目次
和室に使われる砂壁とは
砂壁とは土壁や石膏ボードに糊液で表面に色を付けた砂を練ったものを上塗りして仕上げた壁です。和室に多く使われ、砂粒が表面に見える独特の風合いをもちます。
色砂に使われる素材の種類によって風合いが異なります。
・天然砂、砕石(着色や焼成する場合もあり)
・貝殻粉
・金属粉
・色ガラス粉
糊剤には、海藻(フノリ、ツノマタなど)の煮沸液やデンプン糊を用いますが、現在では合成樹脂が用いられることもあります。
砂壁のメリットは、自然の調湿作用があることです。また、有害物質や臭いを吸収する働きをもつため、シックハウス症候群やアレルギー対策にも良いとされています。石や土が原料なので、耐火性も高いです。
ただし、ホコリが溜まりやすいうえ衝撃や劣化で砂が落ちてくることもあるため、こまめに掃除する必要があります。傷に弱い点にも注意が必要です。
和室の砂壁をリフォームするタイミングの目安
砂壁をリフォームするタイミングは劣化が気になったときです。何もしていないのに自然に砂が剥がれ落ちてくる状態がひとつの目安になります。
砂壁のもつ調湿作用は砂によるものなので、砂が剥がれるようになると次第に湿度をコントロールできなくなります。カビやダニが発生するリスクにもつながるので注意が必要です。
砂壁には体に悪影響を及ぼす成分は含まれていませんが、剥がれた砂が口に入ることもあるかもしれません。特に小さなお子さまがいるご家庭では注意が必要になるでしょう。
和室の砂壁のリフォーム方法とその期間
和室の砂壁のリフォーム方法として、塗装、塗り替え、クロス貼りの3つがあります。それぞれのリフォーム内容とかかる期間について紹介します。
【3日前後】塗装
塗装には、砂壁を塗り直す方法と砂壁にペンキを上塗りする方法があります。
風合いや機能を維持したいなら塗り直しが良いでしょう。ペンキの上塗りのメリットは、雰囲気を大きく変えられることですが、砂壁本来の調湿性などは失われてしまいます。
施工期間はどちらも3日程度が目安となります。
【3日前後】塗り替え
現在使用している砂壁を剥がし、別の素材に塗り替える方法もあります。砂壁よりも高い調湿性をもつ、珪藻土や漆喰などを用いることが多いです。
塗り方によって表情がつけられる素材のため、雰囲気をリフレッシュしたい場合にもおすすめです。施工にかかる期間はこちらも3日程度です。
【1~2日】クロスを貼る
砂壁の表面を平らにしてから壁紙(クロス)を貼る方法もあります。デザインが豊富で、手軽に洋風テイストにできることから人気のあるリフォームです。
壁紙には防汚や防音加工がされているものもあり機能性をアップできます。しかし、砂壁が本来もつ調湿性などの機能は失われます。
クロスは、塗装を必要とするリフォームよりも施工期間がかからないことも魅力です。1〜2日程度でリフォームが完了します。
壁紙は砂壁の劣化がひどくなければ、下地処理した後に直接貼れます。しかし、劣化がひどい場合、ベニヤ板を打ち付けてから貼らなければならないため注意しましょう。
和室の砂壁のリフォームにかかる費用相場
和室の砂壁のリフォームにかかる費用相場を、6畳の和室を例に紹介します。
砂壁の塗り直しの場合、6万5,000円~10万円程度です。床の間がない場合には5万5,000円~7万5,000円程度と少し安くなります。
ペンキでの塗装の場合は、10万円以下で済むでしょう。漆喰や珪藻土に塗り替える場合は少し費用が増え、7〜13万円程度になります。
砂壁の上からクロスを貼る場合の相場は、普及品で10〜15万円程度です。高機能な壁紙を使用する場合には費用が上がります。
和室の砂壁を自分でリフォームする方法
和室の砂壁は自力でのリフォームも可能です。必要な道具や施工手順を簡単に紹介します。
必要な道具を用意する
砂壁のリフォームには、下準備として現在の砂壁の砂を落とし、シーラーで下地を調整しなければなりません。リフォーム方法を問わず、以下の道具が必要です。
・養生道具(マスカー、マスキングテープ、シート・新聞紙など)
・砂を落とすブラシやほうき
・下塗り材(シーラー)
・下塗り用の刷毛
・材料を入れる容器
・補修用パテ(下地にひびがある場合)
・ゴム手袋 など
また、リフォーム方法に応じた材料や道具も用意しておきましょう。以下は道具の一例となります。
【塗装】
・仕上げ用塗料
・ハケ
・塗装用ローラー
【砂壁・漆喰・珪藻土の塗り替え】
・壁材
・コテ
・バケツ
・撹拌機
【クロス貼り】
・壁紙
・壁紙用のり(必要に応じて)
・撫でハケ
・ヘラ・地ベラ
・ジョイントローラー
塗装開始前の下準備を行う
砂壁の塗装を始める前に行う下地調整の手順を紹介します。下準備はあとの仕上がりにも影響するので丁寧に行いましょう。
1.部屋が汚れないよう養生道具で周囲を保護します。広い部分はマスカー、細かな部分はマスキングテープが便利です。
2.砂壁の砂をブラシで落としていきます。
3.ひび割れがある場合には補修用パテで埋め、下塗り材(シーラー)を塗ります。シーラーの乾燥には3時間程度必要です。しっかりと乾いてから次の工程に進みましょう。
方法別の手順に沿って作業する
下地の調整が終わったら、塗りに入ります。リフォーム方法別に手順を紹介します。
塗装する場合
塗装の場合は、中塗り・上塗りの2回塗りを行います。
1.仕上げ用塗料で、端の部分をハケで塗ります。
2.続いて、ローラーを使って広い面を塗っていきます。
塗装が乾燥したら、もう一度同じように繰り返してください。
砂壁・漆喰・珪藻土を使用する場合
砂壁・漆喰・珪藻土を用いて壁を塗り替える場合は、コテで壁材を塗り広げていきます。
1.下塗り後、コテに壁材を載せ、下から上へと平らに塗ります。
2.必要に応じて2回塗ります。
漆喰や珪藻土で模様をつけたい場合には、2回目の塗装の際か1回目の塗装が乾く前に行うのがポイントです。
壁紙に張り替える場合
1.壁紙を施工部分より一回り大きくカットし、裏にのりを付けます。のり付きの場合は剥離紙を剥がします。
2.撫でハケという道具で内部の空気を押し出しながら、隙間やよれが出ないように貼ります。端の部分は、へらで押さえながら余分な部分をカットして仕上げましょう。
3.2枚目を継ぐ場合には、重ねて貼ってカットしたあと、ローラーで継ぎ目を圧着します。
【和室の砂壁】リフォームを業者に依頼するなら「金沢屋」がおすすめ
砂壁のリフォームはDIYでも可能ですが、下地処理などに多くの手間がかかります。また、DIY経験が少ない場合は、失敗のリスクもあるでしょう。
美しく仕上げたいなら業者への依頼がおすすめです。砂壁のリフォームは難易度が高いため、施工実績が豊富な業者に依頼しましょう。
業者に依頼するときは、費用を明確にするために見積もりを取ることが重要です。
砂壁をはじめ和室のリフォームを検討しているなら、襖・障子・網戸・畳の張り替えの専門店「金沢屋」へご相談ください。砂壁のメンテナンスをはじめ、和室の畳や襖の修理・リフォームもワンストップで提供しています。
無料で出張見積もりを行い、最適なプランをご提案いたしますので、リフォーム方法に悩んでいる方はお気軽にお問い合わせください。
まとめ
砂壁は劣化してくると砂が自然と落ちてくるようになり、魅力である調湿性も失われていきます。砂壁のリフォームには、塗装と壁の塗り替え、クロスの上貼りなどの方法がありますが、いずれも砂落としや下地の調整が必要です。DIYで施工することも可能ではありますが、簡単ではないため美しく仕上げるならプロに依頼することをおすすめします。