置き畳のメリット・デメリットって?選び方のポイントを解説

フローリング部屋への置き畳の購入を検討している方もいるでしょう。購入後の手入れや使用感などメリットやデメリットを知ることで、比較検討しやすくなります。 部屋の雰囲気を壊さず、畳の良さを取り入れるために、置き畳のメリットとデメリットについて紹介します。

この記事は約7分で読み終わります。

置き畳(ユニット畳)とは?

 

置き畳はユニット畳やシステム畳とも呼ばれ、正方形でフローリングに置きたいスペース分だけ敷ける畳のことを示します。

置き畳は、一般的な畳に比べてサイズやデザインが豊富です。琉球畳を置き畳と呼ぶ人もいますが、厳密には異なります。琉球畳と置き畳の違いは以下のとおりです。

【琉球畳】

・「七島イ(しちとうい)」という植物を使用している

・素材が丈夫で特殊な織り込み方のため、へりがついていない

・厚みが約60mm

・ザラザラとした質感だが、使い続けるとやわらかい質感に変化する

・部屋ごとに職人による畳の微調整が必要

【置き畳】

・畳表(たたみおもて)は、七島イ以外に、い草や和紙、ポリプロピレンなどを原料としている

・厚みが約15~30mm程度しかないため軽い

・裏面に滑り止めの加工がされている

どちらも正方形であることから、混同しやすいですが、上記のように琉球畳と置き畳には異なる部分があります。

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置き畳(ユニット畳)のメリット・デメリット

 

置き畳のメリットとデメリットについて紹介します。

置き畳のメリット

置き畳のメリットは、どのような部屋でも畳を楽しめることです。フローリングの部屋でも本格的な畳の雰囲気を作れます。

置き畳はフローリングの部屋に並べて敷くだけなので、誰でも簡単に設置できます。置き畳の重さも約2~3キロなので、持ち運ぶのにも負担がかかりません。

また、置き畳は適度なクッション性や抗菌作用があるため、子どもに優しく、保育園で使用されることが多いです。い草の内側がスポンジ形状になっているので、子どもが転んでもケガのリスクを回避できます。子どもが走り回っても防音対策になるのもメリットのひとつです。

置き畳の内部にある適度な空気が、断熱性を発揮します。い草でできていることが多い置き畳は、調湿性にも優れており、湿度の高い時期は湿気を吸収し、乾燥時には湿気を保つため、快適に過ごせるでしょう。

置き畳にはい草、和紙のほかに樹脂などさまざまな素材が使われています。その中でも置き畳にい草が使われている場合、い草の香りによるリラックス効果が期待できます。い草には消臭効果もあるため、不快な臭いを取り除き、い草の良い香りを楽しめるでしょう。

置き畳のデメリット

置き畳のデメリットは、値段が高いことです。置き畳は素材によっても金額が異なるため、組み立てて使うジョイントマットなどと比較するとどうしても価格帯が高くなってしまいます。

また、カビやダニが発生しやすいため、注意が必要です。置き畳は吸湿性があるため、雨の日など湿度が高い日は、湿気を吸収しやすくなります。湿度が高くなると、カビやダニにとっては好条件です。

フローリングの場合、飲み物をこぼしても簡単に拭き取れます。しかし、置き畳はしっかりと拭き取らないとカビが発生しやすくなるので気をつけましょう。

さらに、置き畳はズレやすく、掃除がしづらいのもデメリットのひとつです。フローリングとの相性が悪いときは、置き畳の滑り止めが機能せず、子どもが走りまわっているときに置き畳がズレてしまう場合があります。

置き畳を移動させながら掃除するときは、フローリングを傷つけないように取り扱いに注意しなければなりません。フローリングの表面には、凹凸がなく掃除がしやすいですが、置き畳には凹凸があるため、ゴミやホコリが溜まりやすく掃除しにくいのも難点です。

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置き畳のお手入れ方法や張り替えの時期

 

置き畳にも寿命があります。張り替えの時期やお手入れの方法について解説します。

掃除やメンテナンス方法

置き畳を掃除するときは、畳の目にそって優しく掃除機をかけた後に、雑巾で乾拭きをしましょう。水拭きすると畳に水分が吸収されてしまうため、カビやダニの原因となりかねません。

カビが発生した場合は、アルコールや漂白剤で早めに拭き取ることが大切です。長持ちさせるために、畳の上に絨毯やカーペットを敷かないようにしましょう。また、定期的に置き畳を外に持ち運び、晴れた日に天日干しして乾燥させることもおすすめです。

置き畳の寿命と張り替え時期

置き畳は、5年程度を目安に取り替えるのがおすすめです。い草などの自然素材が使われている場合は、長年使っていると傷や色味が気になります。また、畳の香りや調湿性などが失われることで、張り替えを検討したくなるかもしれません。

とはいえ、和紙製の置き畳は変色しにくく、耐久性が高いため、い草で作られたものよりも寿命は長いです。

製品によっては、畳表を張り替えられるものもあるので、購入前に調べておくと張り替えがスムーズです。張り替えられない置き畳は、使い捨てになってしまいます。その分、値段が安く持ち運びもしやすいので、汚れが気になるときは気軽に交換できます。

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置き畳の選び方のポイント

 

置き畳は、部屋の広さや雰囲気に合わせてさまざまなサイズやデザインを選べます。ここでは、置き畳の種類やポイントを紹介します。

置き畳の素材の種類で選ぶ

置き畳の種類は、大きく分けて3つあります。それぞれの特徴について見ていきましょう。

【い草の素材】

い草は、一般的な畳に馴染みのある素材です。い草本来の香りを楽しめます。い草には、抗菌作用や調湿性があり空気をキレイにする役割もあります。産地や本数によって値段や品質が異なるため、予算や目的に合わせて選びましょう。

【和紙の素材】

畳表に和紙を使用した置き畳です。カラーの種類が多く、耐久性や防水性の高さが特徴です。い草のように日焼けを気にせず使用できます。

和紙の素材は汚れや傷に強いので、お手入れが簡単です。国産だと高品質・高価格なものが多く、防ダニ・防カビ性に優れているため、人気が高いです。

【化学表・ポリプロピレンの素材】

化学表の畳は、ポリプロピレンなどの化学製品で作られた置き畳です。化学表の素材には、耐久性や防水性が高いものや、ダニやカビを予防できるものがあります。

日焼けや変色しにくい特長があり長持ちします。リーズナブルなのが多く、気軽に使用できるでしょう。

畳床の素材で選ぶ

畳床(たたみどこ)とは、置き畳の芯の部分のことです。置き畳に使用される畳床の主な3つの素材について見ていきましょう。

【稲わら畳床】

稲わら畳床は、吸湿発散性や耐久性、弾力性が高く、畳床の中では高級なものが多いです。弾力性が高い理由は、稲わらを層にして作られているからです。

稲わらを層にすることで、空気の層ができるため、畳の上を歩いたときの足触りの良さにつながります。足への負担を減らしたい方にとっては、使い心地の良い素材だといえるでしょう。

【建材畳床】

建材畳床は、わらを使わずに「ポリエチレンフォーム」や「インシュレンボード」などを使用した畳床です。耐久性は落ちますが、断熱性や耐湿性が高い素材です。

耐湿性の高さからダニが発生しにくいメリットもあります。稲わら畳床に比べると、踏んだときに硬さを感じますが、手に入りやすい価格帯のものが多いため費用が抑えられます。

【稲わらサンドイッチ畳床】

稲わらサンドイッチ畳床とは、稲わらの間に「ポリエチレンフォーム」を埋め込んだ畳床です。耐湿性と弾力性が高く、素材の2種類の良いところを兼ね備えています。

置き畳のメリットやデメリット、種類などは理解したものの、部屋の雰囲気に合った畳や機能が本当に合っているのか気になる方は、専門家に相談してみるのもおすすめです。

金沢屋は、全国に約300店舗展開しており、実績豊富な職人が対応しております。障子の張り替えをはじめ襖の張り替えや畳表替え、新調、掛け軸のご相談まで承りますので、和室のお悩みがあればご相談ください。

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まとめ

置き畳は、フローリングの部屋でも畳の雰囲気を味わえます。設置も簡単で、防音性や断熱性、調湿性に優れているメリットがあります。

一方で、ズレやすく掃除しにくいことやカビやダニが発生しやすいデメリットがあります。本記事で紹介した、置き畳の種類やメンテナンス方法を参考に部屋の雰囲気に合った置き畳を選んでみましょう。