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まずは畳掃除の基本を知っておこう
畳掃除は、掃除機やほうきを使ってゴミを取ったあと、表面を乾拭きして汚れを落とすのが基本です。
畳はデリケートな素材のため、掃除機や雑巾がけは、畳の目に沿って行います。畳の目に入り込んだ細かいゴミを、畳を傷めずに取り除けます。
このとき、畳の水拭きは控えましょう。畳は水に弱いうえ、水拭きをすると表面のコーティングが落ちてしまうことがあるためです。
また、畳を水拭きすると、湿気がこもってカビの原因にもなります。乾拭きで落ちない汚れの場合は、固く絞った雑巾で水拭きしましょう。その後、水分が残らないように乾拭きや換気をして、畳を乾燥させることが大切です。
おしっこによる畳のシミを取る方法
畳は水分に弱いため、おしっこがついてしまった場合、気づいた時点で早急に対応する必要があります。対応が早ければ早いほど、汚れが残らずに済むでしょう。
水分が多い場合には、シミにならないようまずは水分を吸い取ってください。ティッシュペーパーやキッチンペーパーで優しくポンポンと叩くようにするのがポイントです。ゴシゴシと擦るとかえって汚れが入り込んでしまうため注意しましょう。
溜まった水分を吸い取ったら、続いて塩・パウダー・小麦粉のいずれかを振りかけてさらに染み込んだ水分を取ります。そして歯ブラシやスポンジで畳の目に入り込んだ汚れをかき出したうえで、掃除機で吸い取ります。
仕上げに、固く絞った雑巾で拭いたあと、乾拭きして乾燥させてください。
畳についたアンモニア臭の除去に効果的な方法
畳のおしっこ汚れはシミだけでなく、おしっこに含まれるアンモニアによる臭いが残りやすい点にも注意が必要です。畳は水分を吸収しやすいため、中までおしっこが浸透して雑菌が発生し、さらに臭いがきつくなることも考えられます。
また、ペットの場合にはおしっこの臭いをそのままにしておくと、その場所をトイレと認識して再びおしっこをしてしまうことも少なくありません。マーキングをしている可能性もあるため、シミだけでなく臭いもしっかりと消すことが大切です。
畳についたアンモニア臭を取るには、熱湯・消毒用エタノール・クエン酸などが活用できます。
熱湯
ペットの粗相による臭いは、ほとんどの場合において熱湯で解決可能です。
おしっこをしてしまったら、まず新聞紙やペットシートなどに吸わせ、さらに小麦粉・ベビーパウダー・塩などに水分を吸わせます。その後熱湯を少しずつかけて、乾いた雑巾でよく拭き取ってください。
拭き取りを数回繰り返したあと、しっかり乾燥させます。乾燥が不十分だと、カビやダニの発生など別の不具合が発生することがあるので、注意しましょう。
消毒用エタノール
エタノールには、殺菌効果により消臭効果が望めます。おしっこの臭いが残っている部分にエタノールを吹きかけ、歯ブラシやスポンジでこすりましょう。
また、エタノールを染み込ませた雑巾でお手入れすると、表面のカビ予防効果も期待できます。
クエン酸
クエン酸は酸性なので、アルカリ性のアンモニアを中和できます。
臭いの残る部分にクエン酸を溶かした水をスプレーなどで吹きかけ、すぐに乾燥させましょう。雑菌の繁殖を防ぐ効果を期待できます。
クエン酸は酢でも代用可能です。ただし、お酢の臭いが残ることもあるので注意が必要です。
畳についたおしっこを掃除する際の注意点
畳についたおしっこを掃除する際、汚れや臭いを取ることも重要ですが、畳を傷めないようにすることも大切です。特に、以下に紹介する3点を注意しましょう。
強力な薬品は使用しない
畳のおしっこ汚れは、シミや臭いが残りやすく厄介です。しかし、臭いやシミを取りたいがあまりに強い薬品を使用すると、畳が傷んだり変色したりするおそれがあります。後々のことを考えるとおすすめはできません。
汚れが気になる際には、畳用の洗剤や中性洗剤などを使用しましょう。
水分を残さない
畳は、濡れたままにするとカビやシミができる原因になります。また、湿気が多くなることで、ダニが住み着きやすくなります。
カビやダニは温度約25℃、湿度約80%前後で発生リスクが高まります。おしっこの掃除に熱湯を使った場合には、特にリスクの高い環境となるので注意してください。
畳に水分を残さないようにしっかり乾拭きし、換気をして乾燥させましょう。
重曹は使わない
掃除に重曹を活用しているという家庭も多いかもしれませんが、畳の掃除に重曹を使用するのは避けましょう。
重曹はアルカリ性で、い草の繊維を黄色に変色させます。また、残った成分が黒い斑点の汚れになることもあるのです。
重曹でできた黄ばみやシミはクエン酸を使ってある程度は落とせますが、元通りにするのは難しく、落ちない汚れになってしまう可能性もあるので、注意しましょう。
シミや臭いが取れないなら畳の張り替えを検討しよう
ペットのおしっこの場合、一度でも汚れがついたら、マーキング防止のためにも完全に臭いを取り除くことが重要です。しかし、掃除をしてもどうしても臭いが取れないケースや、臭いは取れたもののシミが気になる方もいるでしょう。
どうしてもシミや臭いが取れない場合には、畳の交換が必要です。畳の交換には、裏返し・表替え・新調の3つの方法があるので、畳の使用年数や目的に応じて検討しましょう。
・裏返し
裏返しは、現在使用している畳表(たたみおもて)を裏返して再利用する方法です。畳表を剥がして裏返し、新しい畳縁(たたみべり)を使って張り直し、これまで使用していなかった面を使用します。
表面のシミが気になる程度であれば、裏返しで対応できる可能性が高いです。ただし、裏返しは畳表自体が傷んでいるとできません。5年以上使用していると、裏側も傷んでしまっています。長く使っている場合には、張り替えや新調がおすすめです。
・表替え
表替えは、畳の中心部である畳床(たたみどこ)はそのままで、畳表を張り替えるものです。畳縁も新しくなります。
シミや臭いが取れない畳も、表替えをすれば新品のような見た目になり、気持ち良く使えます。
・新調
新調は、畳そのものを新しくする方法です。畳を敷いて10年以上経過している場合には、畳床の劣化もあるので、新調を検討すると良いでしょう。
畳を張り替える際の費用相場
畳を張り替える際の費用相場は、畳のグレードによって異なります。目安は以下のとおりです。
・賃貸用 1帖 6,050円~
・普及品 1帖 8,250円~
・上級品 1帖 13,200円~
・メンテナンスフリー畳 1帖 16,500円~
また、業者によって別途作業費や交通費などがかかることもあるので、見積もり時には内訳を確認しましょう。
畳の張り替えはプロに相談しよう
おしっこの汚れや臭いが取れない、畳が変色してしまった場合には、畳の張り替えが有効です。とはいえ、自分で畳の張り替えを行うのは難しいと考える方も多いでしょう。そんな方は、プロへの依頼がおすすめです。
金沢屋は網戸・襖・障子・畳の張り替え専門店です。畳の張り替えや新調を検討している場合には、ぜひご相談ください。和室に関する悩みのご相談もワンストップで承っております。
まとめ
畳におしっこがついてしまった場合、シミや臭いの原因になるので、いち早く対処が必要です。畳は水分に弱いため、掃除のあとにはしっかりと水分を拭き取り、乾燥させましょう。
シミや臭いが残ってしまった場合には、畳の張り替えや新調の検討をおすすめします。