おしゃれな部屋に!畳縁(たたみべり)の柄の種類と選び方

畳の縁にある布を「畳縁(たたみべり)」といいます。畳縁の種類や素材は多彩であり、畳縁の柄の選び方によって、部屋の雰囲気が大きく変わることをご存知でしょうか。 今回は、畳縁の柄をどのようなポイントに選ぶべきか、紹介していきます。和室を上品に仕上げたい、キレイに見せたい方はぜひ参考にしてください。

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畳縁(たたみべり)は「畳の縁にある布」のこと

畳縁は、「たたみへり」もしくは「たたみべり」と呼びます。どちらの読み方でも問題ありません。奈良時代から用いられたもので、畳の角を補強と装飾するために、取り付けられています。

畳の原料となるい草は天然素材ですので、吸湿性と香りに長けていますが、角の部分が摩擦で破れやすいです。そのため、角の部分を補強して摩擦を防ぎ、畳の劣化を防ぐために使われる布として畳縁が使われています。また、畳を敷き合わせた時に生じる隙間を小さくする役割もあります。

作法のひとつとして「畳縁を踏んではいけない」といわれています。それは、畳縁の摩擦防止や、畳縁を踏むことによる転倒の防止などが大きな理由です。この他にも、ご先祖様や親に対する敬意を払ったり、生き物を大事にする気持ちをあらしたりするなどの理由もあります。

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畳縁の意味

歴史をさかのぼると、畳縁の色や柄によって畳を使う人の身分や地位が区別されていました。それでは、どのように区別されていたのか、それぞれの畳縁が持つ意味を見てみましょう。

繧繝縁(うんげんべり)

「うんげんべり  」と呼ばれており、天皇、三宮(皇后・皇太后・太皇太后)、上皇、新仏像に用いる、最も高い格式だとされています。

錦織という織り方であり、身近なところでは、お雛様の親王雛の台に使われている縁です。赤い色と華やかな柄が特徴であり、とても豪華な印象を与えます。

高麗縁(こうらいべり)

白地に、菊の花や雲などの模様を黒い糸で織り込んだ縁です。大紋高麗縁と小掌高麗縁の2種類があります。

大紋高麗縁は、親王・摂関・大臣など身分の高い人物、小掌高麗縁は公卿などの高官が使用していました。現在でも、神社仏閣の座敷や、茶室にある床の間などで、大紋高麗縁が見られます。

縁なし

文字通り、縁が付いていない畳であり、一般的な家庭に使用していました。

先述したとおり、畳縁の色や柄によって、座る人の身分や地位が区別されていました。現在では、身分や地位による区別はなく、使う人の好みによって選ぶ畳縁が異なります。

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畳縁の種類

この項目では、種類ごとの特徴を見てみましょう。畳縁の種類が多く、どれにすべきか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

化学繊維

近年では、ポリエステルやナイロン、ポリプロピレンなどの化学繊維で織った畳縁が主流です。色や柄が豊富であり、耐久性があるため変色しにくく、強度が高い特徴があります。

おしゃれで可愛らしい模様の縁も多く、部屋の雰囲気に合った縁が選べます。他には、ペットボトルを再利用した糸なども用いられた、エコの縁もあります。

綿

綿糸でできた畳縁は高級感や品格があり、なめらかな質感が特徴です。カラフルな化学繊維とは異なり、黒もしくは小豆色に近い茶色の無地がほとんどです。

また、糸にロウ加工を施し、艶付け加工を行なっているものも見受けられます。昔ながらの材質であり、座敷や個室などで多く使われています。

縁なし畳(琉球畳)

畳の中には、縁がないものもあります。縁がある畳と比べると耐久性は劣ります。そのため、リビングの一角に畳コーナーを作る際に用いるケースが増えています。

縁なし畳の中で、い草ではなく、『カヤツリグサ』や『七島イ(しちとうい)』などの植物を使った畳を、琉球畳と呼びます。

使い始めの段階では、ザラザラとした手触りをしていますが、使用しているうちに柔らかい質感へと変化していきます。通常の縁なし畳に比べ、アレルゲンになりにくいほか、耐久性が高い分、価格も高くなる傾向があります。

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【目的別】おすすめ畳縁の柄の選び方

伝統を重んじるご家庭やお寺などでは、ふさわしい畳縁を選ぶ必要があります。ただ現代では、通常のご家庭において、畳縁の色や柄に上述したような決まりはありませんので、好みに合わせて選ぶことができます。

ここからは、畳縁の柄をどのように選ぶべきか紹介していきます。選び方が判然としないという方は確認しておきましょう。

部屋を明るい雰囲気にしたい

「部屋の角度によって暗くなりやすい」といった理由で、部屋を明るい雰囲気にしたい時には、淡い色もしくはグリーンの畳縁をおすすめします。紺色を選ぶと、部屋が暗く感じやすくなるため、部屋を明るくしたい方は避けましょう。

部屋の雰囲気を引き締めたい

部屋を落ち着いた雰囲気にしたい時は、濃い色の畳縁がおすすめです。畳がキレイに見える効果もあります。畳縁の色のため、落ち着いた雰囲気を演出してくれるので、純和風の和室にぴったりです。

シミや日焼けを目立ちにくくしたい

畳が太陽光に長時間当たっていると、縁の日焼けが目立ってしまいます。また、お茶などの水分がこぼれた場合に、無地の縁ではシミとして目につきやすくなるでしょう。これらを目立たないようにするためには、柄色の畳縁をおすすめします。

シンプルでモダンな雰囲気にしたい

シンプルでモダンな雰囲気の部屋に仕上げるには、畳縁のない畳を選ぶと調和しやすくなります。和の雰囲気を抑えられるため、洋間のリビングの一角に畳コーナーを設けるときなどにおすすめです。

ほかにも、部屋全体で一体感を出したい場合は、襖の色や壁紙などと合わせて畳縁を選ぶと統一感を演出できます。壁紙や障子、襖などに、独自のデザインを施しているのであれば、そのデザインを活かせるような畳縁を選ぶことも大切です。

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畳縁の柄を選ぶときの注意点

畳縁の柄を選ぶときには、必ず実物を確認するようにしましょう。写真と実物では色味が異なる場合が多いです。また、部屋の光の入り具合によっても見え方が大きく変わってきます。

専門業者に依頼すると、畳縁のサンプルが確認出来ます。希望の柄を伝えましょう。

畳の新調をご検討されているお客様は、ぜひ金沢屋へお任せください。金沢屋は、全国に約300店舗を展開しており『襖・障子・網戸・畳』の張り替え専門店です。

畳は、自然素材で作られていることから、お部屋の状況によって劣化しやすくなる性質を持ち、使用しているうちに変色・ささくれ・傷・汚れ・匂い・カビ・虫などの悩み事が増えてきます。

これらの悩み事を解決するため、金沢屋では、ダニ・カビ・虫が発生しにくい畳や、デザイン性が優れた畳、耐久性が高い畳など、ご要望に合わせた畳をご案内しております。

実際にお客様のお部屋の状況を拝見した上で、お部屋に合った商品をご提案いたしますので、ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

畳の新調だけでなく、畳の張り替え。障子や襖の張り替えおよび新調。掛け軸の新調および修繕など和室に関するお悩みに幅広く対応しておりますので、和室のことなら金沢屋まで相談してください。

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まとめ

住宅で用いられている畳の縁の柄は、バリエーションが豊富なため、どのように選べば良いのか迷う方も多いでしょう。今回の記事で紹介した選び方を参考にしていただき、不安な点がありましたらお気軽に金沢屋までご連絡ください。