畳の上にカーペットを敷くのはNG?どうしても敷きたいときの注意点を解説

畳は長年使っていると経年劣化や日焼けで汚れてきます。汚れを防ぐため、またはその汚れを隠すためにカーペットを敷きたいと考えている方もいるのではないでしょうか。 しかし、畳の上にカーペットを敷くのはおすすめできません。今回は畳の上にカーペットを敷くのがNGな理由や、どうしてもカーペットを敷く必要がある場合の対応方法などについて解説します。

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畳の上にカーペットを敷くのはおすすめできない

畳を長く使っていて、ささくれたり汚れたりしてきたら、カーペットを敷いて隠したいと思うでしょう。しかし、冒頭でお伝えした通り、畳の上にカーペットを敷くのは基本的にNGです。畳の上にカーペットを敷くと、畳に悪影響を与えます。

まずは、畳の上にカーペットを敷くことで、どのような問題が起こるのかについてみていきましょう。

畳が傷みやすくなる

畳の上にカーペットを敷くと、畳が傷みやすくなります。カーペットの裏面の滑り止めが貼りついてしまい、剥がすときに畳表(たたみおもて)が傷つくことがあるのです。粘着性のあるタイルカーペットの場合は、粘着部分が畳表に残ってしまうこともあります。

特に新しい畳の場合は注意が必要です。新しいい草の畳は水分を多く含んでいるため、滑り止めや粘着部分が貼りつくだけでなく、カーペットの色が移ってしまい、色むらが生じてしまう場合があります。

湿気が溜まりやすい

畳の上にカーペットを敷くと、湿気が溜まりやすくなるという問題もあります。畳は本来、空気が乾燥しているときは水分を放出し、湿気が多いときは水分を吸収する性質をもっています。

しかし、カーペットを敷くと通気性が悪くなり湿気を逃せなくなるため、畳がもつ調湿機能が失われてしまうのです。また、畳に湿気が溜まると、下記のような問題が発生する可能性もあります。

カビが発生する

畳に湿気が溜まると、畳とカーペットにカビが生える可能性があります。カビが生えると見た目が悪くなるだけでなく、アレルギーを発症するリスクもあるので注意が必要です。

特に湿気が多くなる梅雨から夏にかけての時期はカビが発生しやすいので、カーペットを敷くのは避けたほうが良いでしょう。

ダニが繁殖する

畳に湿気が溜まると、ダニが繁殖するおそれもあります。畳とカーペットの間は、湿気が多く暗い場所を好むダニにとって理想的な環境です。また、こまめに掃除するのが難しく、ダニの餌になるホコリや髪の毛なども溜まりやすいので、どんどん繁殖してしまいます。

ダニが繁殖すると刺されて炎症を起こしたり、糞などを吸い込んでアレルギーを発症したりと、健康被害が出るおそれがあります。

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どうしても畳の上にカーペットを敷きたいなら

先述した通り、畳の上にカーペットを敷くと傷みやすくなったり、湿気が溜まってカビやダニが発生したりするため避けるのが賢明です。

しかし、ささくれや汚れがひどく、どうしてもカーペットを敷きたいという方もいるでしょう。そこで、畳の上に敷く場合に、どのようなカーペットを選ぶと良いのかを紹介します。

通気性の良い素材

カーペットを敷くことで畳に湿気が溜まってしまうので、毛足が短い薄手のカーペットがおすすめです。薄手のものなら湿気が溜まりにくく、カビの繁殖を少しでも防ぐことができます。

カーペットの裏面は、不織布やジュートなどの素材を選ぶようにしましょう。これらの素材は通気性が良いので、湿気が溜まりにくく、必要以上にカビを気にすることもありません。

また、思い切って裏地がついていない自然素材の敷物を選ぶのも良いでしょう。裏地がついていない分通気性が良いので、畳の上に敷くカーペットとしては申し分ありません。

防虫・防ダニ・抗菌機能

カーペットは、ダニや虫の温床にもなり得ます。そのためカーペットを敷く場合は、防ダニ加工や防虫加工が施された製品を選ぶのがポイントです。ダニやカビが発生しにくい環境を整えられます。

また、抗菌・抗ウイルス機能や消臭機能にも注目です。カーペットはこまめに洗濯することが少なく、気づいたら菌やウイルスが付着し、嫌な臭いも染みついているという状況もあるでしょう。そのような状況を防ぐためにも、抗菌の機能性が高い素材のものを選ぶことが大切です。

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畳の上にカーペットを敷いた後のお手入れ方法

畳の上にカーペットを敷いた後、そのまま放置しておくのはNGです。きちんとお手入れをしなければ、畳が傷んでしまいます。ここでは、畳の上にカーペットを敷いた後のお手入れ方法を紹介します。

定期的に掃除する

カーペットを敷いたあとは、定期的にカーペットに掃除機をかけることが大切です。ただ掃除するだけでなく、毛足を起こすようにすると、よりゴミやホコリが取れるので、長持ちさせられます。

定期的に掃除機をかけながら、数か月~半年に1回は、カーペットをはがして天日干しするのも忘れないようにしましょう。ついでの畳の上にも掃除機をかけると、より清潔な状態を保つことができます。

こまめに換気してカーペットの裏側を乾燥させる

カーペットを敷いている部屋は、こまめに窓を開けて空気を入れ替えることも大切です。風とおしを良くすると、カビやダニを防ぎやすくなります。

可能であれば、カーペットをめくって裏面にも風を当てましょう。難しい場合は、扇風機やエアコンの除湿運転を活用するのがおすすめです。とにかく換気を徹底し、湿気を取り除きましょう。

カビやダニは熱に弱いので、スチームアイロンや布団乾燥機で熱を加えるのも有効です。カビは60度以上、ダニは50度以上の熱を30分ほど当て続けると死滅するといわれています。

高温を長時間当て続けると畳が傷む可能性がありますが、スチームアイロンの蒸気は100度以上、布団乾燥機は高温設定で70度以上になるものが多く加熱時間が短くても効果が出ます。

カーペットを天日干しする

カーペットを定期的に天日干しすることも大切です。天日干しすることで溜まった湿気が乾燥するだけでなく、紫外線や熱でカビやダニの繁殖が抑えられます。

よく晴れた日の10時~14時ごろに2時間ほど干すのが理想です。ただし、夏は日差しが強いので1時間程度でもかまいません。反対に日差しが弱い冬は3時間ほど干したほうが良いでしょう。

カーペットを洗濯する

カーペットを洗濯すると、ダニの死骸や糞を除去できます。洗ってもダニが死滅するわけではありませんが、アレルギー予防に効果的です。

カーペットを完璧にお手入れしたいなら、洗濯後に乾燥機やスチームアイロンなどを使って高温で加熱すると良いでしょう。

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すでに畳自体が傷んでいるなら張り替えを検討しよう

今ある畳の汚れや傷みが気になってカーペットを敷きたいのであれば、隠すのではなく畳を張り替えるというのもひとつの方法です。カーペットを敷くと汚れや傷みは隠せますが、カビが発生したり、お手入れが必要だったりと手間もかかってしまいます。

畳の傷みが気になる場合、畳の張り替えではなく、和室から洋室へ変更する方もいます。畳をカーペット敷きやクッションフロアなどに変更すれば、今後畳の汚れや傷みを気にする必要はありません。

また、繊細でこまかめな手入れが必要とされるい草の畳ではなく、樹脂畳や和紙畳などペットに特化した畳へ変更のもおすすめです。樹脂畳や和紙畳は丈夫でお手入れもしやすいので汚れや傷みがあまり気になりません。

畳の張り替えなら「金沢屋」にお任せください。フローリングにするか、ほかの種類の畳に張り替えるかなど、今後のお部屋の使用目的に合わせて提案させていただきます。ぜひ一度「金沢屋」にご相談ください。

まとめ

畳の上にカーペットを敷くのは、基本的にはおすすめできません。畳が傷みやすくなったりダニやカビの発生につながったりなど、デメリットが目立つからです。どうしても敷きたい場合は、湿気がこもらないように換気したり、カーペットを天日干し・洗濯したり、定期的に掃除したりなど、お手入れが必要になります。

畳の汚れや傷みを隠したいという場合は、畳の張り替えや新調を検討してみてはいかがでしょうか。新調する場合、手入れのしやすい和紙畳や樹脂畳に替える選択肢も増えますし、いっそのこと和室をフローリングにするなどさまざまな方法があります。