目次
琉球畳の3つの特徴
琉球畳とは「七島い(しちとうい)」を原料としてつくられた畳のことをいいます。この七島いが沖縄でよく栽培されていた名残から、琉球畳と呼ばれるようになりました。
現在では、大分県で栽培されており、中国産や中国の七島いを国内で栽培した「半国産」があります。近年では、七島いではなく化学繊維や和紙などで琉球畳の形につくられた畳であっても、「琉球畳」と呼ばれることが増えてきています。
琉球畳は、一般的な畳と比べてどのような違いがあるのでしょうか。ここからは、琉球畳の特徴や一般的な畳との違いについて紹介します。
特徴1.縁がない
琉球畳は、一般的な畳にあるような縁(へり)がないことが特徴のひとつです。縁には、装飾としての役割だけでなく、畳の耐久力をあげる効果があります。
琉球畳の場合、素材として使用されている「七島い」が一般的な「い草」よりも丈夫で加工しやすいため、縁をつける必要がありません。
そのため、琉球畳は七島いを活かした特殊な織り込み方によって、縁なしでも強度が保たれているのです。
特徴2.半畳サイズである
琉球畳は、一般的な畳の半畳にあたるサイズであることも特徴のひとつです。通常の長方形タイプの畳の半分ほどで、正方形のものが琉球畳の一般的な形状になります。
通常の畳と同様に長方形の琉球畳もありますが、基本的には正方形の半畳タイプがほとんどです。
また、住宅に合わせてオーダーメイドでつくられることが多いため、1畳タイプなどのサイズ変更だけでなく厚みも自由に変えることができます。
なお、通常の畳の1畳あたりの基本的なサイズは次のとおりです。畳の種類によってサイズが変わってきます。
畳の種類 |
|
江戸間 | 1760mm×880mm |
本間 | 1910mm×955mm |
中京間 | 1820mm×910mm |
琉球畳は、オーダーメイドによってサイズが異なりますが、江戸間の半畳サイズである880mm×880mmサイズのものが一般的です。
特徴3.裏返しできない
琉球畳の3つ目の特徴は、裏返しができない点です。
通常の畳は、傷んでくると新調するほかに、裏返しや表替えをして引き続き使用する方法があります。しかし、琉球畳は裏返して再利用できないことがあります。
琉球畳に使用されている七島いは、硬く柔軟性に乏しいため、無理に裏返しを行うと割れてしまう可能性があるためです。
また、畳の表面を新しいものに取り換える表替えは琉球畳でもできる場合はありますが、薄いものや表が畳床(たたみどこ)に接着剤で貼り付けられているものは表替えできません。
琉球畳のお手入れ方法
琉球畳のお手入れは、掃除機がけを行う方法が基本になります。水拭きはせず、しっかりと乾燥状態を保つことが大切です。
万が一、畳が濡れてしまったときは、速やかに拭き取って乾燥させましょう。琉球畳は、一般的な畳と同様に、畳の上にカーペットやじゅうたんなどを敷くと湿気がこもりやすくなるので注意が必要です。
掃除をせずに放置しているとカビが生えたり、ダニが発生したりする原因になるため、日常的にこまめに掃除する習慣をつけることが重要になります。
畳と畳の間などに汚れが溜まったときは、掃除機を細いノズルに付け替えて、歯ブラシなどで優しく書き出しながら吸い取る方法がおすすめです。
琉球畳を利用するメリット
一般的な畳とは異なる特徴がある琉球畳には、琉球畳ならではの魅力があります。
では、一般的な畳も多く普及している中で、あえて琉球畳を利用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、琉球畳を利用するメリットや魅力について紹介します。
丈夫である
七島いを使用してつくられた本来の琉球畳は、一般的な畳に比べて耐久性に優れています。
重たい家具などを置いても凹みにくく、跡が残りにくいのも特徴のひとつです。また、一般的な畳に使用されているい草のように、香りづけや変色防止のために行う「泥染め」の工程がありません。
そのため、アレルギーのもとになる物質が発生しにくく、小さなお子さまがいるご家庭にも適しています。
新品の琉球畳は荒々しい印象やザラザラとした感触がありますが、時間を経るにつれてツヤが増し、飴色や黄金色のような風合いが楽しめるのも魅力です。
丈夫なうえに質感の変化も楽しめるため、手入れ次第では琉球畳の美しい風合いを長く楽しみ続けることができます。
注意点としては、七島いが使用されていない琉球畳は場合によって耐久度が低いこともあるので、琉球畳を選ぶ際はどの原料が使われているのか、あらかじめ確認しておきましょう。
部屋に奥行が出る
琉球畳を使用すると、部屋に奥行きが出るのもメリットのひとつです。琉球畳には縁がないため、畳ごとの仕切りが曖昧になることで奥行きを感じられるようになります。
畳の目を揃えて敷けば、部屋をより広く感じることができるので「部屋を広く見えるようにしたい」という方におすすめです。
また、畳の目をあえて互い違いになるように敷けば、琉球畳を市松模様のような配置にすることもできます。
一般的な畳のような和を前面に出したテイストではなく、洋室との相性も良いため、部屋をモダンな雰囲気に仕上げられるのも琉球畳の魅力のひとつです。
お部屋のアクセントとして活用でき、和や洋問わずさまざまな部屋の雰囲気にマッチするのも、琉球畳のメリットだといえるでしょう。
モダンな雰囲気を演出できる
モダンな雰囲気を演出できることも琉球畳のメリットです。縁がなくスタイリッシュなため洋室にも取り入れやすく、カラーバリエーションが豊富なため、琉球畳はさまざまなアレンジができます。
デザイン性が高い
琉球畳には縁がないため、敷き詰めるとタイルマットのようにすっきりした雰囲気に仕上がります。
洋室に取り入れても違和感はないでしょう。洋室の一部を琉球畳にすることで、和モダンな雰囲気を演出できます。
和室も普通の畳から琉球畳に変えることで、おしゃれな部屋に一新できるでしょう。縁がないため、部屋の奥行きも感じられるようになり、部屋の広さや明るさを演出できます。琉球畳のデザイン性の高さは、和室にも洋室にも合うのです。
好みのカラーを選べる
好みのカラーを楽しめるのも琉球畳の良さです。琉球畳は一般的な畳の色だけではなく、さまざまな色があります。
グレーやブルーなどのシックなカラーや、ピンクやオレンジなどの明るいカラーもあるので、部屋の雰囲気に合わせてカスタマイズしやすいでしょう。
落ち着いた雰囲気の部屋にも、アクセントとして琉球畳を取り入れることで、イメージを変えることができます。
琉球畳のデメリット
耐久性やデザイン性などにメリットのある琉球畳ですが、一方でデメリットもあります。一般的な畳と比べて価格が高いことと、角が傷みやすいことです。
価格が高い
琉球畳を取り入れるデメリットとして、価格が高いことが挙げられます。一つひとつ手間をかけてつくられる琉球畳は、一般的な畳よりも高価なため、部屋全体に施工するための費用も高くなります。
また、施工に手間がかかることから、作ることができる枚数に限りがあることも値段が高くなる要因のひとつです。
さらに、琉球畳は半畳サイズが一般的であるため、単純計算で一般的な畳を敷くのと同じ面積に対して必要になる枚数が2倍になることも費用がかかる要因でしょう。
一つひとつ丁寧につくられる琉球畳は、オーダー内容によって大きさや厚さなども変動します。そのため、業者によっては時価に設定している場合もあるので、希望のデザインやカラーがある場合には相談してみると良いでしょう。
角が傷みやすい
畳の角が傷みやすいことも琉球畳のデメリットといえます。通常の畳は角を補強するために縁がありますが、琉球畳にはないためです。一般的な畳の角と比べると、琉球畳の角は耐久性に欠けます。
素材によって強度は変わるので、耐久性を重視したい場合は素材にも注目すると良いでしょう。通常は、い草のような自然素材よりも、和紙製や樹脂製の方が強度は高いです。
また、海外製の質の悪い素材が使われた琉球畳は、耐久性が低いこともあるので、注意して選択しましょう。
琉球畳を張り替える目安と費用相場
琉球畳のリフォームは、素材によって費用相場が変わります。
一般的ない草の場合、相場は半畳あたり1万円前後です。和紙や化学繊維で作られた琉球畳も同じくらいの価格になります。七島い草を使用した琉球畳は、半畳あたり2万円程度です。
七島い草で8畳の部屋をリフォームする場合は、32万円程度は見ておいた方が良いでしょう。
なお、琉球畳の耐久性は素材で変わってきます。七島い草や和紙、化学繊維などは耐久性がありますが、一般的ない草は耐久性が低いです。
前述したように琉球畳は裏返しができないばかりでなく、ものによっては表替えもできないため新調するケースも多いでしょう。劣化すると買い換えが必要なことから、琉球畳にする際は1畳あたりの価格だけでなく、耐久性も考慮して選択することをおすすめします。
琉球畳を使用したいなら金沢屋がおすすめ
琉球畳の活用を検討しているのであれば、金沢屋にぜひご相談ください。金沢屋は、全国に約300店舗展開しており、各ご家庭の状況やご希望に合わせて、畳の種類やデザインを提案させていただくことも可能です。
また、金沢屋では、畳の表替えや新調にも対応しています。ダニやカビなどが発生しにくいタイプのものや、デザイン性、耐久性に優れた畳など、豊富なラインナップの中からお選びいただくことが可能です。
畳の表替えをはじめ、襖や障子、網戸の張り替え、新調のほか、掛け軸に関するご依頼も承っております。
「畳を表替えしたいな」「そろそろ新調したいから丈夫なものを選びたい」など、和室に関するお悩みは、ぜひ金沢屋までお気軽にご相談ください。
まとめ
琉球畳は、近年七島いを使用した製品だけでなく、化学繊維や和紙でつくられているものなどさまざまなタイプがあります。
和室としてはもちろん、洋室との親和性も高いため、家具などとのトータルコーディネートも行いやすいのではないでしょうか。
カラーバリエーションも豊富にあるため、市松模様だけでなく、虹色のようにカラフルな空間に仕上げることも可能です。アレルギーの原因物質も少ないため、座って遊べる空間としてお子さまの子ども部屋に琉球畳を活用するのも良いでしょう。