和室にカビが発生!すぐできる湿気対策5つを紹介

畳は吸湿効果のある「い草」を使用し、畳床(たたみどこ)から湿気を放出できるため、一年を通して快適に過ごせる床材です。一方、近年の住宅は気密性が高いため、適切な湿気対策をしていないと、カビやダニが発生することがあります。 この記事では、和室の湿気の原因や、カビやダニの発生を防ぐための湿気対策を解説します。

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和室に湿気対策が必要な3つの理由

近年は建物の気密性が上がっており、季節を問わず湿気が溜まりやすいといわれています。畳は吸湿作用がありますが、その働きには限界があるため、湿気対策が必要です。

では、湿気対策をしないとどうなるのでしょうか。まずは、湿気対策をしなかった場合に想定されるトラブルから、湿気対策が必要な理由を理解しておきましょう。

畳や布団にカビが生える

室内の湿度が高くなると、湿気を吸いやすい畳や布団にカビが生える可能性も高くなります。

畳には調湿作用がありますが、吸収できる量以上の湿気があると内部に湿気を留めた状態になり、カビが生えやすくなります。

特に、和室で畳の上に布団を敷いたままにしておくと、その間に湿気がこもりやすくなるので気をつけましょう。

このほかにも、以下のような環境は湿度が上がりやすくなり、畳にカビが生えるリスクが高くなります。

・家具を壁と隙間を空けずに配置する

・観葉植物を設置する

・洗濯物の部屋干しをする

カビは湿度が70%以上、温度15~30度で繁殖しやすくなるため、これらの湿度が高くなる行動をできるだけ避け、湿気対策をして湿度を下げることが必要です。

なお、カビをそのままにしておくと繁殖が広がり、畳から建物に影響が及ぶおそれもあります。

ダニが発生する可能性もある

湿度が高い環境では、カビだけでなくダニの発生も考えられます。ダニもカビ同様、高温多湿の環境を好むため注意が必要です。カビを餌にして増えるダニもいます。

カビやダニによる健康被害

カビやダニが原因で、さまざまな病気を引き起こす可能性があります。

カビの菌は、肺炎や感染症、皮膚炎などの感染症を引き起こします。健康な大人では問題がない場合でも、高齢者や体力が低下している人の場合は健康被害のリスクが大きくなるので注意が必要です。また、ダニに噛まれる被害もあるでしょう。

さらに注意が必要なのが、カビやダニはアレルギー症状も引き起こすことです。健康な人でも鼻炎やアトピー、喘息などの症状が発現・悪化するおそれがあるので注意してください。ダニは生きているものはもちろん、死骸やフンもアレルゲンとなります。

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和室のカビやダニを防ぐ!明日からできる湿気対策

和室のカビやダニは湿気対策をして室内の湿度を下げることで防止できます。ここでは、効果が期待できる簡単な湿気対策を5つ紹介します。

吸湿剤や除湿剤を置く

湿気が多い場合には、湿気が溜まりやすい部屋の四隅に市販の吸湿財や除湿剤を設置する方法が有効です。

吸湿材や除湿剤は、押し入れや収納棚などある程度密閉された空間の除湿に役立ちますが、商品によっては部屋での使用を想定した調湿機能をもつものもあります。

ホームセンターやドラッグストアなどで購入できるものもあるので、チェックしてみましょう。

防湿シートを敷く

除湿剤には、シート状のものもあります。防湿シートは、特に畳のカビ対策に有効です。

防湿シートには、畳と床下の間や畳表(たたみおもて)と畳床との間に敷き込んで部屋自体の防湿効果を高めるものや、湿気が溜まりやすいカーペットや布団などの下に敷いて湿気を吸収させる簡易的なタイプがあります。

商品によっては湿気対策だけでなく防臭効果や防ダニ加工がされているものもあり、カビとダニ両方の対策が可能です。

換気をする

部屋の湿度を下げるには、換気が有効です。室内に換気扇や換気システムが付いているなら回し、なければ1日1回以上窓や襖を2カ所以上開け、室内の空気を入れ替えましょう。

このとき、サーキュレーターや扇風機などを回すと空気の流れができて換気効果が向上するのでおすすめです。

なお、雨が降っていても雨が降り込むほど強くなければ換気効果が得られます。

換気は、湿度を下げられるだけでなく、ハウスダストやウイルスなどの有害物質を室外に排出できます。健康面からも換気は重要なので、積極的に取り組んでみてください。

布団をたたむ

和室を寝室としている場合には、布団を敷きっぱなしにしないことも大切です。万年床で使っていると、畳と布団の間に溜まった湿気を発散する機会がほとんどなくなるため、カビやダニが発生しやすい環境になります。

布団は朝起きたら畳んで押し入れにしまうか、部屋の隅に置いておくようにしましょう。また、定期的に天日干しや布団乾燥機を利用して溜まった湿気を発散させることも湿気対策になります。

除湿機を置く

換気や防湿材の設置などの手間をできるだけ省きたいときには、除湿機を利用するのもおすすめです。

除湿機には、強制的に結露させて空気中の水分を取り除くコンプレッサー式と、ヒーターを使った熱交換で湿気取り除くデシカント式、両方を採用したハイブッド式などがあります。

数万円程度の購入費用や使用時に電気代はかかりますが、最大1日数Lの除湿が可能です。もちろん、ほかの対策との併用も可能です。

なお、除湿機は手軽に利用できますが、フィルターにはホコリやゴミが付きやすく、水を溜めるタンクには雑菌が繁殖することがあります。こまめにお手入れを行って、清潔な状態で使用しましょう。

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まとめ

和室は快適に過ごせる一方で環境によっては湿気が溜まりやすくなります。湿気が溜まるとカビやダニ発生の原因となるので、換気や湿気対策グッズを活用して湿気対策を行いましょう。

和室の湿気が気になる場合には、今回ご紹介した対策のほかに、襖や障子の張り替えなど、紙を新しくすることも有効です。また、ダニやカビの発生を抑えた畳に新調する解決方法もあります。

和室の湿気に関するお悩みがあれば、ぜひ一度金沢屋にご相談ください。和室のメンテナンスを手がける職人が、状況に応じた対策を提案し、解決をお手伝いいたします。