網戸の形状は4種類
網戸の形状は取り付ける窓の種類によって、適合するものが異なります。代表的な網戸の形状を紹介していきます。
パネルタイプの網戸
引き違い窓に取り付けられる網戸で、横にスライドして開閉します。設置するのは室外側です。
日本では最も普及しているタイプの網戸であり、ホームセンターでも購入できます。外枠の大きさやネットのバリエーションも豊富です。最近では、ネットだけ外せるカートリッジ式のものも増えています。
ただし、同じ引き違い窓でも、一番外側に網戸用のレールがないと取り付けられません。また、網戸レールの隙間が狭かったり、窓が特殊な形状だったりすると、一般的なパネルタイプの網戸でも取り付けられない場合があります。
固定タイプの網戸
室外側に固定して取り付ける網戸です。開閉はできず、室内側から取り外すことしかできません。外れ止めを別途取り付けて、網戸を固定する仕組みです。内倒し窓など、室内側に開く窓に取り付けられます。
外倒し窓や突き出し窓など、外側に開く窓なら、アタッチメントを取り付けて室内側にはめこむ固定タイプの網戸が良いでしょう。
アコーディオンタイプの網戸
収納する際、アコーディオンのようにネットを折り畳む網戸です。「プリーツ網戸」とも呼ばれています。主に人の出入りがある掃き出し窓や、玄関に使われることが多いタイプです。
出入りだけでなく、オフシーズンで使わないときも、折り畳んで収納できるので、邪魔になりません。一方で、風が吹くと膨らんで隙間ができてしまうのが難点です。
折戸タイプといって、真ん中からふたつに折り畳んで収納できる網戸もあります。
ロールタイプの網戸
ネットを収納する際に、ひもやチェーンを引っ張って巻き取れる網戸です。賃貸アパートに多い「片開き窓」でよくみられます。網戸用のレールがついていない引き違い窓にも最適です。
使わないときは収納されているので邪魔になりません。ストッパーがついていれば、外側から開けられなくなり、防犯面でも安心です。
一方で、網戸が室内側にあるため、開閉するときは必ず巻き取らなければいけません。その際に虫が室内に入り込んだり、ネットに巻き込まれたりする可能性があるので注意が必要です。
網戸のネットの種類も確認する
続いて、ネットの種類について見てみましょう。
メッシュサイズ
ネットの網目は「メッシュ」と呼ばれており、数値で表示されています。18メッシュであれば、1インチ(約2.54センチメートル)の範囲に18個のメッシュがあるという意味です。
このとき、ひとつのメッシュの大きさは1.15ミリメートル四方となり、数値が大きいほどメッシュが細かくなります。市販されているのは16~24メッシュが中心です。
虫の侵入を防ぐなら、20メッシュ(1ミリメートル四方)以上が望ましいでしょう。センチクバエやチョウバエなど、大きさが1ミリメートルの虫でも侵入を防げます。
一方で、あまりにもメッシュが多すぎると、視界や通気性が損なわれるのが難点です。視界は細い繊維を使ったり、黒い色にしたりすることで改善できますが、通気性まで保つのは簡単ではありません。
40メッシュのネットもありますが、通気性を保てるのは33メッシュが限界です。
ネットの素材
一般的な住宅に張ってある網戸はネット素材がほとんどです。ネットの主な素材として、下記の4種類があげられます。
・ポリプロピレン
・ポリエステル
・グラスファイバー
・ステンレス
素材によって耐久性や価格などが異なるため、各素材の特徴を把握した上で、希望に合うものを選びましょう。
ポリプロピレン
ポリプロピレン(合成樹脂)は、4種類のなかで最も主流な素材です。安価で軽くて柔らかく、熱に強いという特性があります。耐久性もあるため、屋外に取り付ける網戸には最適です。
一方で温度や湿度の変化、雨風の影響を受けやすく、紫外線によって早く劣化します。そのため、5~10年を目安とした定期的な張り替えが必要です。
ポリエステル
ポリエステルは、合繊繊維で作られたネットです。ポリプロピレンよりも線が太く、強度も耐久性も高いため破れにくいのが特徴です。
ペットを飼っている家庭なら、爪で引っ掻かれて破れるといった事態を防げるでしょう。ただし、強く丈夫な素材である分、ポリプロピレンよりも価格が上がります。
グラスファイバー
最近はグラスファイバーのネットも人気です。その名の通り、ガラスから作られる繊維で強度が高く、引っ張られる力にも強く、耐熱性もあります。
また、紫外線が当たっても劣化しにくいので、少し値は張りますが日差しの強い場所やキッチンの窓など、暑くなりやすいところに使うのがおすすめです。
ステンレス
耐久性を重視するなら、ステンレスのネットという選択肢もあります。一般的な平織の金網と同じ構造であり、金属製なので破れにくいのが強みです。耐用年数は15年~20年ともいわれています。
ペットのいる家庭はもちろん、防犯性を高めたいときや、交換が難しい窓に使いたいときなどにおすすめです。ただし、価格はほかの素材よりも高くなります。
色
色にもバリエーションがあり、最も外の景色が見えやすいのはブラックです。逆にグレーやホワイトグレーなど、白っぽくなるほど、外の景色は見えづらくなります。なぜなら、黒は光を吸収し、白は反射させるからです。反射によって、外の景色はぼやけて見えます。
外の景色を見たいのであれば、おすすめはブラックですが、逆に外からも室内が見えやすいのが欠点です。外からの視線を遮りたいのであれば、グレーやホワイトグレーが適しています。
特殊加工
特殊な加工をして、機能を追加したネットもあります。防虫効果がある網、ペットの引っ掻きに強い網などいろいろあるので、環境に合うものを探してみましょう。
防虫効果がある網
ネットに虫が嫌がる薬剤を染み込ませたり練り込んだりして、防虫効果を高めています。室内に虫が入りにくくなるだけでなく、そもそも虫が網戸に寄ってきにくくなるので、死骸の処理に困ることもなくなるでしょう。
視界と通気性を確保した網
細い線で細かなメッシュを作り、視界と通気性を両立させています。網目が細かいので防虫効果も期待できるでしょう。
銀黒色の網
室内からは屋外がよく見えて、屋外からは内部が見えにくくなるよう、外側を銀色、内側を黒色に加工しています。目隠し効果が高いため、1階の窓や人通りが多い場所にある家の窓におすすめです。
ペットネット
樹脂がコーティングされており、ペットが引っ掻いても破れたり爪が引っかかったりしにくいのが特徴です。弾力性があるので、ステンレス製の網のように爪が引っかかって網目がズレたりよれたりしにくいというメリットもあります。
花粉防止静電網
帯電する薬剤でネットをコーティングし、静電気によって花粉などの有害物質の吸着・侵入を防止します。網自体がコーティングされているので、通気性が悪くならないのがメリットです。
取り付ける網戸の選び方
網戸の形状やネットの種類については把握できたものの、結局どれを選ぶべきかわからない方もいるでしょう。そこで、網戸の選び方についても解説します。
関連記事:「【網戸の選び方】6つのポイントを徹底解説!窓の形と網の素材・色から選ぼう!」
取り付ける場所の形やサイズ
網戸を選ぶときには、まず下記の3点をチェックしましょう。
網戸を取り付ける場所
一般的に、網戸を取り付ける場所といえば、玄関か窓のいずれかでしょう。
玄関ドアに網戸を取り付ける場合、開閉する必要があるので固定タイプはNGです。網戸用のレールが設置されていないケースでは、パネルタイプの網戸は使用できません。そのため、玄関ドアにはアコーディオンタイプかロールタイプのいずれかの網戸が適しています。
窓に取り付ける場合、網戸用のレールが設置してあるならパネルタイプの網戸が取り付けられます。網戸用のレールがなく開閉の必要がない場合は、固定タイプを選ぶのもひとつの手です。視界を確保したい、手入れの手間を省きたいなどの場合は、使用しないときに収納しておけるアコーディオンタイプやロールタイプの網戸にするのがおすすめです。
取り付け場所の形
続いて、取り付け場所の形を確認しましょう。玄関ドアには、ドアクローザーやドアハンドルなどの障害物があるのが基本で、これらを避けた上で網戸を設置するスペースがあるかを確認する必要があります。
引き戸の場合は障害物がないこともあるでしょう。しかし、適当に設置すると網戸が引っかかって引き戸が開けられないなどのトラブルが起こる可能性があるので、やはり設置スペースがあるかの確認が必要です。
窓の場合も同様に、網戸を設置できるスペースがあるかを確認しましょう。また、窓の形は多種多様で、掃き出し窓のような大きな窓もあれば、腰窓のような高い位置にある窓、スリットのような細長い窓、明かり取り用の小さな窓などもあります。
大きすぎる窓や小さすぎる窓、細すぎる窓など特殊な形状の場合、希望の網戸があっても制作不可となるケースがあるので、必ずあらかじめ規格を確認するようにしましょう。
取り付け場所のサイズ
網戸は取り付けたい場所に適したサイズのものを選ぶ必要があります。玄関ドアや窓の高さと幅をメジャーで測っておきましょう。
巾木(はばき)などでドア枠や窓枠に段差がある場合は、段差用部材を設置しなくてはならないので、段差があるかどうかも確認してください。
網戸を取り付ける目的
網戸を選ぶときには、目的に合った機能があるかもチェックしましょう。特にこだわりがないのであれば、ポリプロピレンのごく一般的な網戸を選ぶとコストを抑えられます。
花粉の侵入を防ぎたいなら、帯電するタイプの網戸を選ぶのがおすすめです。銀黒色の網戸を選べば、視界を確保しつつ外部からの視線を遮断するのに役立ちます。網戸の機能をしっかり確認して選べば、より快適に生活できます。
網戸の種類が決まったら設置を依頼する
建売住宅など、購入時に網戸が設置されていない場合は、後から追加しなければいけません。自分で網戸をホームセンターなどで購入し、取り付けることもできますが、手間や時間がかかってしまいます。
まずは、窓のサイズや形状に合った網戸を選ばなければいけません。しかし、特殊なサイズの窓を設置している建売住宅も多く、その場合はメーカーからオーダーメイドで取り寄せる必要があります。その場合、価格も割高になってしまうでしょう。
また、アコーディオンタイプやロールタイプの網戸は、取り付けの際に工具で固定しなければいけないため、DIYに慣れていない方には難しいです。加えて、業者でないと取り付けられないものもあります。
ほかにも、高いところにある窓に、自力で外側から網戸を取り付けるのは危険です。
これらを踏まえると、網戸の設置は業者に依頼することをおすすめします。取り付けたい網戸の種類が決まったら、業者に問い合わせてみてください。
「金沢屋」では、網戸の張り替えだけでなく、新調も行っております。
また、「金沢屋」では33メッシュのネットまで対応できます。全国展開をしており、お電話でお問い合わせいただければ、ご自宅までお伺いします。お見積もりは無料なので、網戸の新調をお考えの際は、ぜひご相談ください。
まとめ
網戸にはさまざまな形状があり、ネットの素材によって機能も変わります。網戸の形状や素材別の特徴を把握した上で、取り付ける場所や目的に合った網戸を選びましょう。どの網戸にすべきか決められない場合は、プロに相談するのがおすすめです。