畳の張り替え時期はいつが目安?張り替え費用や種類別の料金相場を解説

畳を長期間使い続けていると、凹みや傷、汚れなどが気になってくるものです。しかし、どのタイミングで張り替えるべきなのか、張り替えにいくらかかるのかと悩む人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、畳を張り替えるタイミングや料金相場、張り替えの際に押さえておきたいポイントなどを解説します。

この記事は約10分で読み終わります。

畳の張り替え時期の目安

畳の張り替えには「裏返し」「表替え」「新調」の3種類があり、張り替え方法によって時期の目安が異なります。

張り替え方法

概要

張り替え時期の目安

裏返し

現在張られている畳表(たたみおもて)を裏返して再利用する

使用開始から2年~3年程度経過したとき
※国産最高級畳は3年~5年程度

表替え

畳表と畳縁(たたみべり)を新しいものに変える

裏返しから最長5年経過したとき

新調

畳を丸ごと新しいものに変える

使用開始から10年~20年程度経過したとき
※畳床(たたみどこ)の寿命が10~20年程度のため

それぞれの張り替え方法について、さらにくわしく見ていきましょう。

【畳を裏返しする場合】2年~5年程度

現在張られている畳表を取り外し、裏返してキレイな面を使用する「裏返し」は擦れてできた傷や日焼けが目立つ畳に適した張り替え方法です。

通常の畳は使用開始から2年~3年、耐久性が高い国産の最高級畳は使用開始から3年~5年を目安に裏返しを行います。

裏返しで重要なのは、畳の使用開始からどれくらいの期間が経っているかです。裏返しができる期間は短く、使用開始から5年以上経過すると畳表が傷みすぎていて、裏返しができない可能性があります。

裏返しができるかどうかを自己判断するのは難しいので、業者に依頼して畳の状態を見てもらったほうが良いでしょう。

【畳を表替えする場合】5年程度

畳表と畳縁を新しいものに取り替える「表替え」は、過去に裏返ししてから5年以上経過している畳に適しています。5年という期間は、あくまで目安です。裏返しをしていない場合には、使用開始から4年~8年程度を目安としてください。

い草が衣服に付着したり、畳表の光沢がなくなったりしている場合は、表替えしたほうが良いでしょう。

表替えをすると見た目は新品同様になりますが、畳床は交換しないため畳の踏み心地は変化しません。畳を踏んだときにフカフカした感触がするなどの場合は、畳床から交換する必要があります。

【畳を新調する場合】10年~15年程度

畳の凹みやダニが気になるときや、部屋の雰囲気を一新したいときなどは、畳を新調すると良いでしょう。畳の使用開始から10年~15年ほど経ち、畳床が寿命を迎えるくらいの時期が新調の目安です。

畳床も含め、畳を丸ごと新しくするので、見た目はもちろん踏み心地や香りも大きく変化します。

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【前提知識】畳の張り替え費用はパーツの種類によって変わる!

畳の張り替え費用は、畳のどのパーツを替えるかによって変動します。具体的には、畳表面のゴザ部分である「畳表」、畳の中心部にある芯の役割を果している「畳床」、畳の縁に縫い付けられている布部分の「畳縁」が該当します。

各パーツの種類を確認していきましょう。

畳表の種類

畳表とは、畳の表面のゴザ部分を指します。畳の1番外側にあり、もっとも劣化しやすいパーツです。畳表はJAS規格によって、1等(高)~3等(低)の3種類に品質がランク分けされています。

等級が決まるポイントは、生産地・素材・繊維の本数などです。国産か中国産か、い草を織り込む経糸が綿か麻か、繊維が何本折り込まれているかなどによって、各等級に振り分けられます。

経糸に麻を使用していて折り込まれている繊維の本数が多い、国産の畳表はランクが高く、価格も高めです。一般住宅では2等の畳表が使用されることが多いため、どの畳表にするか悩んだら2等を選ぶと良いでしょう。

畳床の種類

畳床とは、畳の中心部にある芯の役割を果たすパーツです。わら床・わらサンド・建材床の3種類があります。

わら床は昔から畳床に使用されてきた素材で、調湿・保温機能をもつのが特徴です。弾力性があり踏み心地が良いメリットもありますが、天然素材なので適切に手入れしないとダニやカビが発生することがあります。価格も3種類のなかでは高めです。

わらサンドは、わらの間にポリスチレンフォームが挟まれている畳床です。軽くて扱いやすく、湿気にも強いのが魅力です。わら床と比較すると、価格も抑えられます。

建材床はポリスチレンフォームや木材繊維を使用した畳床です。3種類のなかでもっとも安価で、わら床よりもダニが発生しにくいメリットがあります。

価格の安さや手入れのしやすさなどから広く普及している畳床ですが、踏み心地が悪く、耐久性が低い点がデメリットです。

畳縁の種類

畳縁とは、畳の横側に縫い付けられている布のことです。麻・綿・化学繊維など、使用されている素材はさまざまで、業者によっては豊富なデザインから好みのものを選べます。

最近では正方形で畳縁がない「琉球畳」も人気がありますが、畳縁がある畳よりも価格は高めです。

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【工法別】畳の張り替えにかかる費用・施工期間

畳の張り替えにかかる費用や施工期間は工法によって異なります。前述した「裏返し」「表替え」「新調」、それぞれの費用相場と施工期間の目安を紹介します。

工法

費用相場(1畳あたり)

施工期間

裏返し

約4,000円

1日

表替え

約5,000円〜20,000円

1日

新調

約10,000円〜35,000円

2日~10日ほど

上記の費用とは別に、作業代や交通費、畳の処分費用などがかかることもあります。

それでは、それぞれの工法別の畳の張り替えにかかる費用、施工期間を確認しましょう。

畳を裏返しする場合

既存の畳表を裏返して再利用する「裏返し」は、畳縁をはがし、畳床に固定している糸を外す作業がともなうため、側面の畳縁は新しく交換することになります。使用期間が5年以内で、擦れたり日焼けしたりしてきた畳に適した工法です。

裏返しの費用は、1畳あたり約4,000円と、畳の張り替え工法のなかで最もリーズナブルです。また、施工期間は1日で完了することが多いので、費用だけでなく施工にかかる期間も最短で済みます。昔はその場で畳の張り替え作業を行うことが一般的でしたが、近年は業者が畳を工場に持ち帰って作業し、完了後に返されるケースが主流です。

畳を表替えする場合

畳表と畳縁を新しくする「表替え」の場合、畳床は既存のものをそのまま利用するため、畳を踏んだときの感触や使い心地が変わらない特徴があります。すでに裏返しをしてある畳や、5年以上使用していてささくれ立ったい草が目立つ場合は、表替えを検討しましょう。

表替えの費用は、1畳あたり約5,000円~20,000円ですが、畳表のグレードによって費用は変動するので注意しましょう。戸建て用とマンション用で種類の異なる畳のうち、マンション用の畳は低価格で済むケースが多数です。張り替えにかかる期間は、裏返し同様ほとんどの場合1日で完了します。

畳を新調する場合

畳表・畳床・畳縁のすべてを新しくする「新調」は、畳が完全に生まれ変わり、見た目も感触も香りも一新されます。10年~15年ほど使用した畳や畳の凹みが気になる場合などには、新調が適した工法です。

新調の費用は、1畳あたり約10,000円~35,000円ですが、畳表・畳床・畳縁のグレードによって費用が大きく異なる場合があるので注意しましょう。新調する場合、まず既存の畳を業者が採寸して、その後新しい畳が完成してから入れ替えるという流れになるため、施工期間は、おおよそ2日~10日程度かかります。

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畳を張り替えるときの4つのポイント

どの張り替え方法で行うにしても、畳の張り替えには費用がかかります。せっかくお金をかけたのにもかかわらず、後悔したりトラブルが起きたりしないよう、畳を張り替えるときのポイントを知っておきましょう。

極端に安い畳は避ける

畳を張り替えるときに押さえておきたいポイントのひとつが、極端に安い畳は避けることです。畳には安価なものから高級品まで、さまざまなグレードのものが存在します。

畳を比較していると費用を抑えたいと思い、ついつい価格が安い畳を選びたくなる人もいるでしょう。しかし、極端に安い畳は耐久性が低かったり、肌触りが悪かったりすることがあります。

張り替えた畳がすぐに傷んでしまう事態を防ぐためにも、耐久性や肌触りを確認して、質の良い畳を選ぶようにしましょう。

新調する場合は処分費がかかる

畳を新調する際には古い畳の処分費用がかかることも、畳を張り替えるときに押さえておきたいポイントです。処分費用は業者によって異なりますが、1枚あたり1,000円~2,000円前後が目安です。

処分費用を知らず、請求額に驚かないように、畳を新調するときには見積りの金額に処分費用が含まれているかを確認することが大切です。

賃貸の場合、費用が大家負担になることもある

賃貸物件の場合、畳の張り替え費用が大家負担になる可能性があります。経年劣化や入退去時の畳の交換費用は、大家負担になることが多いでしょう。

タバコの灰や食べ物を落としたり、掃除をサボってカビが発生してしまったりなど、自分の過失で畳を汚してしまった場合、状況によっては借主負担になるケースもあります。畳の張り替えを依頼する前に、賃貸契約書を確認しましょう。

新素材畳への張り替えも検討する

ここまで「い草畳」について解説してきましたが、最近は用途に合わせて選べる機能性が高い新素材畳を検討する方も増えています。新素材畳には「い草の香りがしない」「費用が高い」などのデメリットもある一方、い草畳にはないメリットが多数あります。

ここでは、最近注目されている新素材畳を紹介します。

和紙畳

和紙をこより状に巻き、樹脂でコーティングして作られた「和紙畳」は、豊富なカラーバリエーションがあり、耐久性が高いという特徴をもっています。好みの色を選んで和風モダンな雰囲気を作れるため、インテリアを楽しめる意味でも注目されている素材です。また、床暖房に対応している和紙畳も多くあります。

和紙畳は、い草畳に比べると値段が高いというデメリットがあります。しかし、耐久性が高くメンテナンス費用を抑えられる点を考慮すれば、トータルコストは抑えられる可能性があります。

ビニール畳

「ビニール畳」は、い草の畳よりもカラーの種類や機能性のバリエーションが豊富です。自分の部屋に合った畳を選んでインテリアを楽しむことができます。

また、水や油に強いという特徴があり、水拭きや洗剤を使用しての拭き掃除ができるため、メンテナンス性に優れている点も魅力的です。

一般的ない草の畳が1畳あたり約7,500円であるのに対して、ビニール畳は1畳あたり約15,000円と、2倍ほど高価です。ただし、耐久性が高いため、使用できる期間を考えればコストパフォーマンスは悪くありません。

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畳の張り替えはどこで依頼できる?

畳の張り替え費用を抑えるために、自力で張り替えできないかと考える人もいるのではないでしょうか。しかし、DIYでの畳の張り替えは避けたほうが良いでしょう。

畳の張り替えには工具や専門知識が必要で、素人が無理に張り替えると失敗するリスクが高いからです。裏返しや表替えで使い続けられるはずの畳が傷んでしまって新調することになり、かえって費用がかさむ可能性もあります。

また、畳は重量があるので持ち上げる際に怪我をするかもしれません。無理に自力で張り替えるよりも、業者に張り替えを依頼するのが安心です。

とはいえ、どこで畳の張り替えが依頼できるのかがわからない人もいるのではないでしょうか。そこで、畳の張り替えを依頼する方法を紹介します。

ホームセンター

畳の張り替えを依頼する選択肢のひとつがホームセンターです。畳を販売する以外に、畳の張り替えサービスを提供するホームセンターもあります。

電話やホームページなどから見積りを依頼しなくても、店舗に行けば気軽に相談できるのが魅力です。値段が安い畳の取り扱いが多いので、畳の張り替え費用も抑えやすいでしょう。

ただし、ホームセンターの畳の張り替えサービスは、ホームセンターのスタッフが対応するのではなく、外部の畳の専門業者に委託することが多い点に注意が必要です。

張り替え作業を外部委託しているホームセンターに依頼した場合、仲介手数料が発生する可能性があります。

畳・張り替え専門店

より質の高いサービスを求めるなら、畳・張り替え専門店に依頼するのがおすすめです。専門店ならではの専門スキルと知識で、適切に畳を張り替えてもらえます。

取り扱っている畳の種類が多く、価格の幅も広いため、希望に合った畳が見つかりやすいのもメリットです。張り替え以外の畳の悩みなどについても相談しやすいでしょう。

どの専門店に依頼するか迷ったら、ぜひ襖・障子・網戸・畳の張り替え専門店「金沢屋」にご依頼ください。裏返し・表替え・新調のすべての張り替え方法に経験豊富な職人がしっかり対応します。

畳だけでなく、襖や障子など和室の内装をまとめてメンテナンスすることも可能です。最適な張り替え方法や畳の種類について、プロの目線からご提案します。まずはお気軽にご相談ください。

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まとめ

畳の張り替えのタイミングは、張り替え方法によって異なります。また、張り替えにかかる費用も張り替え方法や畳のグレードなどによって変わるため、まずは業者に相談してみるのが賢明です。

DIYで張り替えると、キレイに張り替えられなかったり失敗したりする可能性が高いため、自力での張り替えは避けましょう。

畳の張り替えはホームセンターや畳・張り替え専門店などで依頼できますが、サービスの質の高さを求めるなら、畳・張り替え専門店に依頼するのがおすすめです。

専門店ならではの豊富なスキルと知識で、最適な張り替え方法や畳のグレードなどを提案してもらえるでしょう。