畳の傷の直し方は?長持ちさせるお手入れ方法も紹介

日本人にとって、畳のある和室はい草の香りを楽しめるくつろぎの空間です。くつろぎの空間を保つためにも、畳のお手入れは欠かせません。 とはいえ、畳の部屋に家具を置いたり、畳の上を日常的に歩いたりしていれば、へこみや引きずった跡など、気がつくと傷が入っていることがよくあります。 そのままにしておくと傷はどんどん広がり、見た目も悪くなってしまうものです。ここでは、畳についた傷の直し方を紹介します。

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畳に傷ができる原因は?

畳にできる傷の原因は特別なものではなく、多いのはごく日常的なものです。代表的なものは机、棚などの重量のある家具を置いたことによるへこみです。

こうしたへこみは家具を移動させた後も残ってしまうので、そのままにしておくと見た目が悪くなります。

畳にできるささくれも畳の代表的な傷です。ささくれは、主に掃除機や家具で畳をこすったときにできます。ささくれは尖っているので、裸足や生身の部分が触れると刺さってしまい危険です。

特に、赤ちゃんや小さなお子様がいる家庭では、畳のささくれはケガの原因となるので注意しましょう。 

また、靴下やストッキングを痛める原因にもなりかねません。

ほかにも、タバコの火を落としたことによる焦げ付きや、お茶やジュースなどをこぼしたことによるカビなども、畳を傷める原因となります。当然、これらも補修をしないと見た目が悪くなります。

カビは放置すると広がってしまう危険性があるので、畳の日常的なメンテナンスは非常に重要です。

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畳の傷の直し方

畳の傷は早めに対処することで、劣化を最小限に抑えられます。畳の傷の修正などに使用する道具は、簡単に揃えられる物ばかりです。

以下では、畳の傷の直し方について、状態にあわせて解説します。

畳のへこみの直し方

畳のへこみは、アイロンをかけてへこんだ部分をふくらませることで修復できることがあります。畳のへこみを治す際には、霧吹き、雑巾、アイロンの3点を用意しましょう。

まず、畳がへこんでいる部分に霧吹きで水をかけます。へこんでいる範囲が広くない場合は、スプレーの回数は2~3回、へこんでいる範囲が広い場合は少し多めに水を吹きかけます。

次に、霧吹きした部分に硬く絞った雑巾をあてがいます。そして、雑巾の上からアイロンを当てましょう。このとき、畳が乾くまでしっかりアイロンを当てるのがポイントです。湿気が残った半乾きのままだと、畳にカビが生える原因となってしまいます。

アイロンがない場合は、へこんだ部分に霧吹きをしたあとに、ドライヤーを使って乾かすだけでも効果があるので試してみましょう。

畳のささくれの直し方

畳のささくれた部分を修復するには畳を張り替えるしかありません。しかし、ささくれが現状よりも広がるのを防ぐことは可能です。

用意するものは、掃除機、雑巾、木工用ボンド、ボンドを入れる器、筆となります。まず、畳の上をキレイにするために、作業前に掃除機をかけましょう。掃除機をかけるときは、ささくれ部分の拡大を防ぐために、必ず畳の目に沿って掃除機をかけることが大事です。

掃除機をかけたあとは、雑巾で畳を丁寧に乾拭きしてホコリを取り除きます。このときも畳の目に沿って雑巾をかけることを忘れないでください。

次は、木工用ボンドを水で薄めます。用意した器に木工用ボンドを入れ、約3倍の水で薄めましょう。それが終わったら、畳のささくれを毛羽立った状態から寝かします。この作業は道具を使わず、素手で丁寧に行ってください。

ささくれを寝かせたら、筆を使って薄めた木工用ボンドをささくれ部分に塗っていきます。塗った部分は指で押さえて、ささくれが再び起き上がらないようにしましょう。ボンドが乾いたら修復完了です。

また、畳のささくれは畳の目に沿って消しゴムをかけることで、消しカスと一緒に取り除けます。あくまでも、応急処置ですが、刺さる危険性のあるささくれを「取り急ぎ、取り除きたい」というときにはおすすめです。

畳のささくれを取り除く方法には、米ぬかを用いるものもあります。用意するものは、米ぬかと綿布です。

まず、ボンドのときと同じように畳に掃除機をかけ、雑巾で乾拭きを行います。そして、米ぬかを綿布に包んで畳の目に沿って拭きましょう。

米ぬかと綿布が準備できない場合は、米ぬかの畳用掃除シートが、ドラッグストアやホームセンターなどで市販されています。掃除の際は、畳用掃除シートを利用しても構いません。

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畳の傷を予防する対策3つ

少しでも長くキレイな状態で畳を使うには、傷の予防対策を知って実践することが大事です。

ここでは、畳の傷を予防する対策を3つ紹介します。

1,畳の上に重い家具を直接置かない

畳の傷の主な原因のひとつが、重い家具によるへこみであることは前述のとおりです。そのため、そうした畳の傷を予防するためには、畳の上に重い家具を直接置かないことが有効となります。畳は柔らかいので、重量物を直接置くのは避けるほうが良いでしょう。必ず敷物や板を敷くようにするのが有効です。

また、移動する際も力任せに引きずらず、きちんと持ち上げてから移動させるようにしてください。畳の上で重いものを引きずると傷がつきやすく、ささくれの原因となります。

大きい家具は重さもあります。大きい家具が多い部屋は、風通しが悪くなる原因にもなるので気をつけましょう。

2,畳の目に沿って掃除をする

畳の傷を予防するためには、掃除のやり方にも気をつけなくてはいけません。基本は、畳の目に沿って掃除することです。雑巾を使うときでも掃除機を使うときでも、畳の目に逆らわないように掃除しましょう。

また、近年ではお掃除ロボットが普及してきましたが、畳の目に沿っての掃除はできないので畳の掃除には向きません。

畳は、大きなダメージがなくても少しずつ傷んでいくので、へこみやささくれを予防するためには日頃のメンテナンスも大切です。定期的に乾いた雑巾で乾拭きをすることで汚れやささくれのほか、水分によるカビも防げます。

汚れがひどい場合は住宅用洗剤を使いましょう。かたく絞った雑巾で拭いたあとは、水分が残らないようにドライヤーでしっかり乾かしましょう。

カビがある場合は、雑巾にアルコール消毒液を含ませて丁寧に拭きとってください。

すでに畳にカビが生えてしまった場合の取り除き方や、掃除方法にも注意が必要のため、以下の記事も参考にご確認ください。

「畳のカビにやってはいけない掃除法とは?正しいやり方を解説」 

3,定期的に米ぬかでケアする

特にデリケートな畳には、畳のホコリを丁寧に取り除いたあとに、米ぬか袋を使って畳を優しく拭きましょう。米ぬかに含まれている油分で畳が保護され、ささくれを予防することができます。

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重度の傷には畳の張り替えも検討しよう

日頃のメンテナンスや重いものを直接置かないといった注意で畳はより長く使えますが、どうしても限界寿命があります。畳の傷やカビなどがあまりにもひどい場合は、畳の張り替えが必要でしょう。

自力でできるメンテナンスで補修できる度合いを超え、ダメージが重なってきたら、畳の専門店に依頼して表替えや裏返しをしてもらいましょう。

畳を新しいものに変えるなら、賃貸用から上級品の畳まで幅広く対応している「金沢屋」にご相談ください。金沢屋は全国各地に拠点を持つ、畳、襖や障子、網戸の張り替え専門店です。部屋が古くなってきたと感じる場合は、ご相談からでも良いのでお問い合わせください。

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まとめ

畳は、重い家具を置いたり、荷物を移動する際、持ちあげずに引きずったりすることで、傷がついていきます。できてしまった傷を放置すると、さらに広がったりケガの原因になったりするため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

しかし、中には自力でできるメンテナンスではどうにもならないほど、傷みやカビが発生していることもあります。このような場合は、専門の業者に畳の張り替えを依頼しましょう。