畳の張り替え時期の目安は?かかる費用や種類ごとの料金相場を解説

畳を長期間使い続けていると、凹みや傷、汚れなどが気になってくるものです。しかし、どのタイミングで張り替えるべきなのか、張り替えにいくらかかるのかと悩む人も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、畳を張り替えるタイミングや料金相場、張り替えの際に押さえておきたいポイントなどを解説します。

この記事は約8分で読み終わります。

畳の張り替え時期の目安

畳の張り替えには「裏返し」「表替え」「新調」の3種類があり、張り替え方法によって時期の目安が異なります。

張り替え方法

概要

張り替え時期の目安

裏返し

現在張られている畳表(たたみおもて)を裏返して再利用する

使用開始から2~3年程度経過したとき

※国産最高級畳は3~5年程度

表替え

畳表と畳縁(たたみべり)を新しいものに変える

裏返しから最長5年経過したとき

新調

畳を丸ごと新しいものに変える

使用開始から10~20年程度経過したとき

※畳床(たたみどこ)の寿命が10~20年程度のため

それぞれの張り替え方法について、さらにくわしく見ていきましょう。

【畳を裏返しする場合】2~5年程度

現在張られている畳表を取り外し、裏返してキレイな面を使用する「裏返し」は擦れてできた傷や日焼けが目立つ畳に適した張り替え方法です。

通常の畳は使用開始から2~3年、耐久性が高い国産の最高級畳は使用開始から3~5年を目安に裏返しを行います。

裏返しで重要なのは、畳の使用開始からどれくらいの期間が経っているかです。裏返しができる期間は短く、使用開始から5年以上経過すると畳表が傷みすぎていて、裏返しができない可能性があります。

裏返しができるかどうかを自己判断するのは難しいので、業者に依頼して畳の状態を見てもらったほうが良いでしょう。

【畳を表替えする場合】5年程度

畳表と畳縁を新しいものに取り替える「表替え」は、過去に裏返ししてから5年以上経過している畳に適しています。5年という期間は、あくまで目安です。裏返しをしていない場合には、使用開始から4~8年程度を目安としてください。

い草が衣服に付着したり、畳表の光沢がなくなったりしている場合は、表替えしたほうが良いでしょう。

表替えをすると見た目は新品同様になりますが、畳床は交換しないため畳の踏み心地は変化しません。畳を踏んだときにフカフカした感触がするなどの場合は、畳床から交換する必要があります。

【畳を新調する場合】10~15年程度

畳の凹みやダニが気になるときや、部屋の雰囲気を一新したいときなどは、畳を新調すると良いでしょう。畳の使用開始から10~15年ほど経ち、畳床が寿命を迎えるくらいの時期が新調の目安です。

畳床も含め、畳を丸ごと新しくするので、見た目はもちろん踏み心地や香りも大きく変化します。

目次へ

畳の張り替えにかかる料金相場

畳の張り替えにかかる費用は、張り替え方法や畳のグレード、部屋の広さ、畳の枚数などによって大きく異なります。張り替え費用の相場は、以下のとおりです。

張り替え方法

費用相場(1畳あたり)

裏返し

4,000円~

表替え

5,000~20,000円

新調

10,000円~35,000円

仮に6畳の畳をすべて表替えするとしたら、3万~12万円程度の費用がかかります。8畳の畳をすべて新調する場合、かかる費用は8万~28万円程度です。

なお、これらの費用とは別に、作業代や交通費、畳の処分費用などもかかります。費用に不安を感じる場合は、事前に見積りを出してもらうと良いでしょう。

畳の張り替え費用は種類によって変わる

畳の張り替え費用は、種類やグレードでも大きく変動します。パーツごとの価格の考え方を知っておきましょう。

畳表の種類

畳表とは、畳の表面のゴザ部分を指します。畳の1番外側にあり、もっとも劣化しやすいパーツです。畳表はJAS規格によって、1等(高)~3等(低)の3種類に品質がランク分けされています。

等級が決まるポイントは、生産地・素材・繊維の本数などです。国産か中国産か、い草を織り込む経糸が綿か麻か、繊維が何本折り込まれているかなどによって、各等級に振り分けられます。

経糸に麻を使用していて折り込まれている繊維の本数が多い、国産の畳表はランクが高く、価格も高めです。一般住宅では2等の畳表が使用されることが多いため、どの畳表にするか悩んだら2等を選ぶと良いでしょう。

畳床の種類

畳床とは、畳の中心部にある芯の役割を果たすパーツです。わら床・わらサンド・建材床の3種類があります。

わら床は昔から畳床に使用されてきた素材で、調湿・保温機能をもつのが特徴です。弾力性があり踏み心地が良いメリットもありますが、天然素材なので適切に手入れしないとダニやカビが発生することがあります。価格も3種類のなかでは高めです。

わらサンドは、わらの間にポリスチレンフォームが挟まれている畳床です。軽くて扱いやすく、湿気にも強いのが魅力です。わら床と比較すると、価格も抑えられます。

建材床はポリスチレンフォームや木材繊維を使用した畳床です。3種類のなかでもっとも安価で、わら床よりもダニが発生しにくいメリットがあります。

価格の安さや手入れのしやすさなどから広く普及している畳床ですが、踏み心地が悪く、耐久性が低い点がデメリットです。

畳縁の種類

畳縁とは、畳の横側に縫い付けられている布のことです。麻・綿・化学繊維など、使用されている素材はさまざまで、業者によっては豊富なデザインから好みのものを選べます。

最近では正方形で畳縁がない「琉球畳」も人気がありますが、畳縁がある畳よりも価格は高めです。

目次へ

畳を張り替えるときの3つのポイント

どの張り替え方法で行うにしても、畳の張り替えには費用がかかります。せっかくお金をかけたのにもかかわらず、後悔したりトラブルが起きたりしないよう、畳を張り替えるときのポイントを知っておきましょう。

極端に安い畳は避ける

畳を張り替えるときに押さえておきたいポイントのひとつが、極端に安い畳は避けることです。畳には安価なものから高級品まで、さまざまなグレードのものが存在します。

畳を比較していると費用を抑えたいと思い、ついつい価格が安い畳を選びたくなる人もいるでしょう。しかし、極端に安い畳は耐久性が低かったり、肌触りが悪かったりすることがあります。

張り替えた畳がすぐに傷んでしまう事態を防ぐためにも、耐久性や肌触りを確認して、質の良い畳を選ぶようにしましょう。

新調する場合は処分費がかかる

畳を新調する際には古い畳の処分費用がかかることも、畳を張り替えるときに押さえておきたいポイントです。処分費用は業者によって異なりますが、1枚あたり1,000~2,000円前後が目安です。

処分費用を知らず、請求額に驚かないように、畳を新調するときには見積りの金額に処分費用が含まれているかを確認することが大切です。

賃貸の場合、費用が大家負担になることもある

賃貸物件の場合、畳の張り替え費用が大家負担になる可能性があります。経年劣化や入退去時の畳の交換費用は、大家負担になることが多いでしょう。

タバコの灰や食べ物を落としたり、掃除をサボってカビが発生してしまったりなど、自分の過失で畳を汚してしまった場合、状況によっては借主負担になるケースもあります。畳の張り替えを依頼する前に、賃貸契約書を確認しましょう。

畳の張り替えはどこで依頼できる?

畳の張り替え費用を抑えるために、自力で張り替えできないかと考える人もいるのではないでしょうか。しかし、DIYでの畳の張り替えは避けたほうが良いでしょう。

畳の張り替えには工具や専門知識が必要で、素人が無理に張り替えると失敗するリスクが高いからです。裏返しや表替えで使い続けられるはずの畳が傷んでしまって新調することになり、かえって費用がかさむ可能性もあります。

また、畳は重量があるので持ち上げる際に怪我をするかもしれません。無理に自力で張り替えるよりも、業者に張り替えを依頼するのが安心です。

とはいえ、どこで畳の張り替えが依頼できるのかがわからない人もいるのではないでしょうか。そこで、畳の張り替えを依頼する方法を紹介します。

ホームセンター

畳の張り替えを依頼する選択肢のひとつがホームセンターです。畳を販売する以外に、畳の張り替えサービスを提供するホームセンターもあります。

電話やホームページなどから見積りを依頼しなくても、店舗に行けば気軽に相談できるのが魅力です。値段が安い畳の取り扱いが多いので、畳の張り替え費用も抑えやすいでしょう。

ただし、ホームセンターの畳の張り替えサービスは、ホームセンターのスタッフが対応するのではなく、外部の畳の専門業者に委託することが多い点に注意が必要です。

張り替え作業を外部委託しているホームセンターに依頼した場合、仲介手数料が発生する可能性があります。

畳・張り替え専門店

より質の高いサービスを求めるなら、畳・張り替え専門店に依頼するのがおすすめです。専門店ならではの専門スキルと知識で、適切に畳を張り替えてもらえます。

取り扱っている畳の種類が多く、価格の幅も広いため、希望に合った畳が見つかりやすいのもメリットです。張り替え以外の畳の悩みなどについても相談しやすいでしょう。

どの専門店に依頼するか迷ったら、ぜひ襖・障子・網戸・畳の張り替え専門店金沢屋にご依頼ください。裏返し・表替え・新調のすべての張り替え方法に経験豊富な職人がしっかり対応します。

畳だけでなく、襖や障子など和室の内装をまとめてメンテナンスすることも可能です。最適な張り替え方法や畳の種類について、プロの目線からご提案します。まずはお気軽にご相談ください。

目次へ

まとめ

畳の張り替えのタイミングは、張り替え方法によって異なります。また、張り替えにかかる費用も張り替え方法や畳のグレードなどによって変わるため、まずは業者に相談してみるのが賢明です。

DIYで張り替えると、キレイに張り替えられなかったり失敗したりする可能性が高いため、自力での張り替えは避けましょう。

畳の張り替えはホームセンターや畳・張り替え専門店などで依頼できますが、サービスの質の高さを求めるなら、畳・張り替え専門店に依頼するのがおすすめです。

専門店ならではの豊富なスキルと知識で、最適な張り替え方法や畳のグレードなどを提案してもらえるでしょう。