目次
クッションフロアとは
クッションフロアは床材の一種で、塩化ビニル系の素材でできています。シート状になっており、ほかの床材と比べると比較的簡単に張り替えが可能です。
クッションフロアを施工するときは、部屋のサイズに合わせてカット。それから、下地やフローリングなどの上に貼り付けます。貼り付け方法も簡単で、接着剤や両面テープなどを使用することが多いです。
また、クッションフロアは遮音効果や衝撃吸収効果が高いのが特徴です。通常のフローリングと比べると、物を落としてもあまり大きな衝撃にはなりません。転倒したときにも、体への負担が少なく済むでしょう。そのため、住宅や店舗などでクッションフロアが幅広く使用されています。
クッションフロアの種類
クッションフロアの種類は主に、住宅用と店舗用のふたつに大別できます。では、それぞれのクッションフロアの特徴を詳しく見ていきましょう。
住宅用
住宅用で使われるクッションフロアは、遮音性能や防菌・防カビ効果などに優れている製品が多いです。マンションやアパートなどでは、隣室や上下の部屋の生活音が気になることもあるかもしれません。その点、遮音性に優れたクッションフロアなら、トラブル防止につながります。
デザインが豊富なのも、住宅用のクッションフロアの特徴です。人気なデザインは、木目調や石目調などのデザインです。石目調のなかでは大理石を模したデザインのクッションフロアがよく見られます。
本物の大理石は価格が高く、メンテナンスも必要ですが、クッションフロアなら安く手軽に大理石の模様を楽しめます。ほかに、本物のフローリングのように見えるデザインも人気が高いです。
店舗用
店舗用に使われるクッションフロアは、住宅用のものと比べて厚く丈夫にできているのが特徴です。特に、傷防止のための表面加工が施されているものが多いでしょう。
また、土足対応加工も施されているので、強い衝撃が加わったり、強く擦られたりしても、破れてしまうことはほとんどありません。
店舗は、毎日大勢の人が訪れる場所です。クッションフロアにかなり大きな負担がかかりますが、問題なく耐えられるようになっています。
デザインに関しては、住宅用のクッションフロアと同様に種類が豊富ですので、店舗の雰囲気に合わせて選ぶことができます。
クッションフロアのメリット
床材にクッションフロアを使用するメリットについて見ていきましょう。
デザインの選択肢が広い
クッションフロアは、ほかの床材と比べてデザインの選択肢が豊富なのがメリットです。ほかの床材は、細かなデザインは選べるものの、おおまかなデザインは床材の種類で決まります。
その点、クッションフロアなら、フローリング風・タイル風・モルタル風などの製品があり、多様な選択が可能です。また、デザインが違っても、素材は基本的に同じなため、強度や機能性などは変わりません。リビングや寝室など、場所に合わせて好きなデザインを選べます。
メンテナンスがしやすい
クッションフロアは、フローリングや畳などと比べるとメンテナンスをしやすいのもメリットです。クッションフロアの表面は塩化ビニルでできているため、耐水性や撥水性に優れています。
誤って水や飲み物などをこぼしても、奥のほうまで染み込むことはありません。ティッシュや雑巾などでサッと拭き取れば、すぐにキレイになります。色が付いている飲み物でも、シミになる心配はありません。
普段掃除をするときにも、雑巾やモップで水拭きができます。汚れている箇所などがあれば、洗剤も使用可能です。フローリングや畳と違って、洗剤で素材を傷めてしまうことはほとんどありません。ラクに掃除できて、キレイな状態を保ちやすいでしょう。
水に強い
ほかの床材は水に濡れると傷んでしまうものも多いです。水に濡れてしまうと、隙間から床材の奥まで水が入り込んで、下地や基礎に染み込むケースもあります。
クッションフロアの場合は、染み込むことがなく水に強いのがメリットです。つなぎ目が少なく、隙間から水が入り込みにくい構造になっています。
そのため、住宅ではトイレ・洗面所・キッチンなどの床にクッションフロアが使われることが多いです。洗面台やシンクから水が飛び散っても、クッションフロアなら困りません。トイレで尿が飛び散った場合でも、染み込んでいかないため、清潔に保てるでしょう。
クッションフロアのデメリット
クッションフロアにもデメリットがあります。床材にクッションフロアを使用する際には、次の点に留意しましょう。
キズがつきやすい
クッションフロアは4層構造になっており、そのうちのひとつに発泡層があります。発泡層は、表面から数えて3つ目に位置している層です。柔らかく、クッション性を作るために使用されています。
その一方で、発泡層は傷や凹みが付きやすい特徴があります。物を落としてしまったときの衝撃は抑えられても、発泡層が凹んでしまうことはあるかもしれません。重いものを運ぶときに引きずると、傷が付いてしまうこともあります。
また、重いものを長期間置くと、凹んだまま戻らなくなることも。そのため、クッションフロアの上に重い家具を置く場合は注意しましょう。
チープな印象に見えやすい
本物のフローリングやモルタルのように見えるのが、クッションフロアの魅力のひとつです。しかし、安っぽく見えてしまうこともあります。
クッションフロアの表面の模様は、ただ印刷しているだけのものです。そのため、どうしても塩化ビニル特有のテカリや質感が出てしまいます。
なかには、本物と見分けがつきにくいようにリアルに作られているクッションフロアもあります。それでも、製品によってはチープな印象に見えてしまうでしょう。
ただ、クッションフロアがほかの床材と比べて安価なため、致し方ないともいえます。
通気性がよくない
クッションフロアに使われている塩化ビニル素材は、水気に強い反面、通気性が悪いのが特徴です。そのため、クッションフロアと床との間に湿気が溜まりやすくなります。
クッションフロアを敷いた後は、裏側を見る機会はほとんどありません。そのため、気づかぬうちに、床との間に湿気を溜め込んでカビの発生源になることもあります。
とくに、既存のフローリングや畳の上に重ね張りする形でクッションフロアを敷くと、湿気が溜まりやすいでしょう。
クッションフロアの部屋にしたいなら、既存のフローリングや畳は剥がしたうえで施工するのが望ましいです。下地の上に直接張れば、カビはある程度抑えられます。
クッションフロア張替え費用の相場
クッションフロアの張替えをするときの費用の相場について、場所別と厚さ別に分けて見ていきましょう。
【場所別】クッションフロアの張替え費用
場所別においてのクッションフロア張り替え費用の相場は、表のとおりです。
場所 | 畳数(目安) | 費用相場 |
洋室(寝室・子供部屋など) | 6畳 | 35,000~55,000円 |
和室 | 6畳 | 70,000~110,000円 |
洗面所 | 3畳 | 20,000~60,000円 |
キッチン | 4畳 | 45,000~80,000円 |
トイレ | 1畳 | 17,000~50,000円 |
廊下・玄関 | 4畳 | 45,000~70,000円 |
現在もクッションフロアを使用している場合と、フローリングや畳からクッションフロアに替える場合があるでしょう。
現在クッションフロアを使用している部屋なら、既存のクッションフロアをいったん剥がす必要があります。それから、新しいクッションフロアを張るという具合です。
畳はいったん剥がしてから施工します。なぜなら、湿気の問題が生じるからです。和室を畳からクッションフロアに変更する場合は、下地の部分から張り替えなければなりません。そのため、費用も多くかかります。
洗面所・キッチン・トイレなどは、比較的リーズナブルな費用でクッションフロアの張替えが可能です。ただ、面積が広い場合には、相場よりも費用が高くなります。
【厚さ別】クッションフロアの張替え費用
厚さ別においてのクッションフロア張り替え費用の相場は、表のとおりです。
厚さ | 1mあたりの価格相場 |
1.8mm | 1,000~2,000円 |
2.3~2.5mm(主に店舗用) | 1,500~3,500円 |
2.3~3.5mm(主にペット用) | 2,000~3,500円 |
一般的な家庭で使用するなら1.8mmの厚さで問題ありません。店舗などの場合には、2.3mm以上の厚いクッションフロアを使用します。
ペット用のクッションフロアはさらに厚めにできているものが多いです。表面が丈夫にできていたり、消臭加工や防滑加工などが施されたりしています。その分、価格もやや高めです。
また、消臭加工や抗ウイルス加工など、特殊な機能が付いているものは価格が高くなります。
質感やデザインなどによっても価格は異なるので、予算や使用する場所に応じて、購入するクッションフロアを選びましょう。
まとめ
クッションフロアは、デザインの幅が広く水にも強いですが、通気性が悪いのが難点。クッションフロアの張り替えにかかる費用は、2~10万円程度です。ほかの床材と比べると相場は総じてリーズナブルですから、古くなったら張り替えを検討してみましょう。