目次
和室リフォームの種類
和室リフォームは大きく3種類に分けられます。
ひとつ目は、和室を修繕するためのリフォームです。畳・襖・障子などが古くなった場合に貼り替えます。畳・襖・障子を新しくすることでキレイな印象になりますが、部屋の雰囲気そのものはあまり変わりません。
ふたつ目は、和室から洋室に変えるためのリフォームです。畳の代わりにフローリングなどの床材を敷きます。襖や障子は洋風のドアに交換したり、押入れをクローゼットにしたりすると外観が大きく変わるでしょう。
そして、3つ目が和モダンな雰囲気にするためのリフォームです。洋室には変えずに、和室のまま現代風の要素を取り入れます。通常の和室とも洋室とも違った魅力を感じられるでしょう。
モダンな和室にリフォームするためのポイント
和モダンな和室にリフォームする際には、次のようなポイントをチェックしておきましょう。
間仕切りを撤去する
リフォーム予定の和室がリビングと隣接しているなら間仕切りを撤去しましょう。そうすると、ひとつの大きな空間になります。
天井の高さや床の高さなどもリビングと合わせるのがポイントです。
また、リビングと完全につなげたくない場合には、あえて段差を作って小上がりにする方法もあります。
畳のデザインに着目
畳のデザインを少し変えてみるだけで雰囲気が大きく変わります。たとえば、琉球畳に変えると、フチのある畳と比べてモダンな雰囲気になるでしょう。
琉球畳はフチがなく、正方形なのが特徴です。通常の畳と異なり、カラーバリエーションが豊富なため雰囲気を変えやすいでしょう。
また、通常の畳はい草でできていますが、和紙製の畳や樹脂製の畳に変えるのもおすすめです。畳の素材を変えるだけで、古いイメージから現代風にアレンジできます。
壁紙を採用する
一般的な和室の壁は、砂壁・塗壁・新壁などが多いです。いずれも和室の古いイメージにつながりやすいため、壁紙に変えるのがおすすめです。壁紙ならメンテナンスも楽になります。
おしゃれな柄のアクセントクロスを貼れば、和モダンな雰囲気にアレンジできるでしょう。壁だけでなく、天井にも同じ柄のアクセントクロスを貼れば、統一感を出せます。
また、昔ながらの和室では柱や梁などがむき出しの新壁を採用しているケースが多いです。新壁だと、どうしてもレトロな雰囲気になってしまうでしょう。柱や梁などを直接見えないようにする大壁にリフォームすれば、モダンな雰囲気に変えられます。
色を使いすぎない
最近ではカラー畳や、さまざまな色を選べる漆喰・砂壁・土壁・クロスなどがあります。おしゃれにしたいという思いから、つい色を使いすぎてしまうかもしれません。そうすると、落ち着きがない印象になることも多いです。
デザインによっては、和モダンではなく、派手さが際立ってしまいかねません。色の選択肢が豊富でも、あまり色を使いすぎないように注意しましょう。
家具や物の置きすぎに注意する
リフォーム後は、家具や物などをあまり置きすぎないようにしましょう。部屋が狭くなり、和モダンな雰囲気が薄れてしまいます。収納場所が必要なときには、床下収納や吊り押入れなどを作るのが良いでしょう。
また、スペースに余裕があれば、掘りごたつを設置するのもおすすめです。
モダンな和室へのリフォームの施工事例
通常の和室から和モダンな和室へリフォームした施工事例を紹介していきます。
アンティークな格子戸で仕切る和室
大正浪漫な雰囲気とモダンな雰囲気をうまくマッチさせたデザインの和室です。出入口には格子戸を使用しているのが特徴で、視線が窓の外まで抜けるので圧迫感がありません。
アンティーク家具を設置しており、ちょうど良く収まるスペースを確保できる設計です。
照明で演出する和モダン
マンションをフルリノベーションした事例です。LDKの一角に小上がりの和室を設置。全体が黒系統の色で統一されており、間接照明で浮遊感を演出しています。和室の真ん中には堀座卓を設置しています。
また、和室とLDKとの仕切りには格子戸を使用しているのが特徴です。和風とモダンな雰囲気がうまくマッチしています。
ナチュラルでリビングに馴染む和モダン
4畳半の和室に半畳分の正方形の畳を9枚使用し、凝ったデザインを施した事例です。畳の色をフローリングに近い色にしたことでよく馴染んでいます。壁なども全体的に白系統の明るい色でまとめているのが特徴です。
押入れはクローゼットの扉にしており、モダンな雰囲気を出しています。
黒い畳で海外のようなインテリアに馴染む雰囲気
リビングの一角に、小上がりでオープンタイプの和室を設置した事例です。リビングは白系統の色がベースになっていますが、和室部分は黒系統でアクセントを作っています。ダークカラーの木目と黒っぽい色の畳みが印象的です。
壁には黒板と小物収納棚を設置してインパクトを出しています。カラーや配置に工夫するだけで、洋室にも馴染むデザインになります。
和モダンな和室にリフォームする場合の費用相場
琉球畳を設置、壁紙クロスを張る、押し入れをクローゼットに変えるなどの工事にかかる費用は35万~45万円程度が相場です。
リビングと別々になっている和室を一体化するのであれば、75万~100万円程度かかります。具体的な工事内容は、壁の撤去・床の段差を解消・天井の工事・内装、その他建具の取り付けなどです。少し大掛かりな工事になるでしょう。
床暖房を設置する場合には、直張りと全面張り替えの方法があります。直張りなら1畳あたり5~10万円程度が相場です。全面張り替えだと8万~15万円程度かかるでしょう。
和室を和モダンにリフォームするときに費用を抑える方法
和モダンへのリフォームで費用を抑えるには、限定的な内容のリフォームにするのがおすすめです。少しのリフォームでも、雰囲気が変わることが多いです。では、具体的にどのようにリフォームすれば良いのか見ていきましょう。
襖の張り替えで和モダンに
障子と同じように襖も張り替えができます。襖の柄が変わるだけで、室内の雰囲気も変わってくるため、費用を抑えるなら張り替えがおすすめです。張り替えだけなら、それほど多くの費用はかかりません。
たとえば、金色・朱色・ねずみ色・墨色などを使ったデザインにすれば和モダンな雰囲気になるでしょう。
畳のデザインを変える
まずは畳だけを変えてみるのもおすすめです。襖の張り替えと同じように、比較的リーズナブルな費用で室内の雰囲気を変えられます。
また、畳は経年劣化によりメンテナンスが必要です。費用が気になる場合には、メンテナンスの時期に合わせて畳を変えるのが良いでしょう。
たとえば、フチなしの畳や正方形の畳ならおしゃれで和モダンな雰囲気にできます。北欧インテリア風のデザインやアジアンテイストの畳もおすすめです。一見すると畳に見えないようなデザインの畳もあるため新鮮に感じられるでしょう。
まとめ
和室を和モダンな雰囲気にするには、リビングと一体化させる方法や、大壁にして柱や梁を隠す方法などがあります。格子戸を設置したり、押入れをクローゼットにしたりするのもよく行われている施工です。
費用を抑えたい場合には、襖の張り替えや畳の交換などでも雰囲気を変えられます。