「畳のへこみが気になる...」正しい直し方と予防策を紹介!

模様替えで重い家具を動かしたあとに畳のへこみが直らないと、困ってしまいますよね。軽度のへこみなら家庭でも対処できるため、直し方を覚えておきましょう。 今回は畳にへこみができる原因や直し方を紹介します。あわせて畳を長持ちさせる予防策や張り替えの方法についても解説しているため、ぜひ畳をメンテナンスする際の参考にしてください。

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畳がへこむ主な原因は3つ!

畳は和室で使われる肌触りの良い床材です。程良いクッション性がある分、なんらかの原因でへこむことがあり、畳がへこんでしまうと歩いたり座ったりしにくくなってしまいます。

ここでは、畳がへこむ主な原因を3つ紹介します。普段の畳の使い方に問題がないか見直してみましょう。

【原因1】重い家具による圧力

畳がへこむ原因のひとつには、重い家具を置いたことによる圧力があげられます。

畳は藁などの素材の芯に、い草を織り込んで作られています。木製のフローリングと違って柔らかいため、タンスや本棚、ピアノといった重い家具を畳の上に直接置くと部分的に沈み、家具を移動させたあともへこみが残ってしまうため注意が必要です。

とくにテーブルのように脚のある家具は、重さが一点に集中してへこみができやすい傾向があります。時間が経つほど跡がつきやすいため、重い家具を長期間置きっぱなしにするのは避けましょう。

【原因2】畳の傷みや経年劣化

畳の傷みや経年劣化も、畳がへこむ原因のひとつです。使い方や使用環境によって多少異なるものの、畳の寿命は一般的に10~20年といわれています。

製造されてから時間がたつほど経年劣化が進み、畳の耐久性が低下してへこみやすくなります。湿気やカビ、ダニ、シロアリなども畳が劣化する要因なので、日頃の使い方やお手入れ方法を見直してみましょう。

【原因3】床下の木材に異常がある

畳そのものだけなく、床下の木材の異常によって畳がへこんでいる可能性もあります。

木材が湿気や経年劣化で腐っていたりシロアリの侵食被害を受けたりすると、床の強度が低下します。その結果、畳を支えられなくなり、畳の表面にへこみができることがあります。

床下の建材に異常がある場合は、家庭での補修や畳の張り替えでは対処できません。本格的なリフォームが必要になることもあるので、気付いた段階で専門業者に相談しましょう。

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畳のへこみを直す方法

畳がへこんでしまったとしても、すぐに諦める必要はありません。家具の重みによってできた畳のへこみであれば、ハウスメンテナンスで直すことが可能です。

ここからは、家庭でできる畳のへこみを直す方法を紹介します。

自分でできる対処法

軽度な畳のへこみであれば、芯材に使われている藁の性質を利用した補修ができます。家庭にある道具でメンテナンスできるため、ぜひ試してみてください。

■準備するもの

・アイロン

・霧吹き

・濡れ雑巾

・ドライヤー

■畳のへこみを直す手順

1.畳がへこんでいる部分に霧吹きで水をかけます。スプレーの回数は2~3回を目安に、範囲が広い場合は少し多めに水を吹きかけましょう。

2. へこみに固く絞った濡れ雑巾を広げ、上からアイロンをあてて加熱します。焦げないように様子を見ながら温度を調整しましょう。

3.畳のへこんだ部分がふっくらと戻ったら、ドライヤーで温風を送って乾燥させます。

畳の芯材に使われている藁は乾燥していますが、濡らしてから温めると、繊維に含まれた水分が膨張します。このとき一緒に藁も膨らんで、へこみを押し戻す働きが期待できます。

この方法は芯材に使われている藁の性質を利用しているため、木材チップを圧縮した芯材を利用した畳のへこみを直すことはできません。また、藁の芯材でも劣化している場合はへこみを完全に修繕できないため、張り替えを検討しましょう。

へこみが重度の場合は張り替えがおすすめ

畳を踏むと沈むほどの重度のへこみや劣化がある場合は、張り替えを検討してください。家庭で修復できない畳でも、キレイに元通りになります。

畳の劣化の判断ができないときや費用が不安な場合は、プロに相談することをおすすめします。畳の専門家に依頼すれば、張り替えから交換まですべて任せられて安心です。

とはいえ、芯材が劣化していて張り替え対応ができないこともあります。その場合は、畳の新調も視野に入れて検討してください。

金沢屋なら、部屋の利用状況や生活環境にあわせて、プロの職人が最適な張り替えプランをご提案いたします。

本格的な熊本産からお手頃な中国産まで、豊富な種類の畳をご用意しているため、経年劣化がひどいときの畳の新調もお任せください。おしゃれで人気がある琉球畳や虫が発生しにくい和紙畳など、種類や用途、インテリアにあわせて選べます。

金沢屋は、全国約350店舗展開している和室の専門業者です。地元密着型で日本全国どこにお住まいでも、電話1本ですぐに駆けつけます。畳のへこみをはじめ、襖や障子といった和室のことでお困りなら、なんでもお気軽にご相談ください。

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【畳のへこみ】賃貸住宅における適切な対応とは

賃貸住宅では、退去時に原状回復しなければなりません。もし、賃貸住宅で畳が凹んでしまった場合、どう対処すれば良いのでしょうか。ここからは、賃貸住宅で畳が凹んでしまったときの扱いについて紹介します。

退去時に原状回復義務がある

賃貸住宅では、床や壁などに激しく損傷した箇所があれば、退去時に修理して元の状態に戻さなければなりません。これは、借主に課せられた「原状回復義務」であり、借主と貸主の間でトラブルが発生することもあります。

故意や過失によって激しく損傷した場合は、原状回復のために修理費用が請求されます。これは、入居時に支払った敷金から引かれるのが一般的です。敷金が0円の物件だったとしても、クリーニング料として事前に徴収されているケースもあります。修理費用が敷金だけで足りない場合は、追加で請求されることも少なくありません。

原状回復義務があることから、畳の上に重い家具を置く際、畳の凹みが損傷に該当し、修繕費用が発生するのを心配し、置くのをためらう人もいます。

どの程度の損傷なら修理が必要なのか、気になる方は事前に確認しておくことも大切です。

自然損耗なら問題ない

原状回復にかかるは、全額借主が負担しなければならないわけではありません。損傷が経年劣化などの自然損耗に該当するなら、修繕費用はかからないのが一般的です。つまり、家具を置いたときの畳の凹みも自然損耗として見なされます。

通常、想定できる範囲内の凹みであれば、修繕費用を負担する必要はありませんが、明らかに家具の重さ以上に凹んでいたり、穴が開いていたりする場合は修繕費用の負担が発生することも考えられます。

不安ならできるだけ直しておこう

原状回復において、借主と貸主の間でトラブルが発生するケースがあることも事実です。また、新築物件でない限りは、畳の凹みが、自分がつけたものなのか、前の住人がつけたものなのかがわからないこともあります。

トラブルを防ぐためには、本記事でご紹介した方法でできるだけ損傷や汚れを直して目立たなくしておくのが無難です。今回ご紹介した方法なら、費用もあまりかからず簡単に修繕できるので、退去する前に試してみるのをおすすめします。

気持ち良く退去するためにも、普段から畳を大切に使うことはもちろん、万が一凹んでしまった際の対処法も知っておくことが大切です。

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畳のへこみの予防と対策

畳はデリケートなので、キレイな状態を長く維持するためにも、できるだけへこみを作らないことが大切です。

最後に、畳のへこみと劣化を防ぐ対策を紹介します。

畳の上には重い家具などはできる限り置かない

畳のへこみ対策には、家具などの重いものをなるべく置かないことが一番です。へこみを作る原因を排除することで、畳を長持ちさせましょう。

なかでも注意が必要なのは、テーブルやピアノのように脚のある家具です。一点に圧力が集中して深いへこみができやすいため、畳の部屋に設置するのは避けたほうが無難です。

どうしても家具を置く必要がある場合は、畳の上に直接置くのではなく、敷物や板を間に挟んで使うと良いでしょう。

ただし、敷物や板を敷いたままにしていると湿気がこもり、畳がカビやすくなります。畳の劣化を早める一因なので、畳の上に絨毯やカーペットを敷きっぱなしにするのは控えましょう。定期的に換気をして、畳の湿気を取り除いてください。

へこみ防止グッズを活用する

畳のへこみ対策には、市販のへこみ防止グッズも活用してください。

家具の重みをやわらかく受け止めるコルク素材の「防止マット」、テーブルの脚まわりだけをカバーするコンパクトない「座卓敷き」などです。どちらも天然素材でできていて畳との相性が良く、和室の美観を損ねずに対策をしたい方におすすめです。

タンスの底に敷く「耐震ゴム」も目立たないので、インテリアの邪魔になりません。家具による圧力を分散するだけでなく、災害時の転倒防止にも役立ちます。

へこみ防止グッズは、ホームセンターや100円ショップなどで購入できます。

防止グッズがない場合は、不要なカーペットの切れ端を活用しましょう。テーブルの脚の形に切って使えば、へこみ防止グッズとして代用できます。

カビやダニなどを発生させない

カビやダニの発生を防いで、畳をできるだけ劣化させないことも大切です。

カビやダニは、天然素材でできた畳の大敵です。湿気やホコリ、汚れなどをエサに繁殖するため、畳の上に落ちた食べかすや髪の毛はしっかり掃除して、いつも畳をキレイな状態に保ちましょう。水をこぼした場合は、濡れた状態で放置せず、しっかり水気をとって乾かしましょう。

日頃の掃除に加えて定期的に日陰干しをすると、カビやダニ対策に効果的です。

下記の記事では、カビやダニ対策についてさらに詳しく紹介しています。畳を清潔な状態に保ちたい方は、ぜひご覧ください。

畳のカビ防止策を8つ紹介!カビ発生を防いで快適生活

まとめ

天然素材を使って作られた畳はクッション性があって心地良く、和室に欠かせません。デリケートでへこみやすいため、日頃から丁寧に扱いましょう。

軽度な畳のへこみなら家庭で補修できますが、使い方を工夫してへこみを作らないことも重要です。重度のへこみには張り替えも検討して、和室を快適に整えてください。