フローリングに適した畳の厚さは?種類ごとのサイズと特徴を解説

和室に欠かせない床材の畳ですが、新築やリフォームで和室を作るにあたって、畳の厚さは選べるのか、厚さによって何か違いはあるのかと気になる人もいるのではないでしょうか。 結論からいうと、畳の厚さはある程度選べます。ただし、厚さによって特徴が異なるため、目的に合ったものを選ぶことが大切です。 今回は畳の厚さの種類と特徴、目的別の畳の厚さの選び方などについて解説します。理想の和室を作るための参考にしてみてください。

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畳の厚さは好みで選べる!

畳というと、1畳サイズの緑の重たい畳を想像する人が多いでしょう。しかし、実は畳にはさまざまな種類やサイズがあり、厚さも指定できます。まずは畳のサイズの種類や、基本の厚さなどについて理解しておきましょう。

一般的な住宅の畳の厚さはオーダーメイドが基本

どれも同じように見える畳ですが、一般的な住宅用の畳は「団地間」「京間」など地域によってサイズや厚さに違いがあり、基本的にはオーダーメイドで製作します。

・団地間:1700×850ミリメートルの、マンションやアパートなどで使用されるサイズ

・京間:1910×955ミリメートルの、京都や関西で使用されるサイズ

・江戸間:1760×880ミリメートルの、関東地方で使用されるサイズ

・中京間:1820×910ミリメートルの、中京地方で使用されるサイズ

・琉球畳:880×880ミリメートルの、沖縄県で使用されるサイズ

畳の厚さについてはJIS規格では55~60ミリメートルが基本とされていますが、15~60ミリメートル程度の範囲内であれば、厚さの調整にも対応してもらえるでしょう。

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畳の厚さの種類と特徴

畳の厚さはある程度調整できますが、厚さによって特徴や機能性が異なるため、目的や希望に応じて決めることが大切です。畳の厚さによってどんな違いがあるのか、種類とそれぞれの特徴を解説します。

50mm前後の厚さ

厚さ50ミリメートル前後の畳は、ほとんどのケースで使用できる一般的な畳の厚さです。芯材が丈夫なので、さまざまな畳表(たたみおもて)に対応できます。また、厚い分クッション性があるので、防音性が高く断熱性・保温性も高いのが魅力です。

30mm前後の厚さ

厚さ30ミリメートル前後の畳は、厚さ50ミリメートル前後の畳と比べると芯材が弱く、上級品の畳表だと芯材が負けるため使いにくい傾向にあります。

しかし、薄いのでフローリングの上でも置きやすく、後述の極薄畳よりも張り替えやすいのがメリットです。

フローリングに置くことを前提に、裏側にすべり止めが取り付けられていることもあります。市松敷きなどおしゃれな敷き方ができると人気の琉球畳も、厚さ30ミリメートル前後が一般的です。

10~15mm前後の厚さ

厚さ10~15ミリメートルの極薄畳は、床暖房やフローリングに使われる畳です。軽く扱いやすいので手軽に和室の雰囲気を作れる魅力があります。

しかし、薄いため畳が硬化しやすい傾向にあります。また、芯材がへたりやすく、張り替えや表替えなどのメンテナンスがしづらいのもデメリットです。床暖房の上に畳を敷きたいなど特別な理由がない限りは、もう少し厚さがある畳にするのがおすすめです。

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メリットから考える畳の厚さの選び方

畳の厚さに種類があり、オーダーメイドできることがわかったものの、自分の目的・希望にどの厚さの畳が最適なのか判断できない人もいるでしょう。

ここでは、メリットから考える畳の厚さの選び方を紹介します。

長く使いたいときは厚い畳

できるだけ長く畳を使い続けたい人には、厚い畳がおすすめです。厚い畳は耐久性があり、1度購入すれば長く使えます。

畳の表面にある畳表の寿命は3年程度ですが、畳表を裏返せば、さらに3年寿命を延ばすことが可能です。

畳の芯となる畳床(たたみどこ)の寿命は10~15年程度といわれていますが、きちんとメンテナンスすれば数十年使えることもあります。

デザイン性を重視したいときは厚い畳

デザイン性重視の人にも、厚い畳が向いています。厚い畳は畳縁(たたみべり)のデザインを自由に選びやすいからです。畳縁とは、綿、麻、ポリエステルなどの素材で作られた、畳の端に取り付けられている素材のことです。

畳の端や角を補強するために取り付けられている素材ですが、無地のものや柄入りのものがありカラーもさまざまで、和室のインテリアを彩るのに一役買います。

裏返しや表替えなどのメンテナンスの際に畳縁も交換すれば、和室の雰囲気をガラッと変えられるでしょう。

マット感覚で手軽に使いたいときは薄い畳

厚い畳は重量があるため、設置やメンテナンスが大変です。マット感覚で手軽に畳を使いたいなら、薄い畳を選ぶと良いでしょう。

厚い畳と比べると価格が安価なものもあり、洋室を和室風にしたいなど、部屋のテイストを変えたいときにも役立ちます。

簡単に張り替えたいときは薄い畳

こまめに張り替えたい、DIYで畳を設置したいという場合も、薄い畳がおすすめです。厚い畳は重量が20~40kgほどあり、持ち上げるだけでも苦労します。

一方、薄い畳であれば厚い畳の半分程度の重量のものもあるため、ひとりでも張り替え作業ができます。購入した後の意向も含めて畳を選びましょう。

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目的別で考える畳の厚さの選び方

フローリングから畳に変えたい、バリアフリーにしたいなどの希望がある場合は、その目的に応じた畳を選ぶ必要があります。ここでは、目的別の畳の厚さの選び方を紹介します。

フローリングから畳にしたいなら薄い畳

フローリングから後付けで和室にしたい場合は、薄い畳を選びましょう。フローリングの厚さを考えると、薄い畳のほうが段差ができにくく、ちょうど良い厚さの床になります。

とくに、将来フローリングに戻す可能性がある場合は、フローリングの厚さに合わせた極薄畳にするのがおすすめです。

機能性を重視したいときは厚い畳

防音や断熱などの機能性を重視するなら、厚い畳が向いています。厚い畳はクッション性が高く、音を吸収してくれます。

また、厚い畳は断熱材が厚く、材料の「い草」に調湿効果があります。そのため、冬は室内を温かく、夏は涼しく快適に保つのに役立ちます。

バリアフリーにしたいときは薄い畳

室内にバリアフリーを取り入れたいときは、薄い畳が良いでしょう。薄い畳を室内に敷けば、フローリング面と部屋の入口の段差が埋められます。

ただし、薄い畳は特殊素材の芯材を使用するため、厚い畳よりも価格が高くなることがあります。新築やリフォームの予算に応じて、薄い畳を採用するかどうか検討しましょう。

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最適な畳の厚さを検討しよう

畳は厚さの指定が可能で、厚さによって特徴や機能性が変わるため、目的や希望に合った厚さのものを選ぶ必要があります。とはいえ、どの厚さが最適かわからないこともあるでしょう。

そんなときは、「金沢屋」にご相談ください。金沢屋は、全国に300店舗を展開する、地域密着型の襖・障子・網戸・畳の張り替え専門店です。専門的な知識のある職人が、お客様の目的や希望に合った最適な畳をご提案いたします。

見積もりは無料、完全後払いなので「知らない業者に相談するのは不安」といったときでも、安心してご利用いただけます。襖や障子、掛け軸の新調や張り替えにも対応しているので、和室の悩みやトラブルを丸ごと解決することが可能です。

まずは金沢屋のフリーダイヤルやホームページのお問い合わせフォームから、お気軽にご相談ください。

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まとめ

畳はサイズが幅広く、あらゆる厚さのものがあります。畳の厚さによって特徴や機能性が異なるため、希望や目的に合った畳を選ぶことが重要です。

まずは「長く使えるものが良い」「マット感覚で気軽に使いたい」など、畳に対する希望を洗い出して、それに合う畳の厚さを考えてみましょう。