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畳から虫が発生する理由
畳から虫が発生するのは、外部からの侵入や、虫が住みつきやすい環境をつくっていることが挙げられます。ここでは、畳から虫が発生する理由と虫の正体について解説します。
虫は外部から侵入する
畳の虫は、窓やドア、家の隙間など、外部から侵入します。あらかじめ畳の内部に卵が生みつけられて、孵化(ふか)するわけではありません。外出時に着用していたコートや服に付着して、そのまま家の中に入り込み、住みつく場合もあります。
人の出入りや窓の開け閉めがある限り、虫の侵入は避けられません。住みつかないように予防し、見つけるたびに駆除するのが基本です。
虫が住みつきやすい環境とは?
畳で発生する虫の多くは、適度な湿り気があってエサが豊富なところに住みつきます。畳一帖で吸湿できるのは、約500ミリリットルです。部屋の湿度が高くて、風通しも悪いほど、畳の中の湿度が高くなり、虫にとっては住みつきやすい環境になります。
加えて、畳の上にカーペットやマットを敷いていると、通気を防いでしまい、湿気の逃げ場がなくなります。畳の上に段ボールを置きっ放しにするのも同様です。
さらに、畳の部屋で人間が過ごすと、その間にフケや垢が体から剥がれ落ちます。肉眼では見えないほど小さいので、剥がれ落ちても気づきません。人間のフケや垢などは虫にとって格好のエサになります。特にペットを飼っていて、畳の部屋に出入りさせている場合は要注意です。食べこぼしも、その都度キレイに拭きとるようにしましょう。
黒い虫の正体は?
畳で発生する虫の中でも、黒く見えるのは以下の種類が該当します。
シバンムシ
体長は2~2.5ミリメートルくらいで、黒ゴマのように見えますが、実際の色は茶色や赤褐色です。乾燥した植物性のものを好むため、小麦粉や乾麺、乾物、タバコをはじめ、畳もエサになり穴を空けてしまいます。這うだけでなく、飛ぶことも可能です。
人間にとっては無害ですが、「アリガタバチ」という有害なアリが発生する原因になるため、そのままにしてはいけません。アリガタバチのメスに刺されると、赤く腫れてかゆみや痛みをともないます。
チャタテムシ
体長は1~2ミリメートルくらいで、実際の色は白から薄い黄色です。カビを好むので、チャタテムシを見つけたら、どこかでカビが発生していると考えられます。ほかにも、畳やゴザ、壁紙、段ボール、米などがエサになります。
チャタテムシ自体は無害ですが、有害な「ツメダニ」が発生する原因になるため、やはりそのままにするのは禁物です。ツメダニに咬まれると、赤く腫れ上がって強いかゆみをともないます。5月から9月にかけてが繁殖期です。
カツオブシムシ
体長は2.5~3ミリメートルくらいで、黒だけでなく黄色っぽいのもいます。幼虫は風通しが悪かったり、暗かったりするところで繁殖するので、畳の裏はまさに最適な環境です。
花粉や繊維質を好み、服に穴を空ける虫としてよく知られています。人間にとっては無害で、ほかの害虫を発生させる原因にもなりません。
黒色以外の虫も!
畳では黒色以外の虫も発生します。例えば、ダニ(ケナガコナダニやツメダニなど)は白から薄い黄色で、体長が1ミリメートル以下のため、肉眼ではほとんど見えません。
シミ(紙魚)は1センチメートルに近い大きさで、銀色をしています。独特の形状と素早い動きで気味悪がられていますが、人間にとっては無害です。その名のとおり紙類を好み、本や雑誌、掛け軸などをダメにする恐れがあります。
シロアリを見つけたら要注意です。早く駆除しないと、畳を食い荒らすだけでなく、家までボロボロにされるかもしれません。
畳の黒い虫はどのように駆除すれば良い?
畳で黒い虫を見つけたら、どのように駆除すれば良いのか、方法を見ていきましょう。
こまめに掃除する
先述のとおり、畳に剥がれ落ちた人間やペットのフケや垢は、虫たちのエサになります。こうした汚れが溜まらないよう、こまめに掃除をしましょう。
掃除機を使うときは、畳の目に沿って、1帖あたり30秒から1分ほどの時間をかけます。掃除後に畳を消毒用アルコール(エタノール)で拭くと効果的です。
不要な段ボールや雑誌は、虫の種類によってエサになったり、棲み処になったりするので取っておかずに捨てましょう。
除湿する
畳で発生する虫の多くは、湿気の多いところを好みます。目安としては、室内の湿度が60%以上です。こまめに換気したり、エアコンの除湿機能を使ったりするなどして、湿気がこもらないようにしましょう。畳のある部屋では、湿気の原因となる洗濯物を干したり、炊飯器を使ったりしないほうが無難です。
万が一カビが生えてしまったら、消毒用のアルコールか酢をそのまま吹きつけて殺菌しましょう。畳が変色する場合もあるので、広範囲に飛び散らないよう注意します。十分に乾燥させたら掃除機をかけ、それでも取れなければ歯ブラシでかき出しましょう。最後に消毒用アルコールかお湯で薄めた酢で拭き、再び乾燥させます。
溜まった湿気を放出しやすくするためにも、畳の上には何も敷かないのが基本です。カーペットやマットはもちろん、布団も敷きっぱなしにせず、起きたら片付けるようにしましょう。
殺虫剤を使う
殺虫剤を使うと、畳で発生する虫を駆除できます。特に煙式の殺虫剤なら、部屋の隅々まで有効成分が行き渡るので効果的です。
このとき、乳幼児やペットがいる家庭は、以下のように細心の注意を払いましょう。
煙式の殺虫剤に含まれる有効成分は、人間にとって無害ですが、ペットにとっては毒性が強い場合があります。乳幼児がいる家庭では、殺虫剤が付着したおもちゃなどを口にしないか心配です。また、家電製品の中に入り込むと故障の原因になります。
そのため、利用するときは人間やペットは安全な場所に移動し、家具や家電製品、食器類は袋で覆いましょう。火災報知器も反応しないようにカバーで覆います。使用中は煙が外に逃げないようにしっかり閉め切り、近隣にも迷惑がかからないように注意が必要です。
殺虫剤を使い終わった後は十分に換気し、覆った袋を外して、ペットを元に戻します。ペットの種類によっては、元に戻せるまで日数がかかるので、説明書の指示に従いましょう。
黒い虫が発生しづらい畳にするには?
虫の駆除を行ったあとは、再び発生しないように予防が必要です。
防虫シートを使う
防虫シートにはホウ酸塩やホウ素系化合物といった殺虫成分が含まれており、畳の下に敷くと虫を寄せつけません。畳屋やホームセンター、通販などで購入できます。効果は比較的長く、5~10年くらいです。畳を裏返したり、張り替えたり、新調したりするタイミングで交換すると良いでしょう。
畳を乾燥させる
1年に2回くらいは、天気が良くて乾燥している日に、屋外で干すのも効果的です。畳に含まれる湿気が放出されます。ただし、日光で畳が焼ける恐れがあるので、長時間干すときは表面に黒いビニールなどのカバーをかけましょう。畳屋の中には、畳用の乾燥器を導入しているところもあります。自分で干せない場合は、畳用の乾燥機を活用するのも良いでしょう。
畳の張り替え・新調を検討する
畳は長年使っているうちに表面が擦り切れてしまいます。擦り切れたところから湿気が入り込むと、虫やカビが発生する原因になります。また、畳がシロアリに食い荒らされて、傷んでしまう場合もあります。
畳の寿命は20年が目安です。20年経っていなくても、変色やシミがあったり、歩くと沈んだりするなら交換を検討しましょう。
金沢屋では、畳の張り替えや新調を行っています。張り替えは1帖6,050円、新調は27,500円(いずれも税込)からです。虫やカビが発生しにくい畳も選べます。黒い虫でお悩みの際は、ぜひご相談ください。
まとめ
畳で黒い虫が発生するのは、外から入り込んで住みついてしまうからです。湿気が多く、エサのもととなる汚れがあると、虫にとって住みつきやすい環境になります。駆除するには、殺虫剤を使うのはもちろん、こまめな掃除や除湿がおすすめです。 放置してしまうと、害虫は最終的に家を傷める原因になります。将来的なことを考え、早めに駆除をしましょう。また、傷んだ畳は湿気が入り込みやすくなるので、張り替えや新調を検討しましょう。
害虫は最終的に家を傷める原因になります。将来的なことも考えて早めに駆除することをお勧めします。