になるカビやダニが発生します。その他にも、畳についている染土の粉や、防虫剤などがアレルゲンになることも考えられます。

アレルギーは、体内に侵入した原因物質(アレルゲン)に対して体が過剰反応することで起こります。アレルゲンを取り除けば、アレルギー反応は起こりません。

こうしたアレルゲンを取り除くには、こまめな掃除と、ダニ・カビの発生対策が必要です。畳の汚れを落としたり、換気や除湿の機会を増やしたりして、アレルゲンが畳に付着しないよう心がけましょう。

加えて、リフォームする前に和室の専門家にアレルギーを予防する方法を相談してみましょう。金沢屋は全国300店舗展開しているため、最短即日でお話をお伺いできます。

相談内容によっては、アレルギーの原因となるダニを抑えるプラスチック畳を提案させていただきます。まずは気軽にご相談ください。