【和室】畳をフローリングに変えるには?方法別のポイントやDIYの手順を紹介

ライフスタイルの変化に合わせて、和室を洋室にリフォームする人は少なくありません。和室を洋室にするためには、まず畳をフローリングに変える必要があります。 ここでは和室の畳をフローリングに変える方法や、業者へ依頼する前に押さえておきたい相場と注意点を紹介します。

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畳をフローリングに変える方法は2通り

畳の部屋をフローリングの床に変える方法は、以下の2つです。

・畳を剥がしてフローリングに張り替える
・畳の上からフローリングを張る

それぞれメリットとデメリット、費用などは大きく異なります。理想としている部屋の雰囲気や予算によってどの方法が最適か検討しましょう。

畳を剥がしてフローリングに張り替える

和室の畳を剥がして張り替えるのは、「新規張り」とも呼ばれています。もともと敷いていた畳を取り去って新しく床材を張り替える方法です。

この項目では、畳を剥がしてフローリングに変える方法のメリット・デメリット、費用相場を解説します。

畳を剥がしてフローリングに張り替えるメリット

畳を剥がしてフローリングに張り替えるメリットは、次のとおりです。

・好みの床材を選べる
・木の温もりを楽しめる
・湿気が溜まる心配が少ない
・床に不自然な段差ができない
・下地の補修もできる

畳の上にフローリングを被せると、ほかの部屋や廊下との間に段差ができます。つまずきの原因になりやすいですが、畳を剥がす方法なら転倒のリスクを軽減できて、高齢者も安心して過ごせるでしょう。

畳を剥がして下地の確認や補修ができるので、築年数が経っている住宅にもおすすめです。

畳を剥がしてフローリングに張り替えるデメリット

畳を剥がしてフローリングに張り替えるデメリットは、次のふたつです。

・床からの冷えを感じやすい
・部屋の防音性が下がる

畳はフローリングよりもクッション性に優れる床材です。フローリングにするために剥がしてしまうと、保温性や防音効果が失われます。

床材は選べる幅が広いので、冷えや防音性が気になる場合はクッションフロアに変えても良いでしょう。クッションフロアはクッション性があるため、お子様や高齢者の怪我が心配なご家庭にもおすすめです。

また、畳を剥がしてフローリングに変えるには、大規模なリフォームが必要です。DIYでは難しく、業者に依頼するとまとまった費用がかかります。

畳を剥がしてフローリングに張り替える費用相場と工期

畳を剥がしてフローリングに張り替える場合、費用は床材によって左右されます。ごく一般的な床材を選んだときの相場として、1畳あたり約15,000円~が目安です。 

工期は、張り替える部屋の広さや数によって変動します。6畳の和室1部屋であれば、1日で終わることもあります。

畳を剥がしてフローリングに張り替える際の注意点

畳を剥がしてフローリングに張り替える場合は、床材選びや下材を含めてリフォームを検討しましょう。畳を剥がしたことによる湿度や防音性の変化に注意してください。

たとえば、畳を剥がしてフローリングにすると、生活音が階下に漏れやすくなります。下地に遮音シートを敷く、遮音性能の高いフローリング材を選ぶといった対策があるので、業者に相談しましょう。

また、マンションの場合は管理規約で「防音規定」が決まっているケースもあります。必ず確認して、基準を満たすリフォームを行いましょう。

寒冷地の場合は、リフォーム後の保温性を高めるために床下に断熱材を入れたり、床暖房にしたりするのも良い方法です。

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畳の上からフローリングを張る

畳を剥がさず、上からフローリングマットを張る方法です。具体的には、フローリングの模様が印刷されたクッションフロアや、薄い木材で作られたウッドカーペットを畳の上に敷きます。

クッションフロアは塩化ビニール製ですが、木目調の模様が印刷されているため、ナチュラルな印象に仕上がります。ハサミやカッターで自由にカットできる素材なら、幅広い部屋に対応できるでしょう。

ウッドカーペットは、本物の木材を使用しています。細長くカットした木材を使用しており、布製のカーペットのように丸めて運ぶことができます。

畳の上からフローリングを張るメリット

今ある畳の上にフローリングを張るメリットは、次のとおりです。

・リフォームの費用を抑えられる
・DIYしやすい
・フローリングの色や質感のバリエーションが多い
・汚れや破損などのメンテナンスがしやすい

畳の上からフローリングを張る方法は、なんといっても手軽です。フローリングといっても薄いマット状で扱いやすく、価格もお手頃です。カーペットを敷く感覚なので、初心者でも手軽にDIYできるでしょう。

リフォーム用のフローリングマットはホームセンターや家具店で購入でき、部屋の広さにサイズを合わせられます。破損したり汚れたりすれば交換するだけで良いので、メンテナンスが簡単なのも魅力のひとつです。

畳の上からフローリングを張るデメリット

畳の上にフローリングを張る方法は手軽なものの、以下のようなデメリットがあります。

・湿気がたまりやすい
・畳とフローリングの間にカビが生えやすい
・畳が傷みやすい
・質感が安っぽくなりやすい

畳の上からフローリングを被せてしまうと、床に湿気が溜まります。フローリングの下にカビが生えたり、畳や下地が傷んだりするリスクがあるため、定期的に確認しましょう。

上から被せるフローリングはデザインが豊富な一方で、質感がチープになりがちです。本物の無垢材と同じとはいえないため、長く使うのであれば、本格的なリフォームも検討してください。

畳の上からフローリングを張る費用相場と工期

畳の上からフローリングを張る場合は、施工費を大幅に削減できます。最も安価なクッションフロアは6畳の広さでも7,000円程度です。

工期は、DIYでも1日で済むでしょう。部屋の広さにもよりますが、家具を移動する時間を含めても、1部屋あたり3時間程度です。

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【DIY】自分で畳の上からフローリングを張る方法

「畳の上からフローリングを張るメリット」のなかで、畳の上からフローリングを張るDIYは初心者でも行いやすいとお伝えしました。特に、フロアタイルやクッションフロアを使えば、より簡単にリフォームが可能です。

DIYであれば、業者に依頼するのに比べて、費用を安く抑えられます。

ここでは、DIYしやすいクッションフロアを例にして、畳に重ね張りする手順を紹介します。

準備する物

畳の上からクッションフロアを張るのに必要な道具は、以下のとおりです。

・クッションフロア(和室の床面積分)
・両面テープとセロハンテープ
・ハサミもしくはカッター
・防虫・防ダニ・防カビシート
・ズレ防止用の杭(または錆防止付きの画鋲)

これらの道具を準備して、スムーズにDIYを進めましょう。

手順1:和室のサイズを測る

最初に、和室の正確なサイズを測ります。同じ畳数であっても、畳の種類によってサイズが少しずつ異なるため、畳数だけではサイズが判断できないためです。

参考までに、4.5畳の畳のサイズを大きい順にご紹介すると、以下のようになっています。

・本間:286×286センチメートル
・61間:277×277センチメートル
・36間:273×273センチメートル
・58間:264×264センチメートル
・江戸間:261×261センチメートル
・団地間:255×255センチメートル

サイズを正確に測り、必要な量のクッションフロアを購入しましょう。

手順2:和室をしっかり掃除する

畳の上にゴミや汚れが残ったままクッションフロアを敷いてしまうと、接着不良になるだけでなく、ダニやカビが繁殖する原因となってしまいます。これを防ぐため、事前に畳の上をしっかりと掃除することが大切です。

大きなゴミは掃除機を使って吸い取り、畳の目の隙間に詰まったゴミはほうきを使って吐き出しましょう。

手順3:防虫・防ダニ・防カビシートを畳の上に敷く

クッションフロアを敷く前に、まずは防虫・防ダニ・防カビシートを畳の上に敷きましょう。

防虫・防ダニ・防カビシートは、ホームセンターなどで購入可能です。

そして、クッションフロアがズレて畳が傷まないよう、杭で固定します。ズレ防止用の杭は、湿気で錆びない素材のものを選びましょう。

手順4:クッションフロアを床の形にカットする

防虫・防ダニ・防カビシートを敷いたら、和室の床の形にフィットするよう、クッションフロアをカットし、仮置きします。壁に凹凸がある場合は、凹凸に合わせてクッションフロアをカットします。巾定規・地ベラ・コーナーカッターなどの道具を使いながらカットするのが、キレイに仕上げるポイントです。

壁際などにクッションフロアが余る箇所があれば、重ね貼りする前にカットしておきましょう。

手順5:必要サイズのクッションフロアをテープで貼り合わせる

クッションフロアの余分な部分をカットしたら、部屋全体をカバーできるサイズにするため、テープで貼り合わせていきます。このとき、テープの貼り付け部分が隠れるようにするため、クッションフロアの裏面から貼り合わせることがポイントです。

貼り合わせがうまくできていないとクッションフロアの柄がずれてしまい、仕上がりの見た目を損ねてしまいます。柄がずれないよう、継ぎ目部分を数センチメートル重ねるとキレイに仕上がります。

手順6:クッションフロアの裏面に両面テープを貼って床に敷く

クッションフロアを張った後に中央が浮かないようにするため、クッションフロアを床に敷く前に両面テープを裏面に貼り付けます。クッションフロアの四隅だけでなく、十字を切るようにしてテープを貼りましょう。

さらに、手順5で重ねておいた継ぎ目をカットします。重なった部分の端から5mm程度、内側を2枚同時にカットすると、クッションフロアの継ぎ目がぴったり揃います。

床にキレイに敷けたら、クッションフロアの重ね張りは完成です。

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畳のカビ対策と対処法

畳の上からフローリングを張る方法は、湿気によって畳にカビが発生しやすくなります。ここからは畳にカビが生えるのを防ぐ方法と、カビが生えてしまった際の対処法を紹介します。

畳にカビが生えるのを防ぐ方法

畳にカビが生えるリスクを減らすためには、クッションフロアやウッドカーペットを張る前に畳をしっかりと掃除しましょう。こまかなゴミやホコリを掃除機で除去しておくと、カビの栄養源が減って繁殖するリスクを軽減できます。

ただし完璧に対策できるわけではないため、定期的に畳の状態を確認してカビが生えていたら早めに対処するようにしましょう。

畳にカビが生えてしまった際の対処法

軽度のカビであれば、早めに対処することで被害が広がるのを防げます。酢を10倍の量の水で薄めたものを用意して、カビが生えた部分を水拭きするだけです。酢がない場合やにおいが心

配な場合は、消毒用エタノールでも代用できます。

水拭きするときは畳の目に沿って雑巾を動かしましょう。隙間に入り込んでいる汚れは歯ブラシなどでかき出すように擦ってから掃除機でしっかり吸い取り、消毒用エタノールを吹きかけておきます。最後は乾拭きで水分を取り除いてから、3日ほど陰干ししてください。

和室×フローリングで和モダンな空間にするのもおすすめ

部屋全体を無理にフローリングに張り替える必要はありません。「畳の良さも残しておきたい」「全体を覆うのはカビが心配」という方は、一部に畳を残してフローリングに張り替える和室×フローリングの和モダンな空間がおすすめです。

和モダンを取り入れている家は増えつつあり、家族のリラックススペースとしてはもちろん、訪問客をもてなす応接間としても活用できます。フローリングに合う畳が分からないときは、プロへの相談を検討してみてください。

金沢屋」なら、デザイン性が優れた畳や耐久性が高い畳、カビ・ダニ・虫が発生しにくい畳など、幅広く取り扱っています。プロの職人が生活環境やお客様のご希望に合わせて、最適な畳を提案いたします。

金沢屋は全国に約350店舗展開しており、畳のほか、襖、障子、床の間など和室に関するお悩みなら幅広くご相談いただけますので、ぜひ一度お問い合わせください。

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まとめ

和室のリフォーム方法のひとつとして、畳からフローリングに変えるケースがあげられます。業者への依頼には相応の費用がかかるため、相場を調べたうえで、複数の業者から見積を取るなど慎重に検討しましょう。  

また、費用を抑えるためにDIYに挑戦する方法もあります。リフォームを自分で手掛けてみたい方、費用を抑えて部屋の雰囲気を変えたい方は、DIYに挑戦してみるのもおすすめです。